自動車の挙動に大きな影響を与える車体剛性。
タワーバーやピラーバーなどは有名ですが、簡単に取り付けることが出来て大きな効果を発揮するドアスタビライザーを知っていますか?
今回は、TRDから販売されているドアスタビライザーをご紹介します。
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ドアスタビライザーとは
自動車において大きな開口部となるドア部分は、車体剛性に多大な影響を与える場所の一つです。
ドアを閉めた際にはボディとドアが連続的に繋がっているように見えますが、実際にはストライカー部とウェザーストリップのゴムのみの弱い繋がりしかありません。
そのためコーナリングや車線変更の際に、微小なボディの歪みが生じ、ハンドル操作と実際の挙動にラグが発生します。
そのようなラグを減らし、ハンドル操作に対して、よりリニアな挙動を生み出すために誕生したのがドアスタビライザーです。
分厚くすることで面積を広くし、しっかりした構造になっているドアストライカー(写真1枚目シルバーの部品)と、ドア側のプレート(黒い部品)がドアを閉めた際に広い面積で接触します。
ちなみに純正では、写真に写っている突起の部分がドア側の爪と引っかかっているだけなので、点でしか接触していません。
ドアスタビライザーを取り付けると、ドア側、ストライカー側のそれぞれ黒くなっている部分同士が密着するので、純正と比べると接触面積は数十倍にもアップします。
そのため、ドアとボディの接触面積が大きくなり、純正の状態より車としての一体感が増す=剛性が上がります。
このような理由から、ドアスタビライザーは剛性アップに大きく寄与し、意のままのコーナリング性能に繋がるのです。
小さいパーツだが効果は絶大
こちらの画像は、ドアスタビライザーを装着した車と、していない車を比較した実験データのグラフです。
自動車は、ハンドルを曲がりたい方向に切ることで、タイヤが切った方向を向き、その方向に進もうとします。
このグラフでは、横軸であるステアリング舵角がハンドルをどれだけ回したかを表しており、縦軸のヨーレートが、車の向きの変わり具合を示しています。
理論上は、ハンドルを切ったらその分だけ向きが変わるはずであり、グラフの黒線のような比例直線となります。
しかし、実際にはタイヤやボディのゆがみが発生するため、赤線のようにハンドルを切ってもしばらく向きがかわらず、途中で一気に向きが変わるという動きとなります。
一方でスタビライザーを装着した場合は青線のグラフになっており、切り始めからしっかりと向きが変わり、理論値の黒線に近いことがわかります。
このような実験データからも分かるように、スタビライザーの効果は絶大で、理論値に近い数値を実現してくれるのです。
サーキット走行を楽しむ方にとって、微妙な反応の差が大きなタイム差として現れる事は周知の事実でしょう。
そのためスタビは、大きな作業をせずとも効果を発揮する、コスパ抜群のパーツと言えるのです。
さらに、設計時の剛性が低かったり、経年劣化で剛性の落ちている旧型車には、その効果は絶大!
ユーザーからは、ボディがしゃっきりとして、動きが若返ったという意見も出ているほどです。
全ての車に装着できるわけではありませんが、乗っている車が適合している方は、一見の価値あり!是非、試しに装着してみてはいかがでしょうか。
86のみ、専用品が存在
トヨタ86(ZN6)には、専用設計のドアスタビライザーが用意されています。
TRDによって開発された86専用設計パーツという文字を見るだけでも、期待が高まりますが、実際に動きが変わったという意見が大多数を占めており、やはり効果は抜群なようです。
また、汎用バージョンも多くのトヨタ車に対応しているため、是非自分の車種が対応しているか確認してみてください。
まとめ
愛車の剛性アップに大きく貢献してくれる、TRDのドアスタビライザー。
スポーツ走行をする人から街乗りを楽しむ人まで、コスパ最高のパーツを是非体感してください。