スズキ ジムニーの新型モデル・JB64に注目が集まりがちですが、前モデルのJB23ジムニーは侮れません。
ジムニー愛好家はあえてJB23を選ぶ方が多いとされます。
中古車であれば手頃な価格で購入でき、カスタムパーツも豊富。
JB64にはない魅力満載のJB23ジムニーおすすめポイントをご紹介します。
スズキ・JB23ジムニーとは
ジムニーと聞けば新型のJB64を思い浮かべてしまうほど、新型モデルが市場に定着してきました。
JB64ジムニーは、オーダーしている人のほとんどが新規ユーザーであり、JB23から乗り換えや買い増しは決して多くないとのこと。
JB23はジムニーの3代目モデルとして1998年から2018年まで20年間も生産され、歴代ジムニーのなか最も息の長いモデルです。
登場した当時、デザインは空力を考慮した丸みをおび、現代風のスタイリッシュなデザインへと進化しました。
一方で、ラダーフレームやリジッドアクスル式サスペンション、パートタイム4WDという伝統は先代から変わらず、クロスカントリー競技車両として多くのユーザーが使用するなど、本格的な軽クロカン4×4です。
JB64ジムニー / ©SUZUKI MOTOR CORPORATION.
このコンセプトはJB64でも継承されますが、デザインに関してはJB23ではなくSJ30の雰囲気に戻った感じです。
しかし、JB23は歴代ジムニーから逸脱したデザインで不評だったというわけではありません。そもそも、もし不評意見がメーカーに押し寄せれば、もっと早い段階でフルモデルチェンジされていたはず。
フルモデルチェンジされず長期間生産されたJB23は、多くの愛好家が乗り続けているほど、人の心を離さないモデルです。
スズキ・JB23ジムニーの年次改良内容
JB23ジムニーは約2年おきに一部改良がなされ、1型から10型まで分けられます。
そのなかで、最も変更されたのが4型から5型に変わるマイナーチェンジの時で、内装はセンターコンソールのボタン、スイッチ、ダイヤルの配置や形状が変更され、2WDから4WDへ変更するトランスファーをレバー式からスイッチ式へ変更。
10型の内装 / ©SUZUKI MOTOR CORPORATION.
10型の内装 / ©SUZUKI MOTOR CORPORATION.
JB23は、4型から5型へのマイナーチェンジを境に、ユーザーの好みが異なります。
また、4・5型の違いだけでなく、それぞれの型でさまざまな改良がなされ、レギュラーグレードにはない、特別限定モデルなど年式によって異なるため、どの型を購入したいか、また目ぼしい中古車が何型になるのかを把握しておくことを推奨します。
型式 | 車体番号 | 販売期間 | 変更内容 |
---|---|---|---|
1型 | JB23W-100059 ~ 125412 | 1998年10月~1999年9月 | ・山本寛斎がデザインの『ジムニーKANSAI』発売 |
2型 | JB23W-200010 ~ 208859 | 1999年10月~2000年3月 | 一部改良 ・エアバッグ ・ABS全車標準装備 ・排ガス新規制対応のため触媒位置をタービン直後に変更 |
3型 | JB23W-210001 ~ 242251 | 2000年4月~2001年12月 | 一部改良 ・ABSユニット・タービン改良 ・ハザードスイッチをコラム上からインパネに位置変更 ・キーレスエントリーが赤外線式から電波式に変更 ・2000年5月、限定モデル『ワイルドウインド』発売 ・2000年11月、限定モデル『FISフリースタイルワールドカップリミテッド』発売 ・2001年5月、限定モデル『ランドベンチャー』発売 |
4型 | JB23W-310014 - 348640 | 2002年1月~2004年9月 | 一部改良 ・ボンネットとグリルが分離 ・エンジン改良 ・キーレスエントリー機構変更 |
5型 | JB23W-400001 ~ | 2004年10月~2005年9月 | マイナーチェンジ ・エンジン改良 ・マフラー触媒部分変更 ・インパネ意匠変更 ・トランスファーをレバー式からスイッチ式へ変更 ・トランスファー型式変更(AT/MTギア比変更) ・エアコンがマニュアルダイヤル式へ変更 |
6型 | JB23W-500001 ~ | 2005年10月~2008年5月 | 一部改良 ・ヘッドラライトレベライザー装着 ・ミラー形状変更 |
7型 | JB23W-600001 ~ | 2008年6月~2010年8月 | 一部改良 ・エンジン改良 ・エアロッキングと4WDコントローラ統合 ・空調温度調整ダイヤル変更 ・2WDから4WD-L の切り替え可能 ・2010年4月、限定モデル『X-Adventure』発売 |
8型 | JB23W-650001 ~ | 2010年9月~2012年4月 | 一部改良 ・マフラー触媒部分変更(触媒が2つになる) ・故障診断装置追加 ・リアシートベルト機構の変更 ・シート表皮変更 |
9型 | JB23W-680001 ~ | 2012年5月~2014年7月 | 一部改良 ・ボンネット形状 ・ダクト開口部変更 ・フェンダー形状 ・サイドマーカーデザイン変更 ・インタークーラー樹脂カバー変更 ・バックドア鍵穴消滅 ・バックドア内側リフレクター追加 ・ヘッドレスト形状変更 ・後席シートにチャイルドシート固定アンカー採用 |
10型 | JB23W-730001 ~ | 2014年8月~2018年6月 | 一部改良 ・スピードメーター内の燃料計 ・水温計 ・走行距離 ・シフトインジケーターがデジタル表示化 ・シート形状 ・生地の変更 ・ステアリング形状変更 ・ヘッドライト内部にランプシェードが追加 |
JB23ジムニーのおすすめポイント1:中古車を様々な特別モデルから選ぶことができる
1:ジムニーKANSAI
2:ジムニーJ2
3:ジムニーFISフリースタイルワールドカップ リミテッド
4:ジムニー ランドベンチャー
5:ジムニーワイルドウインド
6:ジムニークロスアドベンチャー
ジムニーはXC、XGの2グレードをレギュラーグレードに展開し、特別仕様車も数多く売り出していました。
このなかで1のKANSAIと2のJ2は短期間の限定販売モデルであり、今となっては超レア。
もし、中古車店で見かけたら運命的な出会いかもしれません。
3~6は特別仕様車でも、数年おきにいずれかのモデルが短期間販売されていた経緯はあり、少数ですが中古車市場でも見つけることができますが、ジムニーの人気が高いため、これら特別仕様車が比較的割高で販売される傾向にあります。
こういった特別モデルから選べるのも、ジムニーの面白いところであり、おすすめポイントのひとつです。
JB23ジムニーのおすすめポイント②:カスタムパーツがとても豊富
ジムニーの楽しさに、イジる(カスタム・チューニング)が楽しいことがあげられます。
シンプルな作りの軽自動車であり、ハイテクデバイスや複雑な設計は少なく、マイガレージで整備やパーツ交換や比較的に容易いです。
そして、非常にアフターパーツが豊富!
カスタムベースとして人気なのと、20年間も販売されていたことから、多くの部品メーカーからカスタムパーツが製作され、ジムニー専門のパーツメーカーやショップも珍しくありません。
そのため、パーツだけでなくカスタムノウハウの情報が溢れており、ストリートから林道、オンロードコース、さらにはサーキットまで、どんなところでも走らせ楽しめるジムニーを生み出せます。
JB23ジムニーのおすすめポイント③:毎年のように改良がおこなわれ信頼性が高い
JB23ジムニーのように、20年間で毎年のように一部改良やマイチェンを繰り返したモデルは珍しいです。
そのため、年式が新しくなるにつれ熟成度が増し、ジムニーに長年乗るベテランの中にはJB64ではなくJB23にこだわる方は非常に多く、それほど信頼性が高いクルマです。
JB23ジムニーのスペック
1999年式 ジムニーXA | ||
---|---|---|
型式 | GF-JB23W | |
全長×全幅×全高(mm) | 3,395×1,475×1,680 | |
ホイールベース(mm) | 2,250 | |
車重(kg) | 950【960】 | |
乗車定員(名) | 4 | |
原動機型式 | K6A | |
エンジン種類 | 直列3気筒DOHC12バルブターボ | |
総排気量(cc) | 658 | |
ボア×ストローク(mm) | 68.0×60.4 | |
圧縮比 | 8.6 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 47[64]/6,500 | |
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) | 106[10.8]/3,500 | |
トランスミッション | 5速MT/4速AT | |
駆動方式 | 4WD | |
10・15モード燃費値(km/L) | 16.0【14.6】 | |
タイヤサイズ | 前 | 175/80R16 91Q |
後 | 175/80R16 91Q |
まとめ
クルマはやっぱり新しいものや話題のモデルがほしいと考えるのが常ですが、ジムニーに関しては、旧型モデルが新型にはない面白さを体感させてくれます。そして、それがJB64とJB23で顕著に現れてきます。
もっと言うと、新車だとカスタムしたりクロスカントリーを思いっきり走るというのを躊躇しがち。
これからクロカン4×4にチャレンジしたい方は、JB23からスタートして躊躇なく自らイジってオフロードをガンガン走って楽しんでみてはいかがでしょうか。