
i-DCDで低燃費と4WD化を可能に!ハイブリッドメインの小型セダン、ホンダ・グレイスの魅力とは?
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かつてホンダの5ナンバーサイズ小型セダンといえばシビックの領分でしたが、同車の大型化後はフィットアリアや2代目インサイトが担当するようになり、現在はグレイスが販売されています。3代目フィットシリーズの1台でハイブリッドのみの販売でしたが、途中で安価なガソリンエンジンモデルも追加されて今に至ります。
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ホンダ・グレイスとは?
シビックセダン / シビックフェリオが2005年まで販売されて以降、2009年までは初代フィットベースのフィットアリア、それ以降は2代目インサイトがホンダの5ナンバーサイズ小型セダンとして販売されていました。
そして2代目インサイト後継として2014年12月に販売されたのがグレイスで、3代目フィットベースながら、かつてのフィットアリアがタイ製だったのとは異なり、日本国内で生産されています。
メカニズムや構造的には純粋に3代目フィットの4ドアセダン版ですが、保守的なユーザー層に合わせたのかデザインは落ち着いたものが採用されており、独立トランクを持つ4ドアセダンとしての使い勝手と安心感を追求した、良い意味での『普通のセダン』です。
グレイスの特徴
2代目インサイトの後継車として登場したこともあって、初期にはハイブリッド専売車でしたが、モーター単体でのEV走行が困難なため、現在の視点ではマイルドハイブリッド的と言える旧式のIMAから、最新のフルハイブリッドシステムi-DCDに変わりました。
i-DCDはセミオートマの7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)に駆動と発電を兼ねるモーターを仕込んだハイブリッドシステムで、フィットシリーズ各車(フィット、フリード、ヴェゼル、シャトル)で広く使われています。
必要に応じてエンジンとモーターにクラッチをつなぎ、エンジン単独走行、エンジン単独走行&モーター充電、エンジン&モーター走行、モーター単独走行と切り替えられるもので、普通のエンジン車と同種の駆動系を使っているので、4WD車も容易に設定できます。
これによって2代目インサイトのJC08モード最大23.2(1.5リッターIMA)~27.2km/リッター(1.3リッターIMA)から、最大34.4(後に34.8)km/リッターへと大幅に燃費が向上、4WD車の設定で実用性も大幅に向上しました。
また、安全運転支援システム『Honda SENSING』を上級グレードに標準装備(他はオプション)し、衝突被害軽減ブレーキやアダプティブ・クルーズコントロールにより、安全性や快適性を向上させています。
グレイスのライバル車
かつてはこのクラスの4ドアセダンといえば大衆車の売れ筋、最量販モデルでしたが、近年は保守層ユーザーや業務用に需要が限られていることもあり、ライバル車といってもそう多くはありません。
トヨタ・カローラアクシオ(11代目)
かつての日本最量販車も現在は地味になりましたが、10代目から海外戦略車である海外版と国内向けを切り離し、『カローラアクシオ』とサブネームつきで再出発、11代目の現行モデルはヴィッツベースのコンパクトセダンへとダウンサイジングされました。
そのため、ヴィッツシリーズ(アクアやシエンタ)同様のハイブリッドシステムを搭載可能で、途中からセダン、ワゴン(フィールダー)ともに1.5リッターハイブリッドが追加され、経済性の高いモデルとなっています。
日産・シルフィ(3代目)
初代と2代目はブルーバードシルフィ、3代目から現在のシルフィ名で販売されていますが、かってのミドルクラスセダン、ブルーバードの派生車ではなく、カローラと同クラスのサニー後継車です。
現行モデルは1.8リッターガソリンエンジン搭載のFF車のみで、2012年12月に日本で発売されてから、特別仕様車が販売されることはあるもののマイナーチェンジなどの改良は行われておらず、あくまで保守層向けの隙間商品である実情が伺えます。
グレイスの新車&中古車価格
2018年5月現在、グレイスの新車価格は以下のようになります。
グレードの豊富さからもわかるようにメインはハイブリッドで、ガソリン仕様の『LX』は装備が最低限のDXほど内装は質素では無いものの、Honda SENSINGやLEDヘッドライトはオプションです。
ハイブリッド車では『DX』に対して、『HYBRID LX・Honda SENSING』ではHonda SENSINGとLEDヘッドライト、前席用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム、IRカット機能付フロントウインドウが標準装備。
『HYBRID EX・Honda SENSING』ではさらに、LEDフォグライト、8スピーカー&高輝度シルバー塗装スピーカーリング、遮音機能付フロントウインドウ、16インチアルミホイール、パドルシフトなどが標準装備になっています。
中古車相場は以下の通り。
装備が充実した低走行距離車や展示車などは比較的高価ですが、2014年12月の発売から3年半ほどを経て、そこそこ距離を走ったタマは100万円を切るようになってきました。
グレイス 主なグレードのスペック
まとめ
保守層向け4ドアセダンということもあって、フィットシリーズの中では地味な存在のグレイスですが、国内では貴重な5ナンバーサイズ4ドアセダンであり、かつハイブリッドや安全運転支援装備といった先進技術で常に進化している貴重な1台です。
国内向けコンパクトセダンとしてここまで力を入れているのは、2018年5月現在ではカローラアクシオくらいになってしまいましたが、それゆえシビックセダン復活後も経済性の高さから販売を継続されています。
ホンダとしては久々に教習車仕様も設定されたので、最近免許を取ったというドライバーの中には、グレイスにお世話になったという人がいるかもしれません。