スバルのモデルで唯一の7人乗りミニバンだったエクシーガ。
フォレスターやレガシー並ぶ人気モデルでありながら、生産終了になっても中古車市場では今なお根強い人気があり、中古車市場であまり値落ちしていません。
なぜ、ミニバンに力を入れなかったスバルが作ったエクシーガが、これほど支持されたのか。
その理由や維持費をまとめてみました。
スバル・エクシーガとは
エクシーガは、2008年6月から2015年7月までスバルが生産していた乗用車です。
2015年7月にはビッグマイナーチェンジにより、それまでのロードモデルからクロスカントリーSUVモデル『エクシーガ クロスオーバー7』という派生モデルへ移行し、2018年まで生産されました。
エクシーガは『7シーター パノラマ ツーリング』をコンセプトに開発され、水平対向エンジンやAWDなどスバルがこれまで培ってきたワゴン造りのノウハウを活かして開発された3列シート7人乗りにしたミニバンです。
といっても従来のミニバンより全高は低く、ボンネットはレガシィやフォレスタぐらいの長さです。
エクシーガはインプレッサ、レガシィと同様に『SIシャシー』を採用し、ダブルウィッシュボーンのリアサスペンションやプラットフォームをはじめとした部品の約50%をレガシィと共有しています。
そのためレガシィに3列シート版という見方がされますが、内装デザインやフレーム、エンジンのチューンはエクシーガ独自の設計がなされ、エクシーガおよびエクシーガクロスオーバー7まで約10年間生産された人気モデルです。
スバル・エクシーガの年次変更点
2008年6月の発売時、エクシーガのパワートレインは2.0リッター水平対向4気筒DOHC・NAエンジンと2.0リッター水平対向4気筒DOHC・ターボエンジンが用意され、NAエンジン搭載グレードは『2.0i』『2.0i-L』『2.0i-S』、ターボエンジン搭載グレードは『2.0GT』でした。
各グレードの内容は、十分な装備でお求めやすい価格のベーシックモデル『2.0i』、上級感を演出する仕様装備を充実させたクオリティモデル『2.0i-L』、精悍なイメージを高める外装を装備したNAスポーティモデル『2.0i-S』、ゆとりの走りと優れた環境性能をバランスさせたグランドツーリングモデル『2.0GT』です。
NA車にはスポーツシフト付4速AT、ターボ車にはスポーツシフト付5速ATが採用され、駆動方式はNAがFFと4WD、2.0GTが4WDのみです。
2009年9月2日【改良】
新グレードにスバル独自の先進運転支援システム『EyeSight』を搭載した『2.0GT EyeSight』を設定。
フロントストラットとリアショックアブソーバーの減衰力を調整し、路面追従性と操作安定性を大幅に向上。
リアサスペンションダンパーを改良したことで2列目/3列目シートの乗り心地を向上を図っています。
改良に伴い、ベースグレード2.0iにルーフスポイラーやHIDヘッドランプを標準装備した特別仕様車『2.0i S-style』が発売されました。
2009年11月4日【特別仕様車『2.0GT tuned by STI』発売】
エクシーガ2.0GT tuned by STIは2009年11月4日に発売されました。
こちらはSTIのパーツを多用した専用チューニングされたモデルで、300台限定販売。
今となっては、激レア車なので中古車市場ではなかなか見られません。
2009年12月24日【2.5リッターモデル追加】
エンジンは2,457cc水平対向4気筒SOHC NAエンジンで、トランスミッションはリニアトロ二ックCVTを組み合わせています。
また、専用の17インチホイールやスポーツグリル、アルミパッド付スポーツペダルなど、スポーティーな装備も充実。
アルカンターラセレクションは、アルカンターラとレザーを組み合わせた専用シートを採用してます。
2010年5月18日【ターボモデルを改良】
エンジン制御やトランスミッション制御の改良により燃費性能と排ガス浄化を行い、『平成22年燃費基準+15%レベル』と『平成17年排出ガス基準75%低減レベル』を達成。
これにより、購入時の自動車取得税と自動車重量税が50%軽減されました。
2010年8月4日【一部改良】
それまで4速ATだったのをリアトロニックCVTに変更し、安全装備面でVDC(横滑る防止装置)、ルーフスポイラー、フロントフォグランプ、UV&IR(赤外線)カットフロントガラス+UVカット機能付濃色ガラス(リヤドア・リヤクォーター・リヤ ゲート ・フロントシートアームレスト(無段階調整式)を追加装備。
リニアトロニックCVTしたことでエコカー減税(環境対応車復旧促進税)に適合しています。
2010年12月21日【特別仕様車追加】
【主な特別装備】
●スバル エクシーガ『2.0i-S LIMITED』
パドルシフト 、アルミパッド付スポーツペダル、、215/50R17タイヤ&17インチアルミホイール(ガンメタリック塗装)、スポーティフロントグリル、HIDヘッドランプ[ヘッドランプレベライザー(オート)付] 、クリアビューパック(フロントワイパーデアイサー/ヒーテッドドアミラー/撥水加工フロント ドアガラス)、カーボン調パネル(センターパネル、シフトパネル)、本革巻リニアトロニックセレクトレバー(専用ブラック)
●エクシーガ2.5GT LIMITED
アルカンターラ/レザーシート(シルバーステッチ)、215/50R17タイヤ&17インチアルミホイール(ハイラスター塗装)、MOMO製本革巻ステアリングホイール、スポーツルミネセントメーター(専用220km/h表示、ウェルカム&グッバイ照明付)、キーレスアクセス&プッシュスタート、カーボン調パネル(センターパネル、シフトパネル)、本革巻ATセレクトレバー(専用ブラック)
2011年6月28日【改良】
また内装には、ダークシルバー色の加飾パネル、新シート表皮などスクエアリンクファブリック材を採用したスポーティな印象の室内空間を演出しています。
インストルメントパネル上面に、ソフトフィール塗装施し、立体的で光輝感ある新デザインのスポーツルミネセントメーターを2.0i-S、2.5i-S、2.0GTに標準装備。
周囲の照度に応じて、ヘッドライトの点灯と消灯を自動的に行なうオートライト機能を 2.0i-S、2.5i-S、2.0GT、2.0GT EyeSightに標準装備しています。
2012年7月3日【新モデル追加・一部改良】
2012年7月3日は、STIコンプリートモデルの第2弾『エクシーガtS』が発表されました。
こちらはターボエンジン搭載の2.0GTをベースとし、いたるところにSTI製パーツの装備や専用チューンが施されています。
前に登場した2.0GT tuned by STIと同様、こちらも300台限定販売でした。
エクシーガと同時期に、エクシーガ全モデルに新世代ボクサーエンジンと新リニアトロニック(CVT)搭載(2.0GTは除く)による運動性能と環境性能向上。
2.5リッターエンジンはSOHCからDOHCへ変更されました。
シャシーはフロントサスペンションのダンパーに新バルブ、リヤサスペンションのラテラルリンクにピロボールブッシュがさいようされ、路面の凹凸でもサスペンションがしっかり動いて振動を吸収。
そして先進運転支援システム『EyeSight2.0』が2.0GT、2.5iに採用されました。
2013年8月19日【改良】
新グレードに『2.5i specB EyeSight』、『2.5i/2.0GT EyeSight L Package』を設定し、特別仕様車『2.5i EyeSight S Package』を追加しました。
スバル・エクシーガのおすすめポイント1:優れた安全性能を実現するEyeSight
スバルは先進安全技術をリードするメーカーだけあって、エクシーガに早々からEyeSightを搭載しています。
EyeSightは、ステレオカメラと3D画像処理エンジンを用いて、歩行者、自転車を検知。
衝突の危険性がある場合、衝突の手前で自動ブレーキを作動させ、衝突を回避あるいは衝突の被害を軽減する『プリクラッシュブレーキ』、RギアとDギアを間違えて急発進しないための『AT誤発進抑制制御』などの予防安全機能や、『全車 速追従機能付クルーズコントロール』による運転負荷軽減機能を備えています。
2012年7月3日の改良で採用されたEyeSight2では、『プリクラッシュブレーキ』、衝突の危険がある状況で、ドライバーのブレーキ操作をアシストし、より高い制動力を働かせる『プリクラッシュブレーキアシスト』、そのほか『全車速追従機能付クルーズコントロール』『AT誤発進抑制制御』『警報&お知らせ機能』など、十分な機能が搭載されています。
スバル・エクシーガのおすすめポイント2:大人7人がゆったり座れる車内
© SUBARU CORPORATION. 2020.
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エクシーガはレガシィツーリングワゴンやレヴォーグと同じくステーションワゴンのような外観ですが、これでも7人が座れるゆとりの空間を実現しています。
室内寸法は、室内長:2,720×室内幅:1,510×室内高:1,275で、レガシィツーリングワゴン比で室内幅は62mm幅広く、室内高85mm高いです。
2列目シーツは180mmのロングスライドを実現し、バックレストを前倒し機能と組み合わせて多彩なシートアレンジが可能です。
3列目シートは大人2人が長時間座っても楽しめるように、サイズやクッション厚が高所されリクライニング機能も装備されています。
スバル・エクシーガのおすすめポイント3:多彩なシートアレンジ
© SUBARU CORPORATION. 2020.
エクシードの室内は、7人乗れる車内だけでなく、大容量ラゲッジスペースや多彩なシートアレンジが可能です。
© SUBARU CORPORATION. 2020.
シートアレンジは、3列シートのバッグレストすべてを倒し込んでフラットなカーゴスペースとなる『サードシートフラット』(5名乗車)、3列目&2列目シートバックを前倒しして巨大なスペースを生み出す『サードシートフラット+セカンドシートフラット』(2名乗車)、2列目シートの片方を倒し、4人乗車可能でありつつ長尺の荷物を積むことができる『サードシートフラット+セカンドシート分割可倒』(4人乗車)、フロントシートのヘッドレストを取り外して後方へ倒し込み、くつろぎのスペースをが広がる『ソフトフラットシート[前席フラット]』(停車時)が可能です。
スバル・エクシーガのおすすめポイント4:全席での乗員保護性能を高めた衝突安全性
エクシーガはプラットフォームをレガシィやインプレッサと共有しつつ、フレーム構造はいたるところに専用チューニングが施されています。
スバル独自の新環状力骨構造を採り入れ、多人数乗り車として合理性を高めたフレーム構成により乗員保護に徹底しています。
また、衝撃時のエネルギーを効率的に吸収・分散する全方位衝突安全ボディ。
JNCAPにおいてグランプリを受賞したインプレッサ同等以上の衝突安全性能を追求しています。
凹凸を走行したときの、多人数乗車時の走行で安定した機能・性能を発揮できる補剛して快適性に寄与しています。
車外から入ってくる透過音を抑制し静粛性を高めるために、二重ドアシールやウェザーストップを採用してボディとドアの密閉性を高めています。
スバル・エクシーガのおすすめポイント5:解放感を高めるパノラミックガラスルーフ
エクシーガのメーカー装備オプションにパノラミックガラスルーフを設定しています。
ガラスエリアはセカンドシートの上部から全席にわたり1,160×851mm。
紫外線を効率よくカットUVカット機能つき濃色ガラスを採用し、2分割スライド式の電動シンシェードを装備し、開放感と快適性を両立しています。
まとめ
背の低い7人乗りミニバンだと、ホンダ・オデッセイやトヨタ・ストリームなどのイメージが強いですが、ステーションワゴンスタイルを維持したエクシーガも狙いどころ。
2台にない個性を持ち、スバル独自の水平対向エンジンやCVT、AWD技術が味わえる希少な7人乗りモデルです。
特に、ファミリーカーが欲しいスバリストなら要チェック!