自分の愛車に社外品のカスタムパーツを装着しよう、と考えた際に、「車種名」「車両型式」「車台番号」「年式」「グレード」といった情報を元に、欲しいカスタムパーツが自分の車に装着可能かどうか、を確認するはず。
自動車ディーラーなどであれば車検証の情報をもとにした「車台番号」と「車両型式」をもとに、純正部品が装着可能か否か、さらには在庫の可否まで確認することができます。
しかしながらアフターパーツとなると、オーナー自身が自分で探して、各メーカーの適合表と睨めっこをして、情報が一致したらそこで初めて装着が可能、という判断に至ります。
そうする中で「自分の車が適合表に無い。同じ車だからパーツが付くのでは?」と思われがちですが、それはNG。
メーカーによって「適合未確認」が発生し、「付くかもしれないけど未確認ですよ」という言葉が存在します。
今回は適合未確認とはどういう状態なのか、解説していきます!
Contents
そもそも「適合」とは?
非常に単純ではあるものの、適合するか否か、を確認するためのプロセスが重要かつコストがかかるものとなるため、適合と判断するためには時間を要します。
例えば純正部品の場合、メーカー側で装着可能な型式や車台番号をベースに、全ての部品を品番管理することで、装着可否を決めています。
予め定めていた情報が合致することで適合、となり装着可能なパーツとなりますが、品番変更や仕様変更による適合確認を行っていない場合で1つでも品番が異なるような場合、適合不可となります。
適合、と判断することでメーカー側はその情報に対して責任を負うものの、適合不可となっている車両とパーツでの組み合わせに対しては責任を負いません。
そのため適合と判断する上で十分な時間とプロセスを経た上で、その判断に対して責任を負う、ということが適合するパーツに対するメーカーの責務になるのです。
適合確認とは?
適合確認とは文字通り、「適合の可否の確認を行うこと」になります。
アフターパーツ(社外パーツ)では基本的に現車合わせが通常のプロセスとなります。
現車合わせとは「実際に存在する車に対して、装着しようとするパーツを当てがうこと」です。
例えば、ショックアブソーバーを含むサスペンションを純正から社外品に交換しようとする場合、メーカーが装着させようとするサスペンションが純正サスペンションの取り付け穴や位置と一致した上で正しい動作をするか、を確認し、問題無く装着可能な上でメーカー側が責任を持って適合すると判断した時に「適合可能」となるわけです。
また社外のフロントリップスポイラーを純正フロントバンパーに装着できるか、の適合判断を行う場合、純正フロントバンパー側を著しく加工するこなく装着した上で、走行中の脱落などが発生しないか、車検などを鑑みる場合は保安基準に合致しているか、までを確認した上で「適合可能」と判断をしています。
アフターパーツメーカーの立場としては「社外パーツに交換した上で安全に走行が可能か」が重要となるため、適合確認には時間を要し、正確な判断が求められることになります。
そのため「見た目上付きそう」「多分装着可能」といった不確定要素のある判断は一切行わず、現車での装着確認を行っていない場合などの少しでも不安な要素がある場合は「適合未確認」と判断をするわけです。
適合未確認とは?
適合未確認は適合不可、ではなく「そもそも適合確認を行っていない」という意味合いになります。
適合未確認だから絶対に装着不可、ではなく「装着可能かの判断を行っていない」となるため、パーツを当てがってみたら実は装着可能、といった可能性もあります。
適合表に記載が無い=適合未確認、という認識です。
しかしながら大手のアフターパーツメーカーといえど、現車確認を行う車両の年式、グレード、パッケージといった、同一車種でもパターンが異なる車両が多くある中でに1つ(場合によっては幾つか)しか適合確認が行えない為、適合確認を行えなかったものは全て適合未確認と判断をします。
もちろん人や時間といったコストを掛ければ可能、という部分にはなりますが、コストを掛ければかけるほどパーツの販売価格に影響を与えるため、「確認可能な範囲内で最大限の確認を行った結果」がアフターパーツメーカーが提供できる適合情報となります。
適合未確認が発生しやすい状況
以下、3つが理由として挙げられます。
・新型車(マイナーチェンジ含む)が出て間も無い
・珍しいグレードの車
・不人気車種
新型車(マイナーチェンジ含む)が出て間も無い
フルモデルチェンジやマイナーチェンジのタイミングで車両を買い替えるユーザーは多いと思われますが、発売直後だった場合、適合未確認になるケースが多いです。
理由は簡単で、「アフターパーツメーカーに適合確認用の新型車が納車されていないから」または「適合確認中」という時間的な問題が発生するためです。
こればかりは待つ以外に手段がなく、運よく発売直後にユーザーへ納車されても、アフターパーツの発売は時間が経ってから、という状態になります。
昨今ではこれを回避するために、人気車種などは発売前にアフターパーツメーカーへ商品開発や適合確認用の新型車を優先的に納車するなど、自動車メーカー側も対応を行っています。
珍しいグレードや装備の車
アフターパーツメーカーが適合確認を行う車両のグレードの多くが、「市場に最も出回るであろうグレードやパッケージの車両」となります。
そのため、自分好みで人とは被らないグレードを選んだ場合、アフターパーツメーカーが適合確認を行わないため、適合未確認となるケースがあります。
例えば、アルファードやステップワゴンといったミニバン系の車種で、4WDモデルの場合などが挙げられます。
4WDは冬に雪が降る地域では必須となり需要があるものの、日本国内全体の需要で見るとFF(2WD)の方が販売台数が多くなるため、アフターパーツメーカーはFF車を優先して対応するようになります。
そのため2WD車のみ適合、といった記載や、特定のエアロパーツが付いている車両のみ適合、といった記載が適合表に載るようになります。
特に社外のアルミホイールを交換したい、となった場合、2WD車と4WD車でタイヤハウスクリアランスが異なったりと、全く同じ車両なのに駆動方式が違うだけで適合不可や適合未確認といった状況は頻繁に発生します。
マフラーの場合、FF車と4WD車でリア周りの足回り方式が異なる場合がほとんどで、足回り方式が異なる=マフラーの形状が異なるため、FF車と4WD車では別で開発する必要があります。
不人気車種
前述の珍しいグレードの車両と同様に、不遇にも不人気車種となってしまっている車種の場合、適合未確認となるケースが多いです。
そもそも売れていない車種は、アフターパーツメーカーがマーケティング対象としないため、パーツ開発がされません。
もちろんゼロでは無いものの、選べるアフターパーツがそもそも少なくなる傾向にあります。
車両購入後にカスタムを楽しみたい、と考えるのであれば車選びの段階からアフターパーツが用意されている車両を選ぶ必要がある、と言えます。
適合未確認だった場合どうすれば?
アフターパーツメーカーの適合表を確認して、適合未確認の場合どうすれば良いのでしょうか?
以下の3つが挙げられます。
・メーカーに直接問い合わせて確認する
・諦める(適合になるまで待つ)
・付けられる可能性に賭けて人柱になる
メーカーに直接問い合わせて確認する
最も正確なのが「メーカーに直接確認すること」です。
但し、メーカー対応者も適合表を元に回答を行うため、適合表に記載されていなければ、適合未確認や適合不可、という回答になります。
諦める(適合になるまで待つ)
満足度は得られないものの、ノーリスクな判断となるのが「諦める」です。
適合未確認なのだから仕方がない、付かない可能性があるのだから不安、となりますが、これも正しい判断と言えます。
付けられる可能性に賭けて人柱になる
最もリスキーで、装着可能だった場合の満足度が高いのが「とりあえず買ってみる」(自分で適合確認をする)というもの。
なぜリスキーなのか?という部分について、装着できないのであれば返品対応すれば良いのでは?と思われがちですが、このほとんどの場合で返品不可、となります。(クーリング・オフ制度が適用されないため)
そもそもの不良品、そもそもが注文と異なる商品だった、などのメーカーや発送側のミスや、特約事項などが無い限りは、販売者側は返品対応に応じる義務が無いためです。(購入時は特記事項や特定商取引法に基づく表記を必ずご確認ください)
まとめ
運よく適合確認が取れているパーツや車もあれば、乗っている愛車だけ適合表に載っていないなんてことも大いにあり得ます。
自動車のパーツを購入する際には必ず適合しているか否かを確認して、購入するようにしましょう。