ジムニーと言えば市販車最強の世界最小オフローダーというイメージが一般的で、ラダーフレームやホーシングの前後アクスルなど、構造はまさしく悪路を走るために設計されています。しかし、世の中にはそんなジムニーでオンロード、さらにはサーキットまで攻め倒すジムニーが存在します。今回は、モーターズでもすっかりお馴染み、レインボーオートのJB64ジムニーデモカー、通称「シャコタン」をご紹介します。
青から赤へイメチェン!レインボーオート「シャコタン」
その記憶は正解!まさしく、今回取り上げるJB64ジムニーは、これまで青のボディを纏っていた「シャコタン」そのものです。
ボディを青から赤に変更した、この特徴的なレッドは、なんと1998年まで販売されていたスバル ヴィヴィオの赤。
この色を新たなボディカラーとして選んだ理由は「スポーティさを演出しつつも、
純正比9cmダウンし究極のコーナーリングを目指した足回り
レインボーオートオリジナルのローダウンサスペンションと、ビルシュタイン製の倒立ショックアブソーバーが使用しされ、さらに16インチのホイールとタイヤを合わせることで、最終的に9cmのローダウンが施されています。
また、リアにはクスコ製のスタビライザーを装着し、ロールが抑制されている点も注目ポイントです。
オリジナルパーツで足回りを補正
また、前後3リンクリジットという足回り構造を持つジムニーは、純正から車高を変更すると必然的にサスペンションのジオメトリーが変化してしまい、サーキットでタイムを狙う上では、都合がよくありません。そこに、レインボーオートオリジナルの「偏心ウレタンブッシュ」と「フォーミュラーラテラルロッド」を使用することで、最適なサスペンション位置に調整。
加えて、フロントタイヤに4°のマイナスキャンバーを付けることで、コーナーでの踏ん張りを効かせつつ、純正よりも外側へ張り出したフロントタイヤを少しでも納めるような工夫が施されています。
完全FR化で素直なハンドリングと軽量化を実現
しかし、究極のハンドリングマシンを目指したシャコタンは、JB23に設定されていたFR用のフロントホーシングを使用して、完全にFR化されています。
正直そこまでやるかという感じもありますが、トランスファやフロントデフが不要となることで大幅な軽量化が可能となるため、小排気量のジムニーにとってその効果は絶大です。
サーキットを思う存分攻めるためのブレーキ
リアドラムには、ハヤシレーシングと共同開発したという、レインボーオートオリジナルのアルフィンドラムを使用し、放熱性を高めるフィンはもちろん、アルミを使用することで、純正よりも約40%の軽量化に成功。バネ下重量の軽減や低燃費など、さまざまな効果をもたらしています。
エンジンや室内ももちろんサーキット仕様
エンジンマネジメントにはレースチップ(RaceChip)のサブコンを使用することで、約80PSにパワーアップされています。
そして、いかにも“速そう”なリアディフューザーが装着された外観と、アルミ製ロールゲージと補強バー。さらにホールド性に優れたフルバケシートが装着された室内が、ただ者ではない雰囲気を醸し出しています。
サーキットを肩ひじ張らず楽しめる
山や川といったシチュエーションが似合うジムニーがサーキットに集結している姿は、ある意味なんとも不思議な光景です。
イベントを主宰するレインボーオート代表の横尾さん(通称:横ヒレさん)は、自分の車の限界を知り、モータースポーツの楽しさを知ってほしいとの思いで、このイベントを開催しているそう。
その言葉通り、エンジンスワップが施された超本気仕様のジムニーから、特にサーキット走行用の装備は何も装着されていないジムニー(モーターズ編集部員Tの愛車)まで、サーキットには、バラエティー豊かな53台のジムニーが大集結。
おっかなびっくりながらも慣れないサーキットを楽しむ人や、仲間と目標タイムについて語り合う人など、和気あいあいとした雰囲気の中、思い思いに楽しむ参加者の姿が印象的でした。