日産 R35 GT-R(2016-)は、熟成が進んだR35 GT-R。後期にあたるモデルであることから、各部のブラッシュアップが実施されています。デザインの変更や特別な限定GT-Rなど、ラインナップの幅を広げ、GT-Rのブランド化が一気に進んだモデルでもあります。
日産 R35 GT-R(2016-)とは
出典:https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-feccb6e181e155e3c43e7d05170f99c5-160711-01-j
2016年以降の日産 R35 GT-Rは、メカニズムの熟成により各グレードの個性に磨きがかけられました。通常グレードのGT-Rは、グランドツーリング性能を極め、NISMOに代表されるスポーティーグレードは、よりスパルタンな味付けとなったことがトピックです。
さらに、GT-R誕生50周年を記念したスペシャルなモデルを登場させるなど、プレミアムスーパーカーへと進化しました。
おすすめポイント1:デザインの変更と乗り心地を高めたメカニズム
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2016年に発表された日産 R35 GT-Rは、フェイスリフトが大きなトピックとなっています。デザイン変更やフェイスリフトは、クルマの印象を変えることをメインに施されることがほとんどですが、GT-Rの場合は空力性能を向上させる工夫が施されています。
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【エクステリア】フロントは、日産ブランドのデザインシグネチャーであるVモーションを採用し、性能の向上を実現。
マットクローム仕上げの最新メッシュパターンを採用した新デザインのグリルは、開口部を拡大させることにより冷却性能を向上させながらも、バンパーサイドの形状を最適化することで、従来の空気抵抗・ダウンフォースを維持しています。
新形状のフロントスポイラーもレースカー直系の血統を感じさせるデザインであると同時に、高レベルのダウンフォースを維持。
サイドのデザインは、GT-Rらしい流線型のフォルムはそのままに、さらに空気の流れを改善するために、サイドシル前部を張り出しました。
リヤは、新形状サイドアウトレットなどを採用し、リヤ廻りにも空気の流れを改善するためのデザインを採用。
新デザインのシルバーフィニッシュリヤディフューザーを囲むバンパー下部と、ボディカラーを分けるラインは、リヤビューをよりワイドでアグレッシブに見せるために、高い位置へと変更されています。
エクステリアを変更することで、よりスポーティでシャープに見せるだけでなく、空気抵抗、ダウンフォース、冷却性能という3つの性能を高次元で融合させているのです。
ボディカラーには、2017年モデルで鮮やかなオレンジが追加され、GT-Rの新たなカタログカラーとなりました。
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【インテリア】インストルメントパネルは、熟練の職人が高度な技術を用いて厳選した一枚革で仕上げられたナッパレザーに、精巧なステッチを施すことで、コックピット全体に高品質感が与えられています。
また、安定感を演出する水平方向の流れを採用しつつも、メーターからセンターコンソールまで、ドライバーを包み込むようにレイアウトすることでドライバーオリエンテッドな空間を演出。
ナビディスプレイは7インチから8インチに拡大され、併せて大型のアイコンを採用することで、直感的な使い易さと視認性を向上させました。
カーボン製のセンターコンソール上に配置されたマルチファンクションスイッチにより、ナビ機能を手元で操作することも可能。
パドルシフトは、ステアリングホイール固定タイプに変更され、ドライバーがステアリングから手を離すことなくシフトチェンジができるようになったのも、2017年モデルからです。
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【メカニズム】心臓部の3.8リッター24バルブV6ツインターボエンジンは、GT-R NISMOの技術を採用した気筒別点火時期制御を搭載することで、高出力と燃費性能を同時に向上。
ノッキングの発生を抑え、燃費を損なうことなく最高出力570馬力/6,800rpm、最大トルク637N・m/3300-5800rpmを発揮します。
また、改良型6速デュアルクラッチトランスミッションとの組み合わせにより、中速~高速域においてスムーズな加速を実現。
日常的に多用するシーンでの、ドライビングフィールを向上させました。
性能の向上を高い次元で実現しながら、最も快適な乗り心地を感じられるのも、2017年モデルの特徴です。
吸音材・遮音構造の徹底的な見直しにより、室内のロードノイズや風切音を低減し、全ての速度域で非常に高い静粛性を実現。
エンジン始動時から低回転走行時の排気音を低減することが可能なエキゾースト・サウンド・コントロールを採用し、夜間や住宅地など、静けさが求められる時間帯や場所でも、音を気にすることなく走り出すことができるようになっています。
おすすめポイント2:GT-R誕生50周年記念の特別モデル「Nissan GT-R50 by Italdesign」
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2018年には、日産とイタルデザインが初めて共同開発した、GT-R NISMOの2018年モデルをベースとしたプロトタイプ「Nissan GT-R50 by Italdesign」が公開されました。車両の幅いっぱいに広がる個性的なゴールドのインナーパネルや、ボンネット上のパワーバルジ、シャープなLEDヘッドライトなどが目を引きます。
GT-Rの特徴である丸型テールライトは空洞を囲む細いリングのようなデザインで、トランクの中心とアウターパネルをつないでフロートしているかのような構成になっています。
「Nissan GT-R50 by Italdesign」は、デザインだけでなく、さらなるパフォーマンスも追及。
GT3での経験を活かして手作業で組み立てられた3.8リッターV6 VR38DETT型エンジンは、最高出力720ps、最大トルク780 N・mを発揮。
市販された台数は50台のみで、日本では1億3000万円を超える価格で販売されたことで、話題となりました。
おすすめポイント3:熟成し、進化したNISMO
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2019年に発表されたGT-R NISMO 2020年モデルには、GT3レーシングカーに使用されている新型のターボチャージャーを採用。NISMO用の新たなタービンブレードは、枚数を減らすと共に最新の流体・応力解析が使され、形状を見直すことで出力を落とすことなく、レスポンスを約20%向上させました。
これにより、コーナー立ち上がり時など、アクセルを踏み込んだ際の立ち上がり加速性能を向上。
新開発のカーボンセラミックブレーキ、カーボン製の外装部品、新開発のRECAROシートなどを合わせ、合計で約30kgの軽量化を実現しています。
おすすめポイント4:速さはそのままに日常で使えるスーパーカーへ
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2020年モデルでは、3.8L V6 24バルブツインターボエンジンに、GT-R NISMOで採用してきたレスポンス向上に貢献するターボ高効率化技術「アブレダブルシール」を搭載。レース用ターボチャージャーに多く使用されているこの技術は、吸入した空気の漏れを最小限にすることで、ドライバーの加速意図に即座に応えるレスポンスを実現します。
また、街乗りからサーキットまであらゆるシーンにおいて、より最適なギアを選択し、コーナリング時にエンジンパフォーマンスをより堪能できる変速を実現するために、Rモード専用のアダプティブシフトコントロール(ASC)のシフトスケジュールを変更。
コーナー進入時のブレーキングでは積極的に低いギア段を選択し、より鋭いコーナー進入と同時に再加速時の駆動レスポンスを向上させ、さらにキレのあるコーナー加速を実現しています。
そして、ドライバーがより安心して意のままに操れるクルマとするために、新たなサスペンションセッティングが行われ、速さはもちろん鋭い応答性と乗り心地の質の高さを実現していることが特徴です。
ボディカラーには、見る角度により表情を変える新色のワンガンブルー(4RPM)が、2020年モデルから追加されました。
中古車相場価格
1,425万円
【中古車相場の価格帯】
850万円~2,000万円
(2020年6月時点)
維持費
自動車重量税:32,800円
自賠責保険料:21,550円
燃料費:159,180円
合計=278,530円
(2020年6月時点)
(燃料費は、年間1万km走行、単価140円/Lで算出)
スペック
エンジン:3.8L V型6気筒ツインターボ VR38DETT型
車両重量:1740kg~1770kg
燃料消費率:8.8km/L
(※スペックは2017年モデル)
まとめ
出典:https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-feccb6e181e155e3c43e7d05170f99c5-160711-01-j
日産 R35 GT-R(2016-)は、各部の性能を向上させ、小さなパーツ変更の積み重ねが結果として高いパフォーマンスや快適性に繋がることを証明しているといえるでしょう。50周年記念のイタルデザインは、GT-Rをプレミアムスーパーカーへ押し上げた歴史的なモデルです。
そして歴史に残るアニバーサリーモデルは、プレミア的価値があり、お目にかかることも難しい希少なモデル。
モデル後期のR35 GT-Rは、完成形が熟成したモデルであるため、ノーマル状態であっても快適性とスポーツ性を存分に楽しむことができる1台です。