2018年7月、20年ぶりにフルモデルチェンジされた新型ジムニー(4代目)が登場で軽4WDがにわかに活気立ち、ジムニーの存在感が今までより一層注目されるようになりました。
新型ジムニーが注目したいのが旧モデルとなった3代目ジムニーの中古車が今以上に流通してくるでしょう。
そこで、3代目モデルであるJB23型のジムニーの中古車を購入する際に気を付けなければならないところを一気にご紹介します。
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JB23ジムニーについて
JB23 ジムニー XC / 出典:https://suzuki-media.jp/
JB23は1998〜2018年の期間に販売された3代目ジムニーを示し、3代目ジムニーの型式『ABA-JB23W』からきています。
ジムニー最大の特徴は、本格的なオフロード走行を目的に開発されているため、頑丈なラダーフレームとリジット式サスペンションを採用し、駆動方式を2WD/4WD/4WD-Lギアに変更できるパートタイム4WDを装備。
車重1トンほどの軽量な車体に660cc直列3気筒ICターボエンジン(K6A型)を搭載して軽自動車でありながら十分な動力性能を発揮しており、1970年の発売から49年経った現在でも高い人気を誇るモデルです。
JB23では、2代目モデルまでの無骨なデザインから都会的に洗練され、女性でも乗れる丸みを帯びたスタイルに意匠変更。ABSやエアバッグなど安全装備が充実し、幌付きやハードトップなどいくつかのボディタイプがありましたが、3ドアワゴンタイプに統一されました。
販売された約20年間にボディデザインが大きく変更されることはありませんでしたが、9度の一部改良およびマイナーチェンジが実行され、中身は年式によって細かな違いがあります。
JB23ジムニー型式と変更内容
型式 | 車体番号 | 販売期間 | 変更内容 |
---|---|---|---|
1型 | JB23W-100059 ~ 125412 | 1998年10月~1999年9月 | ・山本寛斎がデザインの『ジムニーKANSAI』発売 |
2型 | JB23W-200010 ~ 208859 | 1999年10月~2000年3月 | 一部改良 ・エアバッグ・ABS全車標準装備 ・排ガス新規制対応のため触媒位置をタービン直後に変更 |
3型 | JB23W-210001 ~ 242251 | 2000年4月~2001年12月 | 一部改良 ・ABSユニット・タービン改良 ・ハザードスイッチをコラム上からインパネに位置変更 ・キーレスエントリーが赤外線式から電波式に変更 ・2000年5月、限定モデル『ワイルドウインド』発売 ・2000年11月、限定モデル『FISフリースタイルワールドカップリミテッド』発売 ・2001年5月、限定モデル『ランドベンチャー』発売 |
4型 | JB23W-310014 - 348640 | 2002年1月~2004年9月 | 一部改良 ・ボンネットとグリルが分離 ・エンジン改良 ・キーレスエントリー機構変更 |
5型 | JB23W-400001 ~ | 2004年10月~2005年9月 | マイナーチェンジ ・エンジン改良 ・マフラー触媒部分変更 ・インパネ意匠変更 ・トランスファーをレバー式からスイッチ式へ変更 ・トランスファー型式変更(AT/MTギア比変更) ・エアコンがマニュアルダイヤル式へ変更 |
6型 | JB23W-500001 ~ | 2005年10月~2008年5月 | 一部改良 ・ヘッドラライトレベライザー装着 ・ミラー形状変更 |
7型 | JB23W-600001 ~ | 2008年6月~2010年8月 | 一部改良 ・エンジン改良 ・エアロッキングと4WDコントローラ統合 ・空調温度調整ダイヤル変更 ・2WDから4WD-L の切り替え可能 ・2010年4月、限定モデル『X-Adventure』発売 |
8型 | JB23W-650001 ~ | 2010年9月~2012年4月 | 一部改良 ・マフラー触媒部分変更(触媒が2つになる) ・故障診断装置追加 ・リアシートベルト機構の変更 ・シート表皮変更 |
9型 | JB23W-680001 ~ | 2012年5月~2014年7月 | 一部改良 ・ボンネット形状・ダクト開口部変更 ・フェンダー形状・サイドマーカーデザイン変更 ・インタークーラー樹脂カバー変更 ・バックドア鍵穴消滅 ・バックドア内側リフレクター追加 ・ヘッドレスト形状変更 ・後席シートにチャイルドシート固定アンカー採用 |
10型 | JB23W-730001 ~ | 2014年8月~2018年6月 | 一部改良 ・スピードメーター内の燃料計・水温計・走行距離・シフトインジケーターがデジタル表示化 ・シート形状・生地の変更 ・ステアリング形状変更 ・ヘッドライト内部にランプシェードが追加 |
JB23ジムニーの注意点とは?
JB23は20年間も販売されたころで、中古車市場ではタマ数がかなり多いです。人気の高いモデルであるためお店に入庫してから売れるまでの期間が短く、多走行距離のものであれば何人かのオーナーが乗ってきた車両も少なくありません。
また、カスタムベース車として購入する方もいるため、中古車にはカスタム車両も多数販売されています。
それだけ人気なモデルであって、街中から林道、クロスカントリーコースまでさまざまなシチュエーションで走行できるモデルのため、ジムニーを乗るオーナーと乗り方は十人十色。
中古車を購入するときは要点を抑えて車両状態を確認しておきたところです。
試乗で車体状態を確認
どんな中古車にもいえることですが、試乗が可能な場合は必ず試乗して車両状態を確認しましょう。
直線道路でまっすぐ走るか、ハンドルを切った時にパワステが故障してないか、マンホールなどちょっとした段差を乗り越えた時に異音がしないかなど、試乗してみないと本当の車両状態を知ることはできません。
オフロード走行をしていたようなJB23であれば、頑丈なラダーフレーム構造といってもフレームが歪んでいる可能性が考えられます。
またカスタム車両の場合、ラダーフレームの上にのっているモノコック部分に加工が施されている場合もあります。それが走りに影響をもたらすこともあるため、走行してみてフレームの状態を把握することは重要です。
この時、駆動を2WD、4WD、4WD-Lに切り替えてそれぞれに異音や違和感がないかを確認。試乗が終わった後は再びボンネットを開けてエンジン周りを確認。さらに車体下ものぞいてミッションやデフ周りもチェックしておきましょう。
走行後にエンジンオイル漏れやデフオイルが漏れていることも十分ありえます。
下回りの錆・腐食に注意
クルマの下を覗いてフレーム部分の錆がひどくないか念入りに確認することが大切です。
要点をおさえれば多走行距離でも購入可能
ジムニーはかなり頑丈に作られたクルマなため、7万キロや10万キロぐらいの中古車でも十分走行できるクルマです。
中古車が10万キロ間近でも、目立つ傷のない綺麗な状態であれば購入を考えても構いません。
しかし、それはきちんとした整備が行われていればの話。整備記録簿が残っていて、記載内容に消耗品部品の交換や定期点検が行われているかを確認しましょう。
それで気になる点がなければ多走行距離のJB23でもまだまだ乗ることが可能です。
まとめ
新型ジムニーのインパクトが強かったせいか、これから軽4WDが欲しいと考えるのであれば、現行モデルのジムニーが欲しくなってしまう方は少なくないでしょう。
確かに新型ジムニーは普段乗りやオフロード走行したり、カスタムベースとして魅力的なクルマ。
一方で、JB23は長いジムニーの中で熟成を重ねてきたモデルであって、走行性能や耐久性、内装の機能性など、どれをとっても高いレベルにあります。
カスタムパーツは豊富に販売され、カスタムや整備のノウハウは雑誌やインターネットでいくつも載っています。
また、ジムニーを専門に取り扱うプロショップが多く、ジムニーを得意とするカスタムビルダーや整備士が多くいることもジムニーの強みであるところ。
今回紹介した中古車購入の注意点を参考に中古のJB23を購入して、これから楽しいジムニーライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。