ワイドトレッドスペーサーの生みの親!KSPエンジニアリングってどんな会社?

ワイドトレッドスペーサーの生みの親!KSPエンジニアリングってどんな会社?

東京都武蔵村山市に拠点を置く「KSPエンジニアリング」は1991年に金属加工のメーカーとして創業し、現在はチューニングショップとしての側面も併せ持ちます。そんな同社の名を一躍有名にしたのが『ワイドトレッドスペーサー』という商品でした。そんな、25年以上も売れ続けている、このベストセラーを生んだ同社のものづくりに懸ける熱い想いを紐解いていきます!

「ワイドトレッドスペーサー」という発明

©︎Motorz

これまでに累計で10万個以上を売り上げたという、KSPエンジニアリングの大ヒット商品が「ワイドトレッドスペーサー」です。

今でこそカスタムパーツ市場に"ワイドトレッドスペーサー"というカテゴリーがあるほどに成長したパーツですが、そもそも「ワイドトレッドスペーサー」というのは、同社がこの商品を発売するにあたって付けた商品名を指していることはご存知でしたか?

このワイドトレッドスペーサーが開発されるまでは、オフセットの合わないホイールを履かせたい場合、当然ホイール交換などのお金も時間もかかる大掛かりな調整を行わないと、装着することができませんでした。

簡単に言ってしまえば、足りない厚み分のスペーサーでも噛ませればこの悩みは解決できる訳ですが、そんなアイデアをいち早くカタチにしたのがKSPエンジニアリングだったのです。

実際、この商品が発売されて以降、類似品が市場にたくさん出回っています。

しかし、KSPエンジニアリングのワイドトレッドスペーサーは東京オートサロンを運営しているNAPAC(一般社団法人 日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会)が定めるASEA基準をクリアした唯一の商品なのです! ちなみに適合車種は、国産車のPCDが114.3、もしくは100の5穴の車両に対応しており、全部で38車種となっています。

KSPエンジニアリング製ワイドトレッドスペーサー / ©︎Motorz

こちらは新製品の「ワイドオフセットスペーサーキット」。クリアランスが少なく、比較的厚めなワイドトレッドスペーサーでは収まりきらないFF車にはこちらがオススメです。/ ©︎Motorz
 

安全を実証するために

例えば、自動車の衝突実験のように純正パーツにはその強度や安全性を証明する試験などが用意されているのですが、アフターパーツに関しては、まだそのような明確に効力を証明できる試験制度が整備されていません。

現在、アフターパーツで明確に「車検適合品」と名乗れるものは、JASMA(全日本スポーツマフラー協会)の定めた音量などを満たしたマフラーと、安全に走行するための光量が明確に数値化されている灯火類程度に留まる状況。

そこでKSPエンジニアリングは、類似商品との差別化を図るという意味でも、同社のスペーサーキットに2012年頃から3年以上の年月をかけて、VIA(日本車両検査協会)による強度試験を行い『純正同等の性能と強度の保持』というASEA基準に業界で初めて適合させました。

適合させました、と言っても特に何かの改良を加えたわけではなく、単純に『安全性を証明する規格が無いパーツの安全性を証明するためにはそれほどの時間がかかる』というのが現実なのです。

そしてさらに品質を保つために、素材も全て純国産にこだわり、スペーサーの材質には高強度ジュラルミン材を使用。

しかもそれを贅沢に削り出しで製作し、硬質アルマイト塗装を行うことで強度と耐久度を高めています。

このように、スペーサーのボディ部分には大掛かりな処理が成されている為、専属の下請け業者に作成を依頼していますが、ハブボルトの圧入作業などの最終工程はすべて自社で行うという徹底ぶり。

そんなハブボルトの圧入作業を行っているのが、今回お話を伺った同社の商品部 部長の八島 康晴さんです。

ワイドトレッドスペーサー、ワイドオフセットスペーサーキットともにメーカーがその品質を証明するペーパーを発行しています。 / ©︎Motorz

今回お話を伺ったKSPエンジニアリングの八島さん。同社の看板製品「ワイドトレッドスペーサー」のハブボルトは一本一本、八島さんが圧入しています。 / ©︎Motorz
 

モータースポーツへの挑戦

このような性能を誇る、同社のワイドトレッドスペーサーは単なるドレスアップパーツではなく、モータースポーツの世界でも使用されています。

KSPエンジニアリングでは、2000年代初頭までに精力的にドラッグレースを行ってきたそうで、FD3Sでは当時のラジアルタイヤでの日本記録をマークしたこともあったそう。

そんな800ps以上を発揮するモンスターマシンにも、ワイドトレッドスペーサーは問題なく使用されていたそうです。

また同商品は、同社も知らぬうちにオーストラリアのタイムアタックイベント「WTAC」の参戦マシンにも装着されていたそうで、その性能は世界にも認められたというお墨付き。

見た目をカッコよくすることはもちろんですが、コーナーでの姿勢を安定させるセッティングツールとしても大いに活躍しています。

車高が高く、同時に重心も高くなりがちなミニバンなどにもオススメで、ドレスアップをした副産物として走りも向上したなどのお客様からの声も多々聞こえてくるそうです。
1階部分の「KSPファクトリー」では合わせて5機のリフトを備えており、この日も多くの車両が入庫していました。 / ©︎Motorz

1階のショールーム内に飾られたトロフィーは主にドラッグレースで獲ったもの。/ ©︎Motorz
 

メーカー情報

建物の1階部分は同社のチューニングショップである「KSPファクトリー」で、2階部分がKSPエンジニアリング社となっています。 / ©︎Motorz

KSPファクトリー内には様々な依頼やワンオフ加工にも対応すべく、溶接機からフライス盤まで様々な工作機械が完備されています。 / ©︎Motorz
 

住所:〒208-0034 東京都武蔵村山市残堀2-29-1 2F

TEL/FAX:042-569-2930/042-569-2981

HP:http://www.ksp-eng.co.jp/

KSPファクトリー

住所:〒208-0034 東京都武蔵村山市残堀2-29-1 1F

TEL/FAX:042-531-9936/042-531-9937

まとめ

©︎Motorz

業界の先駆者として、常に最前線を走り続けてきたKSPエンジニアリング。

実直に"良いもの"を広く届けたいという造り手の想いが、取材を通じてひしひしと伝わってきました。

また、そのモチベーションの高さこそが、決して歩みを止めず、25年以上もトップランカーとして存在し続けられる理由なのではないでしょうか。

今回は、同社のワイドトレッドスペーサーからメーカーとしてのものづくりに対する姿勢などを伺いましたが、チューニングショップとしてもユニークな経歴を持っているので、また別の機会に皆さんにご紹介出来ればと思います。

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