貴重なミッドシップ軽自動車、三菱i(アイ)ならではの魅力と人気の理由とは?

貴重なミッドシップ軽自動車、三菱i(アイ)ならではの魅力と人気の理由とは?

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今でこそ軽トラや軽1BOX車、特殊なスポーツモデルを除き、軽自動車は全てFF(フロントエンジン前輪駆動)か、それをベースとした4WD車です。

しかし、2006年に登場した三菱 i(アイ)は通常の軽乗用車でありながら、リアミッドシップにエンジンを搭載し、後輪を駆動するという特異な車でした。
Contents
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  1. スマートの三菱版と言われることもある、三菱 i(アイ)
  2. 三菱 iの主な特徴・特色
  3. リアミッドシップエンジンとロングホイールベースで広々とした車内
  4. フロントにエンジンが無いのでステアリング切れ角が大きく、小回りが利く
  5. 重量バランスが安定しており、ブレーキング時も安心
  6. 三菱 iと主なライバル
  7. 三菱 iと主なライバルの中古相場は?
  8. 三菱 iの代表的なスペック
  9. まとめ

スマートの三菱版と言われることもある、三菱 i(アイ)

三菱i

Photo by Masahiko OHKUBO

i(アイ)の開発が始まった2000年頃というのは、軽自動車が現在に至る新規格に移行し、そのタイミングでさまざまな車種が登場した時期です。

実用一辺倒で安価なのが魅力だった軽自動車に付加価値をつけ、普通車並の魅力をつけようとしていました。

iもその1台で、規格改正で大型化した軽自動車に求められた「衝突安全性」を満たしつつ、大きくなった分の「居住性」の改善を求め、それを「斬新なデザイン」で包むというパッケージがコンセプトでした。

「当時提携していたダイムラー・クライスラー(現在のダイムラー)からの要請でデザインした次期スマート案がベース」と言われることもありますが、実際の開発は提携前から行われていました。

むしろ、提携後に開発を知ったダイムラー・クライスラー側から「スマートとバッティングする」という理由で開発凍結になっていた時期があったほどでしたが、そうした提携関係屋予算難という苦難を乗り越え、2006年にiはデビュー。

和製スマートとでも言うべきパッケージングと丸くコロンと愛らしいデザインで話題を呼びましたが、やや高価でタイヤサイズが前後異なるなどユーザーにとってはコストがかかることもあり、実用車というよりは趣味性の高い車だったと言えます。

そのため2013年に販売終了するまで販売面で成功したとは言い難いモデルでしたが、EV(電気自動車)化には都合の良いパッケージだったため、世界初の一般市販用量産EV、i-MiEVに発展し、2017年9月現在もi-MiEVは販売中です。

また、i用に開発されたエンジンはその後日産との共同開発で生まれた3代目ek / 三菱 iに転用されるなど、iは現在の三菱に大きな遺産を残しました。
 

三菱 iの主な特徴・特色

三菱 i 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/
 

リアミッドシップエンジンとロングホイールベースで広々とした車内

三菱 i 出典:http://www.mitsubishi-motors.com/


i最大の特徴は何といってもエンジンを45度傾け、エンジンスペースをコンパクトにした状態でリアミドッシップに搭載していたことで、エンジンがフロントに無いのでフロントタイヤを思い切り前進させることができました。

これにより軽自動車としては最長クラスの2,550mmというロングホイールベースと、それに伴う非常に長い車内空間を実現しています。

さすがにリアにエンジンがある関係でラゲッジの床面は普通の軽乗用車より高くなっているものの、乗員の空間には非常に余裕があり、心配されるエンジンの熱も防熱対策が施され、車内に影響が出ないように工夫されました。
 

フロントにエンジンが無いのでステアリング切れ角が大きく、小回りが利く

三菱 i Photo by Glenn Waters


リアミッドシップレイアウトの恩恵はステアリングの切れ角、つまりハンドルを切った時にどれだけフロントタイヤが向きを変えられるかにも影響しており、エンジンがフロントに無いiはかなりフロントタイヤの向きを変えられます。

そのため、ロングホイールベース車は本来最小回転半径が大きい、つまり小回りがきかないものですが、iの最小回転半径は4.5mであり、同じ三菱のFF軽乗用車、ミニカの4.4mとほぼ同等です。
 

重量バランスが安定しており、ブレーキング時も安心

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/


さらに、エンジンはリアミッドシップに、燃料タンクはホンダから技術供与を受けて中心部に配置するセンターレイアウトを採用したことでフロントは軽くなっています。

ハードなブレーキングでも、フロントに重量がかかりすぎてタイヤに負担が大きいノーズダイブ現象が起きにくくなっているため、ブレーキ時の安定性が高いのも特徴です。

なお、重量バランスがリア寄りのため、フロントには細く、リアには太いタイヤを履いています。
 

三菱 iと主なライバル

三菱 i 出典:https://ja.wikipedia.org/

ダイハツ ソニカ(L405系)

ダイハツ ソニカ Photo by Ian Muttoo


iと同様、付加価値の高い軽乗用車として開発されたのがダイハツのソニカで、軽乗用車でありながら長距離高速巡航能力をストレス無くこなす軽GTとも呼べる車です。

そのためエンジンは全車ターボでミッションも最適化されたCVTが組み合わされ、正しい着座姿勢をとった時のシートの快適性も非常に高く評価されています。

新車当時は好みの分かれるデザインや価格がネックでさほどの人気とはなりませんでしたが、むしろ中古車として人気の高いモデルです。
 

スズキ 5代目セルボ(HC21S)

スズキ 5代目セルボ 出典:http://www.suzuki.co.jp/


かつての軽スペシャリティカーの名を復活させたスズキの高付加価値軽自動車が5代目セルボ。

見かけはトールワゴン風ですが実は車高は一般的な機械式タワーパーキングも利用可能な1,550mm以内に収められており、ソニカ同様軽GTツアラー的性格でありながら、荷物の載せやすさ、実用性に若干配慮されています。

これもソニカ同様、中古車になってからCVT時代の軽自動車としてはスポーティということで人気が出ました。
 

スバル R2(RC1系)

スバル R2 出典:https://www.subaru.jp/


新規格軽自動車でスバル第1号となった軽トールワゴンのプレオの後継的なモデルとして、ライバルより早く2003年にデビューした軽スペシャリティー的なモデルがR2。

使い勝手よりデザイン重視、ただしフロントグリルなど非常に好みの分かれるデザインだったゆえに販売面では苦戦しましたが、これも2012年で軽自動車生産から撤退してしまった末期のスバルオリジナル軽自動車として、地道に人気があります。

ライバルには無いスバル軽自動車独特の4気筒エンジンやスーパーチャージャー、四輪独立懸架サスペンションを持つなど、軽自動車としては異例の高品質も魅力でした。
 

三菱 iと主なライバルの中古相場は?

三菱 i 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

三菱 i(HA1W)

中古車相場
3~126万円


ライバル車のお値段は?
 

ダイハツ ソニカ(L405系)

中古車:9~76.8万円
 

スズキ 5代目セルボ(HC21S)

中古車:7~88万円
 

スバル R2(RC1系)

中古車:0.1~158万円
 

三菱 iの代表的なスペック

三菱 i T 出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/
三菱 HA1W i(アイ) T 2012年式

全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,600
ホイールベース(mm):2,550
車両重量(kg):910
エンジン仕様・型式:3B20 直列3気筒DOHC12バルブ ICターボ
総排気量(cc):659
最高出力:64ps/6,000rpm
最大トルク:9.6kgm/3,000rpm
トランスミッション:4AT
駆動方式:MR

まとめ

三菱 iPhoto by Phil

「リアやリアミッドシップにエンジンを搭載し、車内空間に余裕がある」という軽自動車は、国産ではほかにスバルオリジナル時代のサンバーや現在でもホンダのアクティ系に見られます。

しかし軽乗用車となると、1980年代初期までのスバル車やスズキ車を最後に消えた方式で、2006年デビューのiは突然復活した異色の先祖帰りでした。

しかし、時代は変わってダイムラー(MCC) スマートのようなマイクロカーでも衝突安全性や走行安定性、居住性を突き詰めることができる優れたパッケージングとなっていましたが、それだけにiが1代限りで終わったことは残念です。

EVのi-MiEVが継続販売されていることもあってある意味現行車種とも言え、デビューから10年たってもデザインには全く古さを感じさせないので、今から所有しても車に詳しくない人からは「新型車?」と言われるかもしれません。
 

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