「エンジンがかからなくなってしまった!」そんなとき、大半の原因はバッテリーあがりです。
バッテリーがあがってしまう原因とは、いったい何なのでしょうか。
またバッテリーがあがったときの対処法を解説します。
バッテリーがあがってしまった!どう対処する?
駐車場に停めていたクルマに戻ったら、なぜだかバッテリーがあがってしまっていた、なんて経験はありませんか?
バッテリーがあがってしまったら、とりあえずロードサービスを呼んで対処してもらうのが一番無難な解決方法ですが、ジャンプスターターを利用して自ら対処するのも、手順を知っておけば意外に簡単だったりします。
バッテリーがあがる原因は
巷でおこるバッテリーがあがってしまうトラブルは、エンジンを切った状態でヘッドランプや室内灯を付けたままにしておくことが、最も多い原因でしょう。
ライト類をつけっぱなしにしてしまうと、ヘッドライトでは一晩、室内灯では約40時間でバッテリーあがりを起こすと言われています。
また、それ以外の要因でもバッテリーがあがってしまうことも多々あるので要注意です。
半ドアのまま
車はドアが開くと室内灯が点灯する仕組みになっています。そのため、半ドアのまま駐車しておくと室内灯が点灯しつづけ、バッテリーが上がってしまうことがあるのです。
エアコンの使い過ぎ
エアコンは、ヘッドランプや室内灯よりも多くの電力の消費します。最近はアイドリングストップ機能を搭載するクルマが増えていますが、長時間渋滞にはまったり信号でエンジンが停止した状態でもエアコンが稼働しているため、これが積み重なるとバッテリーの電力が消費され、その後エンジンが稼働している時間がわずかであれば、次にエンジンをかける際にバッテリーがあがってしまい、エンジンがかからないこともあります。
そのため、アイドリングストップの状態が長引くのであれば、バッテリーあがりを防止するためにアイドリングストップをOFFにしておくことが有効です。
運転頻度が極端に少ない
クルマを運転しない状態で長期間放置していると、バッテリーの自然放電が進み、いざ動かそうとしてもスタートスイッチが作動しないことがあります。長期間放置しているクルマを動かす場合は、バッテリーあがりの可能性が高いため、ジャンプスターターの用意、またはロードサービスを呼ぶことを踏まえなければなりません。
バッテリー液の補充がなされていなかった
バッテリー内部は、バッテリー液と極板の電極作用により電力を生み出すため、バッテリー液が減ることで内部の極板が露出した状態になり、バッテリーの劣化が進みます。そのため、バッテリー液を補充しないとバッテリーの役目を果たせなくなり、バッテリーあがりの原因となることもあるのです。
【バッテリーあがり対処方法1】ジャンピングスタート
手順1:ジャンピングケーブルをつなげる
救護車は電圧が12Vの乗用車でなければならず、トラックなどの24Vのクルマではジャンピングスタートは不可能です。まず救護車のエンジンを停止させ、赤いブースターケーブルと黒いブースターケーブルを以下の順でつなぎます。
1,赤いケーブルをバッテリーがあがっているクルマのプラス端子につなぐ。
↓
2,バッテリーがあがったクルマにつないだ赤いケーブルの片方を救護車のプラス端子につなぐ。
↓
3,黒いケーブルを救護車のマイナス端子につなぐ。
↓
4,救護車につないだ黒いケーブルの片方をバッテリーがあがったクルマの金属部分、またはマイナス端子につなぐ。
手順2:救護車のエンジンを始動
救護車のエンジンを始動させ、ミッションをパーキング(MTであればニュートラル)とパーキングブレーキにした状態であることを確認し、エンジンの回転数を2,000~3,000rpmくらいにキープした状態にします。手順3:エンジン始動&充電
救護車のエンジン回転数をキープした状態で、バッテリーが上がったクルマのエンジンを始動させます。セルが作動してエンジンが始動ができれば、ひとまずジャンピングスタートは成功。
バッテリーがあがった状態からエンジン始動直後は、しばらくの間エンジンのアイドリング状態を保つかアイドリングストップまたはエンストさせずに30分以上走行し、オルタネーター(発電機)を回してバッテリーを充電する事が必要なので、覚えておいてください。
万が一、ジャンピングスタート直後にエンジンを切ってしまうと、またエンジンの始動ができなくなり、再び救護車とジャンピングしなければなりません。
手順4:ジャンピングケーブルを外す
ジャンピングケーブルを取り外す場合は、ケーブルをつないだ逆の順番で取り外します。そのため、1,バッテリーがあがったクルマの金属部分(またはマイナス端子)、2,救護車のマイナス端子、3,バッテリーがあがったクルマのプラス端子、4,救護車のプラス端子の順番となります。
この順番を間違えると、取り外した際に火花が出たりして危険なので要注意です。
【バッテリーあがり対処方法2】ジャンプスターター
救護車を使わずにエンジンを始動させるために、ジャンプスターターを使用することもあります。
ジャンピングケーブルだけでなくジャンプスターターを常備しておくのも、非常に有効です。
手順1:ケーブルをつなぐ
ジャンピングスターターの付属ケーブルをクルマのバッテリーに接続します。ブースターケーブルは赤いケーブルをバッテリーのプラス端子、黒いケーブルをマイナス端子の順で取り付けます。
手順2:エンジン始動
ジャンプスターターの電源を入れ、1分ほど待ちます。そして、クルマのスターターモーターを回してエンジンが始動すれば成功。
また、ジャンピングケーブルで紹介したように、アイドリング状態を当分のあいだ維持するか、エンジンを止めないで30分ほど走行してバッテリーを充電させます。
手順3:ケーブルを外す
ジャンプスターターを取り外す際は、ジャンプスターターの電源を切ってから、マイナス端子、プラス端子の順番でケーブルを外します。【バッテリーあがり対処方法3】ロードサービスを呼ぶ
バッテリーがあがり、近くに救護車がなかったりジャンプスターターがない場合は、とりあえずロードサービスを呼びましょう。
JAFの会員になっていなくても、任意保険にロードサービスが付属していることもあるため、自らが契約している保険会社に連絡することをオススメします。
ハイブリッドは救護車として利用できない
ハイブリッド車は、救護車として利用できません。
ハイブリッド車には、12Vの補機バッテリーと駆動用バッテリーの2つが搭載されており、補機バッテリーはエンジンの始動やECU、ライトなどの電装系を動かしています。
また、ハイブリッドバッテリーにもリレーされ、インバーターやDC/DCコンバーターなどの回路を通じさせる役目もはたしています。
よって、ハイブリッド車を救護車として利用すれば、エンジンがかかった瞬間に大電流が流れて、電源系統やハイブリッドユニットが故障する可能性が!!
一方、ハイブリッド車が放電しきってしまい、エンジンの始動やハイブリッドユニットが作動しない場合は、ガソリン車を救護車にしてジャンピングスタートさせることは可能です。
まとめ
ジャンピングケーブルやジャンプスターターでエンジンの始動ができても、バッテリーに不備が生じている可能性もあります。
バッテリーの寿命は2~5年とされており、あまり乗らないクルマや夜間走行が多い方、ちょっとした買い物など近場でしかクルマを使わないため乗車する頻度は多くでも、走行距離がさほど伸びない方は、バッテリーの寿命が短くなっていることも。
バッテリーがあがってから再始動できたとしても、バッテリーを交換した覚えがなければ、バッテリー交換時期であることを疑うべきでしょう。