今や貴重な存在!スバル3列シートミニバン・エクシーガを振り返ります!

今や貴重な存在!スバル3列シートミニバン・エクシーガを振り返ります!

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スバルは1990年代からレガシィベースの3列シートミニバンを発売したい意向はあり、モーターショーでも積極的にコンセプトカーを出展しては市販モデル登場せず、という状況が続いていましたが、2005年にようやく市販されたのがエクシーガです。

ロールーフミニバンの流行が過ぎてから『登場するのが遅すぎたミニバン』として惜しまれており、末期にはクロスオーバーSUVに転換して2018年3月まで販売されていました

スバル・エクシーガとは

出典:https://ucar.subaru.jp/php/catalog/grade.php?cat_id=10091896

国産車メーカーが1990年代のRVブームに乗り、こぞってミニバンの新型車をデビューさせていた頃、その流れに全く乗れなかったのがスバルです。

軽1BOXバンのサンバーをベースに3列シート7人乗り小型ミニバンとして開発した『ドミンゴ』は販売しており、レガシィをベースとした3列シート車も東京モーターショーなどへ出展していたものの、他社のような本格ミニバンを市販しない状態が続きます。

ドミンゴが1998年で販売終了すると3列シート車は皆無となってしまい、一時期は当時属していたGMグループのネットワークを活かし、オペル・ザフィーラのOEM供給を受け『トラヴィック』(2001~2005年)として販売していた時期もありました。

しかし同車が生産終了するとまたもや3列シート車が無くなり、2008年6月にようやくレガシィベースで登場したのが『エクシーガ』です。

ただし、当時はロールーフミニバンのブームは落ち着いていた上に小型ロールーフミニバンは経済性と信頼性の高い定番車種が登場していてエクシーガが割り込む隙は無く、販売台数は低迷。

2015年4月からは最低地上高を上げルーフレールを装着した3列シートSUV『エクシーガ クロスオーバー7』として再出発するも販売台数が回復することはなく2018年3月に販売終了、再びスバルの国内ラインナップから3列シート車が消えてしまいました。
 

スバル・エクシーガの特徴

出典:https://ucar.subaru.jp/php/catalog/grade.php?cat_id=10091896

エクシーガはレガシィ・ツーリングワゴンをベースに最後列のヘッドスペースを確保して2人乗りの3列目を配置、3列シート7人乗りとしたロールーフミニバンです。

スバル車は『シンメトリカルAWD』という左右対称4WDシステムによる低重心と重量バランスによる運動性の良さが売りでしたが、世界の乗用車でも希なレイアウトゆえにエンジンルームの前後方向コンパクト化やキャビンの前身に制約があります。

北米市場向け3列シート車の『トライベッカ』や『アセント』ではエンジンルームが相対的に小さく見えるほどの車体大型化で対応していますが日本市場では大きすぎ、結果的にレガシィ・ツーリングワゴンやフォレスターの荷室に3列目を押し込むような形となりました。

ミニバンとしての理想形から逸脱した苦しいレイアウトで見た目にもキャビンの狭さを感じますが、メカニズムの選択肢が限られたスバルでは他に方法が無く、スバルファンとしては発売してくれただけでも嬉しいニュースでしたが、一般受けしなかったのは否めせん。

さらに燃費が決して良いとはいえなスバル車で経済性が重視されるミニバンは最初から不利でしたが、安価なFF車をラインアップした事で対応。

むしろ走りの良さや悪路走破性の高さは同じ4WDシステムを使った他のスバル車で実証済みだったので、2015年からSUV化したエクシーガ クロスオーバー7のように最初から3列シートSUVとして販売しなかった事が惜しまれます。
 

スバル・エクシーガ 主なグレードのスペック

出典:https://ucar.subaru.jp/php/catalog/model.php?car_cd=10452014&getyear=200806
スバル YAM エクシーガ 2.5iスペックB アイサイト 2014年式

全長×全幅×全高(mm):4,740×1,775×1,650
ホイールベース(mm):2,750
車両重量(kg):1,600
エンジン仕様・型式:FB25 水冷水平対向4気筒DOHC16バルブ
総排気量(cc):2,498
最高出力:127kw(173ps)/5,600rpm
最大トルク:235N・m(24.0kgm)/4,100rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:4WD
JC08モード燃費:13.2km/L

まとめ

Photo by Jason Lawrence

エクシーガはスバル車としての水平対向エンジンを使った走りの良さ、悪路走破性の高い信頼感あるシンメトリカルAWDシステムといった利点を数多く持ちながら、終始『間の悪さ」に泣かされた車だったと言えます。

コンセプトカーで市場の反応を見ている時間が長すぎ、発売された頃にはミニバンのトレンドからロールーフ車が転落、スペース効率に優れたハイルーフ車のみがもてはやされる時代になってしまいました。

当初から3列シートSUV化、フォレスターの3列シート版としていればスバルらしさのアピールに絶好の機会でしたが、3列シートSUVにブームの兆候が見えてきたのは2017年に入ってから。

これからミニバンを作りにくいメーカーを中心に3列シートSUVが盛んになるかもというタイミングで、SUVに転身したエクシーガ クロスオーバー7も販売終了してしまいます。

しかし中古車市場での相場を見る限り、末期生産型で程度良好な車も多いとはいえエクシーガ クロスオーバー7の価格設定は強気で推移しており、新車販売では少々間が悪かったものの、これから中古車市場で再評価されて話題になりそうです。
 

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