
ステーションワゴンでもホンダらしさを、シャトルならではの魅力と積載量のスゴさとは?
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ブームははるか昔に過ぎたとは言え、根強い需要があるので未だに生産されている5ナンバーサイズの小型ステーションワゴン。
ホンダでも伝統ある「シャトル」の名をつけたモデルが販売されていましたが、現在はその名も「シャトル」そのものとしてベース車のイメージを払拭し独自色を打ち出しています。
ホンダ伝統の5ナンバーサイズステーションワゴン、シャトル

一時期商用ライトバンを廃止していたホンダがその市場に復帰したのは、1974年の初代シビックバンから。
2代目(スーパーシビック)から同社初のステーションワゴン、シビックカントリーを発売し、1983年デビューの3代目(ワンダーシビック)からはシビックシャトルと改名します。
4代目(グランドシビック)のシビックシャトルが1996年まで生産された後、後継車オルティアにバトンタッチして一時期「シャトル」の名は途切れますが、2011年にコンパクトカーフィットのステーションワゴン版フィットシャトルとして復活しました。
ステーションワゴンは国や地域、メーカーにより「ツーリング」(BMW)「アヴァント」(アウディ)、「ヴァリアント」(フォルクスワーゲン)など呼び方がさまざまです。
ホンダでも小型ステーションワゴンを「人と荷物を安全に、そして先端の技術で運ぶ」という意味からスペースシャトルになぞらえ、独自に「シャトル」と呼んでいました。
アメリカのスペースシャトルは既に退役しましたが、ホンダのフィットシャトル後継は2015年にその名も「シャトル」としてデビュー。
単なるフィット派生車ではなく、ベース車より広大なラゲッジスペースを持つ独立車種としてアピールしています。
ホンダ シャトルの主な特徴・特色

ベース車より広大なスペースを追求した小型ステーションワゴン

シャトルは今や国内ではトヨタ カローラフィールダーと日産 ウイングロード以外にライバル車がいなくなってしまった、数少ない国産5ナンバーサイズステーションワゴンです。
かつてこのジャンルは各メーカーから多様な車種が販売されるほどブームとなりましたが、最終的には「いざとなれば3列目に人が乗れて便利」なミニバンにとって代わられています。
それでもホンダはシャトルをフィットシャトルから継続し、使い勝手を追求した上でデザインをベース車から変え、「大衆車ベースのライトバン」的な雰囲気を払拭した遊び心のある車という価値観で勝負に出ました。
そのため、フロントフェンダーやドアパネルはベースとなった3代目フィットと同じものを使いつつ、フロントマスクや他の部分はフィットとデザインを大きく変えており、商用モデル(ライトバン)も設定していません。
ラゲッジルームが拡大され、2列目使用時でもフィットシャトル(ガソリンエンジン使用FF車で590L)に匹敵する570L、2列目を倒せば1,141Lもの大容量を確保され、サイドブレーキもステッキ式からフットリリース式に変更してスペース効率を追求しています。
燃費性能はガソリン車、ハイブリッド車とも大きく向上

JC08モードはFF仕様でガソリン車が最大22.0km/L(フィットシャトルでは18.8km/L)、ハイブリッド車が34.4km/L(同26.2km/L)と、大きく向上しています。
特にホンダ初期のハイブリッドシステムで燃費向上効果が今ひとつだった「IMA」から「i-DCD」に更新された効果は大きく、同クラスライバルのカローラフィールダーハイブリッドを上回りました。
さらにi-DCDでは4WD仕様の設定も可能になったため、同クラスステーションワゴンのハイブリッドで唯一4WD車が存在するモデルとなっています。
一部改良で安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車標準装備

2017年9月の一部改良では、ミリ波レーダーと単眼カメラ、2つのセンサーを組み合わせて精度の高い検知機能を持つ安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車に標準装備。
レスオプション化した非装備車を選択することも可能ですが、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、車線逸脱抑制機能など8つの運転支援装置のパッケージは魅力的です。
さらにHYBRID Xおよび同 Zでは前席用サイドエアバッグや後席までカバーするサイドカーテンエアバックも装備し、予防安全だけではなく衝突安全装備も充実しています。
ホンダ シャトルと主なライバルの燃費性能

※JC08モード燃費、同クラス小型ステーションワゴン比較
1.5リッターガソリンハイブリッド(GP7 / 8):29.8~34.4km/L(4WDは26.0~27.8km/L)
1.5リッターガソリン(GK8 / 9):22.0km/L(4WDは19.6km/L)
気になるライバル車の燃費は?

トヨタ 3代目カローラフィールダー
1.5リッターガソリンハイブリッド(NKE165G):33.8km/L(FFのみ)
1.5リッターガソリン(NRE161G / NZE161G / 164G):17.6~23.0km/L(4WDは16.0km/L)
1.8リッターガソリン(ZRE162G):16.6km/L(FFのみ)

日産 3代目ウイングロード
1.5リッターガソリン(Y12):17.2km/L(FFのみ)
気になるホンダ シャトルの新車・中古相場価格は?

新車:177万120~263万1,960円
中古車:93万~242万円
ホンダ シャトルと競合する車種のお値段は?
トヨタ 3代目カローラフィールダー
新車:162万5,891~247万4,182円
中古車:68万~237.6万円
日産 3代目ウイングロード
新車:178万2,000~237万6,000円
中古車:7.8万~155.5万円
ホンダ シャトルの代表的なスペック

全長×全幅×全高(mm):4,400×1,695×1,545
ホイールベース(mm):2,530
車両重量(kg):1,240
エンジン仕様・型式:LEB 直列4気筒DOHC16バルブ i-VTEC
総排気量(cc):1,496
最高出力:110ps/6,000rpm
最大トルク:13.7kgm/5,000rpm
モーター仕様・型式:H1 交流同期電動機
最高出力:29.5ps最大トルク:16.3kgm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:FF
まとめ
出典:http://www.honda.co.jp/
ホンダ シャトルは国内でも残り数少なくなった5ナンバーサイズの小型ステーションワゴンですが、トヨタのカローラフィールダーともども、今でも商品力をさらに向上させるためのモデルチェンジや改良、ラインナップ充実を進めています。
サイズだけでなく、ハイブリッドにも4WDを設定するなど国情に合った日本市場専用車を作り続けることにホンダは熱心ですが、それもフィットという優れたベース車があってこそです。
フィットより積載能力が欲しいけれども、使わない3列目シートは不要というユーザーにとって、シャトルはかなりオススメな選択肢と言えます。