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ヘッドライトってLEDとHIDどっちがいいの?それぞれのメリット・デメリットをご紹介!
特集
現在、自動車に使用されるヘッドライトには、ハロゲンとHID(キセノン)、LEDの3種類があります。
この中でも近年搭載車が増えているのが、HIDとLED。
これら2種のライトにはメリットとデメリットがあり、光源の明るさや点灯時間、交換時の費用も違います。
そこで今回はHIDとLED、双方の利点と欠点について解説していきます。
Contents
HIDライト
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これまで、ヘッドライトの主流だったハロゲンランプに対し、HIDライトは次世代の光源として登場しました。
別名「キセノンランプ」とも呼ばれるこのライトは、従来のタイプとは違ってフィラメントを使用せず、「発光管」という容器内に配置された一対の電極間の放電を利用して光っています。
ハロゲンの約2倍の明るさと20%以上の照射範囲が特徴的のこのランプは、1996年に日本車へ搭載され、性能の高さと独特の青白い光がカッコいいと評判になりました。
当初は価格が高かったので安易に手が出せず、純正品として装着されたのは高級車かスポーツモデルのみ。
しかし15年ほど前から価格帯が200万円以下の車にも搭載されるようになり、広く普及しました。
HIDのメリット
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HIDヘッドライトのメリットは以下の通りです。
・消費電力が少ない特にハロゲンと比べて明るさがアップしている点や、寿命の長さ、電力の消費が少ないことに惹かれてHIDを搭載するドライバーも、多いのではないでしょうか。・非常に明るく、青白い光で遠くまで照らせる
・寿命が長い
・色のバリエーションが多くある
・紫外線があまり含まれていないので、部品が劣化しにくい
HIDのデメリット
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広範囲を明るく照らし出すHIDには、デメリットも存在します。
非常に明るく前方を照らすということは、対抗車にとっては眩しすぎるという問題を生みます。・放射状に前方を照らすので、対向車にとっては眩しすぎて危険
・ライトが完全に点くまで5秒ほど掛かる
・ライトを点けてから光が安定するまで30秒ほど掛かる
詳細は後述しますが、特に光軸の調整ができていない場合だと、HIDの明るさは対向車や歩行者にとって危険極まりないものです。
この問題はヘッドライトをハロゲンからキセノンへ交換した時に起こりやすいので、ライトを変えた時は光軸が狂っていないか、プロに確認してもらうと良いでしょう。
LEDライト
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LEDライトは、2007年に発表されたレクサスLS600hに搭載されたことを機に、HIDに代わる新しいヘッドライトとして注目の的となりました。
当初は、ハイブリッド車や電気自動車への搭載が想定されていましたが、ハロゲンの約3分の1程度の消費電力と5倍の寿命が見込まれ、今では一般的なガソリン車にも採用されています。
このライトの特徴はランプ自体がHIDよりも小型で取り付けやすく、普通に使っていれば車を買い換えるまでメンテナンスが不要だということ。
また広い範囲を照らすHIDに対し、特定の箇所だけ明るくできるという点も魅力です。
LEDライトのメリット
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LEDライトには以下のようなメリットがあります。
完全に点くまでに時間を要したHIDとは違い、LEDは点灯した瞬間に最大の明るさで前方を照らしてくれます。・ハロゲンの約5倍の寿命
・消費電力が少ない
・すぐに点灯する
・コンパクトなのでデザイン性が高く、カードレスアップ用品としても使える
・自由度が高い
また最新モデルではLEDをコンピューターで制御し、対向車を眩惑する箇所の光度を下げたり、ステアリングを切った方向に照明の角度を変えたりするものも出ています。
LEDランプのデメリット
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メリットの多いLEDですが、当然デメリットも存在します。
・消費電力が少なくHID以上に熱を帯びないので、ライトに雪が付着しても溶かせない。消費電力の少なさはHIDも同じですが、LEDはヘッドライトケースに殆ど熱が伝わらないので、雪国で使用するにはあまり向いていないと言えます。・HIDほどの明るさがない
またHIDほど明るくないという点を、ここではデメリットに分類しましたが、一概にそうだとは言い切れない事情も。
先に述べたようにHIDは、前方を放射状に照らすライトなので、対向車の運転手にとっては光が眩しすぎるという問題があり、LEDの適度な明るさは周囲への安全に配慮するという点においては、利点だと考えることも可能です。
HIDやLEDは便利だが、使い方を間違うと眩しいだけになってしまう
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今まで見てきたように、HIDやLEDライトはハロゲンよりも明るく、消費電力が少なくて済むことが最大の特徴です。
その明るさや利便性、カッコよさに惹かれて、ヘッドライトをHIDやLEDに交換するドライバーも多く居ることでしょう。
しかしこれらは使い方を誤ると対向車や歩行者にとって、非常に眩しく危険なものとなってしまいます。
何故そんなことになってしまうのでしょうか。
以下は、考えられる原因と対処方法です。
光軸が狂っている
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ヘッドライトをHIDやLEDに交換した時、光軸の調整ができていないことがあります。
光軸は車検でもチェック項目に該当していますが、対向車にハイビームで注意された場合は調整が上手くできていないことも。
そのような時は、先述の通りプロに確認してもらいましょう。
粗悪品を使っている
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HIDやLEDのアフターパーツには、性能が悪く対向車が眩しく感じるような粗悪品も存在します。
もし粗悪品を掴んでしまった場合は、多少値が張っても性能の良いものへと交換することがオススメです。
ヘッドライトケースが劣化して、ハイビームを多用している
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近年、車のヘッドライトケースの素材として、樹脂が使用されています。
これは成形自由度が高いという利点がありますが、一方で劣化しやすく使用年数や保管状況によっては黄ばんでしまうことも!
いくら光源が良くても、カバーが黄ばめば視界は暗くなり、ハイビームを多用せざるを得ません。
それが当たり前になると対向車が居た場合もロービームへ切り替えることを忘れ、結果的に「眩しいヘッドライト」になってしまうのです。
ただの黄ばみならばヘッドライトクリーナーを、もしケースが劣化している場合は、補修が難しいので、新品へと交換することがベストな方法です。
オートマチックハイビームの切り替えが上手くできていない
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先に述べたようにLEDは自由度が高く、コンピューターで制御して様々な機能を持たせることが可能です。
そのバリエーションのひとつに、「オートマチックハイビーム機能」があります。
これは文字通り、自動でロービームとハイビームを切り替えてくれる機能ですが、これはまだ製品ごとの性能差が大きく、対向車が居てもハイビームを照射したままだったり、ロービームにするのが遅かったりしてしまいます。
そのため愛車のオートマチックハイビームを使うとき、仮に対向車から「眩しい」とアピールされた場合は、この機能を使用しないほうが無難です。
まとめ
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今回はHIDやLEDのメリットとデメリットを見ていきました。
タイプごとに利点が違うので、おもな使用場所や想定される状況を考えて、どちらを装着するか決めるという手もあります。
もし愛車のライトを交換するのであれば、光量に着目するかデザインと安全性を重視するかを決め、そこから対向車や歩行者にとっての安全性も考えてみてください。
そうすれば、自分にとってのベストな選択ができるはずです。