
伝統の十字グリルがチャームポイント、ラムトラックス「ラム」の魅力とは?
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日本では現在正規輸入されていないのであまり馴染みの無いアメリカンフルサイズピックアップトラック。
ラムトラックスのラム 1500などは「ダッジ」ブランド時代に、8.3リッターV10エンジン搭載の過激なスポーツトラックなど個性的なモデルがありました。
昔はダッジ ラム、今やブランドとして独立したラム

かつてはアメリカンマッスルスポーツの「バイパー」などクライスラーのスポーツ部門として異彩を放っていたダッジですが、そのバイパーに搭載された8リッター級V10OHVという化け物じみたエンジンを搭載したモデルも存在したダッジ ラムです。
フルサイズピックアップトラックというカテゴリーでGMやフォードの後塵を拝していたクライスラー(現在のFCA)ですが、独特のエンジンラインナップや大迫力のフロントマスクに特徴があり、数多くのファンがいました。
転機になったのは2009年、クライスラーがイタリアのフィアット傘下に収まりFCA(フィアット・クライスラー・オートモビル)となった時で、ダッジ ラムなど商用車やピックアップトラックは「ラムトラック」ブランドで独立しています。
2017年現在はかつてのダッジ ラムで言えば4代目に当たるラム 1500シリーズをはじめ数車種のピックアップトラックや商用車をラインナップしていますが、日本で並行輸入車が販売される時は変わらず「ダッジ ラム」として紹介されることが多いようです。
そのため、この記事でも便宜上、現行ラム 1500を「4代目ダッジ ラム」として紹介します。
4代目ダッジ ラムの特徴・特色

現行モデルは巨大なフロントグリルに「RAM」の文字か、伝統の十字グリル

アメリカ市場でフルサイズピックアップトラックを求めるユーザーは、とにかく派手で巨大なフロントマスクを好む、というマーケティング結果から、2代目以降アグレッシブなデザインを追求しているラム。
あえてトラクター然としたデザインと巨大なフロントグリルが特徴で、それゆえベストセラーのフォードF-150系ほどで無いにせよ、根強いファンをつかんでいます。
2009年に「ラム・トラックス」として独立ブランドとなってからもそれは変わらず、2017年現在販売されているモデルには「RAM」とグリルに大きくブランド名が貼られているか、ダッジブランド時代の十字フロントグリルを継承しているかのどちらかです。
パワフルなV8エンジンを搭載したスポーツトラックもあり

かつてアメリカンマッスルスポーツの代名詞だったバイパーのエンジンでもあった8リッター級V10搭載モデル「SRT-10」こそ2006年を最後に生産終了していますが、現在でも大排気量V8エンジン搭載モデルは健在です。
日本に並行輸入されているのは5.7リッターV8 HEMIエンジンが多く、メンテナンスや排ガスなどの問題を感じず乗ろうと思えばこのエンジン搭載モデルを購入するのが一番でしょう。
ボディタイプは大別してシングルキャブとダブルキャブ2種類

並行輸入車の多くは「クルーキャブ」「クワッドキャブ」などと呼ばれる2列シート4ドアのダブルキャブタイプで、稀にですがシングルキャブモデルも販売されています。
シングルキャブの方がホイールベース、全長とも短いようなイメージがありますが、実際にはモデルによってさまざまな組み合わせがあり、ダブルキャブでもキャビンの大きさが数種類あるので、購入時には注意した方が良いでしょう。
4代目ダッジ ラムのライバル
フォード F-150(13代目)

近年の北米市場で目立ったヒット作に恵まれないフォードの中でも安定した稼ぎ頭がピックアップトラックのFシリーズで、中でも一般的と言えるのがF-150です。
アメリカン・フルサイズピックアップのベストセラーであり、ある意味ではベスト・オブ・アメ車と言えるかもしれません。
ラム同様に「F-150ラプター」など過激な性能を持つスポーツトラックをラインナップしており、元々日本にほとんど正規導入されていないので2016年のフォード日本撤退でも影響は無く、ラプターなど並行輸入車がマニア向けに人気です。
シボレー シルバラード(3代目)
出典:http://www.chevrolet.com/silverado-2500hd-heavy-duty-truck
北米市場ではフォードのFシリーズに次ぐ販売台数を誇るフルサイズピックアップトラックで、ラムSRT-10やF-150ラプターなどと同様、大排気量V8エンジンを搭載したSSなどハイパフォーマンスバージョンもあり。
エクステリアの迫力はやや控えめで、並行輸入モデルの中古車もローダウンなどカスタムの方向性が若干違う印象を受けます。
トヨタ タンドラ(2代目)

日本では大きすぎるので正規販売はされていませんが、日本車メーカーも北米ではフルサイズピックアップトラックを販売しており、トヨタではタンドラが販売されています。
市場での流行に倣う形でモデルチェンジやマイナーチェンジを繰り返すたびにフロントグリルが大型化・メッキでの装飾も派手になっており、最新モデルほどアピール度が高いのが特徴。
ライバル同様にハイパフォーマンス版として「TRD Pro」が設定されれおり、悪路走破性の高いオフロードスポーツモデルとなっています。
4代目ダッジ ラムの新車価格・中古相場は?

※新車は全て並行輸入車、国内未登録車も含む
新車価格
528万~655万円
中古車相場
148万~598万円
ライバル車のお値段は?
フォード F-150(13代目)
新車:578万~1,089万円
中古車:479.4万~598.8万円
シボレー シルバラード(3代目)
新車:-
中古車:468万~699.9万円
トヨタ タンドラ(2代目)
新車:206.9万~2,944万円
中古車:537.8~718万円
4代目ダッジ ラムの代表的なスペック

全長×全幅×全高(mm):5,309~5,817×2,017×1,862~1,900
ホイールベース(mm):3,048~3,556
エンジン仕様・型式:V6 / V8 OHVガソリンまたは直6OHVディーゼル
総排気量(cc):3,600~6,700
最高出力:215~395ps
最大トルク:32.5~42.8kgm
トランスミッション:5AT / 6AT / 6MT
駆動方式:FRまたは4WD
まとめ

出典:https://www.ramtrucks.com/
乗用車としては巨大な部類に入るアメリカンフルサイズピックアップトラックですが、趣味性と実用性を兼ねたチョイスとして一部のマニアには日本でも人気があります。
特にダッジ ラムはかつてバイパーと同じエンジンを使っていたモデルも存在したことや、フロントマスクの迫力、そして日本における「ダッジ」ブランドのスポーツイメージもあって、比較的人気があるブランドと言えるでしょう。
そのため「ラムトラックス」とブランドが独立して以降もダッジ ラムの名で呼ぶ人は多く、並行輸入の新車または中古車で探す時もダッジブランドになっている事が多いようです。