ヘルキャットにデーモン、ダッジ3代目チャレンジャーの魅力と暴力的な性能とは?

ヘルキャットにデーモン、ダッジ3代目チャレンジャーの魅力と暴力的な性能とは?

日本に正規導入されたことこそ無いものの、ダッジ チャレンジャーというのはなかなかおもしろく、数奇な運命をたどっている車です。

特に現在の3代目は、人気となった初代モデルのリメイクとして2008年に登場後徐々に人気が上がり、現在はヘルキャットやデーモンといった驚異的ハイパフォーマンスモデルを新たに生んでいます。

単なる古典のリメイクに留まらない、3代目ダッジ チャレンジャー

ダッジ チャレンジャー 出典:https://www.dodge.com/


そもそもダッジ チャレンジャーという車が初登場したのは1958年、シルバーチャレンジャーというフルサイズセダンでしたが、これは短期間の販売で終わったため、一般的には1970年に登場したチャレンジャーが初代とされています。

フォード マスタングやシボレー カマロといったポニーカー、つまり一般乗用車をベースにスポーツカー風のボディとすることで、安価で手軽に乗れるスペシャリティクーペ、そのダッジ(クライスラー)版として登場しました。

1974年まで販売された初代チャレンジャーは3.7リッターの直列6気筒エンジンを搭載するエントリーモデルから、7リッターのV8ヘミエンジンを搭載するレース用まで豊富なバリエーションを誇ります。

その後1978年から1983年まで三菱 ギャランΛ(ラムダ)のクライスラーOEM版にダッジ チャージャーの名前がつくものの別車もいいところで、その後チャージャーの名はしばらく廃盤になっていました。

それが復活したのは2008年で、初代の栄光をリメイクしたような何とも古めかしいクーペで、クライスラー 300Cをベースにしていたところも初代と同様のスペシャリティクーペ。

ちょうど世界的大恐慌が吹き荒れている時代でもあり、販売台数は当初伸びませんでしたが、年を追うごとに人気が出て、ついにSRTヘルキャット、SRTデーモンなど怪物じみたハイパフォーマンスバージョンまで生まれて今に至ります。
 

3代目 ダッジ チャレンジャーの特徴・特色

ダッジ チャレンジャー出典:https://www.dodge.com/
 

初代同様、あくまでスペシャリティクーペ

出典:https://www.dodge.com/

基本的にはクライスラーの高級乗用車、300Cをベースに初代チャージャー風のボディを載せたスペシャリティクーペです。

シボレー コルベットやダッジ バイパーのように本格アメリカンスポーツとは異なり、車のそもそもの性格としてはフォード マスタングやシボレー カマロに近いものがあります。

ただし、古典的アメリカンスペシャリティクーペの復活デザインとしては徹底しており、空力効果の高さを思わせるようなデザイン処理などはあまり見受けられません。

フロントノーズの奥に配された丸目4灯ヘッドライトや、凹凸の少ないボディ表面を見ると、21世紀に入ってから作られた車という印象はあまり受けない、まさにレトロカーだと言えます。
 

遅咲きの「ヘルキャット」

ダッジ チャレンジャー 出典:https://www.dodge.com/


デビュー時期がリーマンショックに端を発する世界恐慌の始まった年、2008年だったこともあり、その当初3代目チャレンジャーはそう注目される存在ではありませんでした。

もちろん、ハイパフォーマンス版としてV8エンジンを搭載したR/TやSRT8という存在はありましたが、あくまで本格スポーツではなくスペシャリティクーペの強力版として、初代モデルに存在したグレードを復刻しているに過ぎなかったのです。

それが変わったのは2015年モデルから追加されたSRTヘルキャットで、実に707馬力を発揮する6.4リッターV8エンジンと、それをコントロールするための新しい8速ATが装備されました。

これだけなら単なるドラッグレース用の「直線番長」と考えることもできますが、SRTヘルキャットは世界中の自動車メーカーが技術力誇示のためタイムを競うニュルブルクリンクサーキット北コースを、7分50秒ほどで周回したのです。

この記録は、確かに最新のスーパーカーや本格スポーツカーにこそ劣るものの、ちょっと古いポルシェ911ターボや同じメーカーの本格スポーツ、ダッジ バイパーの古いモデルが持っていた記録より速いタイムであり、直線スピードだけでなく総合的なポテンシャルの高さを示しています。
 

あまりにも悪魔的な性能でドラッグレースを禁じられた「デーモン」

ダッジ チャレンジャー 出典:https://www.dodge.com/en/ifyouknowyouknow/


さらに2017年、2018年モデルとして追加されたSRTデーモンに至っては、実に最高出力840馬力・最大トルク106.5kgmを発揮しました。

これはスーパーカー、あるいはそれ以上のハイパーカーでも無いとそれ以上のスペックが出てこないほどのハイパフォーマンスで、ドラッグレースのスタートでは前輪を89cmも浮きあげてウイリーしながら発進するという、量産車世界初の記録を持っています。

加速Gも1.8Gと量産車最大で、ドラッグレースでのタイムや到達速度はノーマルの量産車が出すとは思えない数字を叩き出します。

まさに名前の通り悪魔のような車ということで、全米ホットロッド協会が同協会の主催するドラッグレースへの参加を禁じてしまいました。

あまりにも速すぎて勝負のステージに上がらせてもらえない、それほどすごい性能を持っています。
 

3代目 ダッジ チャレンジャーのライバル

フォード マスタング(7代目)

フォード マスタング 出典:https://www.ford.com/


乗用車をベースとしたスペシャリティクーペの草分け的存在で、チャージャーのほか日本でもセリカがそのコンセプトを踏襲して成功したことでも知られる、マスタング。

チャージャーのSRTヘルキャットやSRTデーモンほどではありませんが、やはりV8エンジン搭載のハイパフォーマンス版があります。

2016年までは日本市場にフォードが正規展開していたので日本でも正規輸入車を買えましたが、残念ながらその年でフォードそのものが日本から撤退してしまったので、2017年現在ではチャージャー同様、並行輸入でしか新車は買えません。

シボレー カマロ(6代目)

シボレー カマロ 出典:http://www.chevroletjapan.com/


マスタングやチャージャー同様のスペシャリティクーペ、そのGM版。

日本にまだGMが展開しており、カマロも伝統の人気車種として正規輸入の新車を購入可能です。

日本では461馬力のV8エンジンを搭載したカマロSSがトップグレードですが、それ以外は現代風のダウンサイジングターボを採用しており、クーペのLT RSおよびコンバーチブルは、279馬力の2リッター直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載しています。

カマロが2リッターターボというのも昔の感覚ではありえない話ですが、それだけに時代へ適合して存続していこうという強い意思を感じます。

ジャガー Fタイプ

ジャガー Fタイプ 出典:https://www.jaguar.co.jp/


スペシャリティクーペというわけではありませんが、エンジンラインナップなどで比較的近いポジションにある輸入スポーツクーペと言えば、イギリスのジャガー Fタイプです。

2リッター直4ターボ、3リッターV6スーパーチャージャー、または5リッターV8スーパーチャージャーエンジンを搭載したFRスポーツで、トップモデルでは最高出力550馬力。

アメリカンマッスルカーのように溢れる余裕のパワーというほどではなく、むしろジャガーらしくワインディングやサーキットで威力を発揮しそうです。
 

3代目 ダッジ チャレンジャーとライバルの新車・中古相場は?

ダッジ チャレンジャー 出典:https://www.dodge.com/
3代目 ダッジ チャレンジャー

新車価格
正規輸入無し
中古車相場
中古車:265万~908万円

ライバル車のお値段は?

フォード マスタング(7代目)

新車:正規輸入無し

中古車:370万~828万円

シボレー カマロ(6代目)

新車:516万2,400~645万8,400円

中古車:348万~598万円

ジャガー Fタイプ

新車:810万~1,952万円

中古車:559.9万~1,490万円

3代目 ダッジ チャレンジャーの代表的なスペック

ダッジ チャレンジャー SRTデーモン 出典:https://www.dodge.com/
ダッジ チャレンジャー SRTデーモン 2017年式

全長×全幅×全高(mm):5,020×1,920×1,450
ホイールベース(mm):2,950
車両重量(kg):1,930
エンジン仕様・型式:HEMI V型8気筒OHV32バルブ ICスーパーチャージャー
総排気量(cc):6,166
最高出力:840ps(※レース用100オクタンガソリン使用時)
最大トルク:106.5kgm
トランスミッション:8AT
駆動方式:FR

まとめ

出典:https://www.dodge.com/

デビュー時には懐古調レトロカーかと思われていたチャレンジャーですが、2017年に控えたダッジ バイパーの生産終了を前に次なる目玉商品が必要ということになったのか、とんでもないスペックを持つヘルキャットやデーモンで度肝を抜きました。

しかもそれで量産車として最強の加速G、ギネスブックに登録されたという「量産車ウイリー高さ記録」など、売りにするポイントが何ともアメリカンで豪快です。

しかもこのスペックを活かす場所がちゃんとあるというところに、アメリカという国のフトコロの深さを感じます。
 

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