ホンダ 5代目オデッセイは、ボディの大型化やスライドドアの採用などにより、一気に今どきのミニバンになったモデルです。
さらに5代目になってから、ハイブリッドモデルが追加されるなど、ホンダのミニバンクラスのなかでも上級モデルへと昇格しています。
そんな5代目オデッセイのおすすめポイントをご紹介します。
ホンダ・5代目オデッセイとは
ホンダ オデッセイは1994年、『セダンづくりから発想したミニバン』をコンセプトに、低ルーフミニバンという、クルマに新しい価値観を創造したモデルです。
乗用車ベースのため、全高はセダンやクーペを若干高くした程度で、3列シートでありながら、ドライバーはセダンのような感覚で運転することが可能となっています。
また、低床・低重心のシャシーを採用したことで、コーナーでの旋回性や高速クルーズでの安定性をより向上。全高が低い一方で、室内空間が広いことが特徴です。
そして、現行モデルとしてカタログランナップされているのが、2013年11月からは発売されている5代目モデル。
5代目モデルでは、車体の大型化が施され、オデッセイ史上初となるハイブリッドモデルが登場しました。
ホンダ・5代目オデッセイの年次変更点
5代目オデッセイが発売される直前に、ホンダの最上級ミニバンだったエリシオンが日本での販売を終了。エリシオンがオデッセイと統合されたことで、ボディの大型化と高級感のアップを果たしました。
エリシオン / © Honda Motor Co., Ltd.
5代目モデルの車体サイズは4代目モデルと比べると、全長で30mm、ホイールベースで70mm延長されており、全高に関しては1,545mmから1,695mmへと150mmも高くなりました。
内装では、2列目シートが独立型キャプテンシートの7人乗りからに加え、ベンチシートとなった8人乗りも追加され、4代目にはなかったリアスライドドアも5代目モデルから採用されています。
発売時のグレードはベースグレードのB、アイドリングストップやフルオートエアコンといった定番装備が搭載されたG、マルチビューモニターやパワースライドドアなどが充実したG・EXです。
また、パワフルなエンジンとスポーティーなチューニングが施されたアブソルートとアブソルート・EXも設定されました。
一部改良【2015年1月23日】
2015年1月23日に一部改良が施され、先進の安全運転支援システム『Honds SENSING(ホンダセンシング)』が搭載されました。
ホンダセンシングは、フロントグリル内にミリ波レーダー、フロントウインドウ内側上部に単眼カメラが装備され、安心・快適な運転や事故の回避を支援します。
ホンダセンシング搭載車種はG・EX、アブソルート、アブソルート・EXで、その他グレードはメーカーオプションです。
■ホンダセンシング機能一覧
・衝突軽減ブレーキ(CMBS)
・誤発進抑制機能
・先行車発進お知らせ機能
・標識認識機能
・LKAS(車線維持支援システム)
・路外逸脱抑制機能 ・ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
一部改良およびハイブリッド追加【2016年2月5日】
2016年2月5日の一部改良では、パワーユニットにハイブリッドシステムが採用された『オデッセイ ハイブリッド』が登場。
また、ガソリンエンジン車は運転席に大型アームレストが装備され、プラズマクラスター技術が採用されたフルオートエアコンディショナーが採用されるなど、商品の魅力が向上しています。
マイナーチェンジ【2017年11月16日】
2017年11月のマイナーチェンジでは、ホンダセンシングが全車標準装備となり、安全支援システムの性能が向上しました。
ホンダセンシングに『歩行者事故低減ステアリング』、『先行車発進お知らせ機能』の機能が加わり、ハイブリッドのACCには渋滞追従機能も追加。
外装は、フロントバンパーやグリル、アルミホールのデザインが意匠変更され、LEDフォグランプが全車標準搭載されています。
内装は、標準またはオプション設定される2列目プレミアムクレードルシートが改良され、大型ヘッドレストや足元にスマートフォンやペットポトルを収納できる小物入れが追加されました。
ホンダ・5代目オデッセイのおすすめポイント1:ファーストクラスのような2列目シート
5代目オデッセイは、エリシオンの穴を埋めるべく開発されたモデルのため、内装の高級感が一気に増しています。
7人乗りモデルに搭載される2列目プレミアムクレードルシートは、シートバックを倒すと連動してシートクッションの角度が持ち上がる新機構と、シート表皮裏に30mm厚のソフトウレタン層が設けられているため、座り込んだこときに身体が包み込まれるようなフィット感を感じることができます。
オットマンや大型ヘッドレストも装備されているため、まるでファーストクラスに座っているような感覚。
3列目シートを床下に格納すれば、2列目シートが前後に740mmスライド可能なので、広い可動域で自分の好きな角度に調整可能です。
また、ラゲッジスペースは、21インチサイズのスーツケースを7つ積載できる広さとなっています。
ホンダ・5代目オデッセイのおすすめポイント2:荷物の積み下ろしやすい低めの地上高
5代目オデッセイは、従来よりも150mm全高が上がっていますが、低床・低重心のコンセプトは変わっていないため、車内への開口部も極力地面から近い場所に設計されています。
ラゲッジルーム開口部の地上高は525mmを実現し、大きな荷物や重い荷物の積み降ろしが楽になりました。
また、2列目ドアの地上高は約30cmのため、小さな子供や高齢者でもスムーズに乗ることが可能です。
ホンダ・5代目オデッセイのおすすめポイント3:パワフルかつ低燃費なガソリンエンジン
オデッセイのガソリン車に搭載されるエンジンは、2.4リッター直列4気筒DOHC i-VTECのK24Wエンジンで、4代目モデルで搭載されたK24A型を全体的に見直して新開発されたものです。
燃費値は4代目モデル比で+1.4km/Lの13.8km/Lを実現し、最高出力は+2PSの175PS、最大トルクは+3N・mの225N・mのパワーアップを果たしました。
また、アブソルートは、4代目モデルではハイオク仕様でしたが、5代目モデルでレギュラー仕様となったため、ガソリン車全体で4代目モデルよりも燃料代を抑えることができます。
ホンダ・5代目オデッセイのおすすめポイント4:ホンダセンシング搭載により優れた安全性能
5代目オッデセイに標準装備されるホンダセンシングは、クルマや歩行者を検知し、事前に危険を察知して事故の回避を支援してくれます。
また、高速道路や自動車専用道で快適な運転をおこなえるACCや、交通違反をしないための標識認識機能など、ドライバーにとってうれしい機能も満載です。
■衝突軽減ブレーキ(CMBS)
© Honda Motor Co., Ltd.
先行車・歩行者・対向車との衝突回避または被害軽減のための支援を、段階的に行います。
■誤発進抑制機能
© Honda Motor Co., Ltd.
停車時や10km/h以下の低速走行時に、前方の障害物を検知してドライバーがアクセルペダルを踏み込んだ場合の急な発進を防止します。
■歩行者事故低減ステアリング
© Honda Motor Co., Ltd.
路側帯を歩く歩行者との衝突を回避するための支援を行います。
■路外逸脱抑制機能
© Honda Motor Co., Ltd.
クルマが車線をはみ出しそうになるのを防ぎ、車線内へ戻れるように支援します。
■渋滞追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)© Honda Motor Co., Ltd.
予め設定した車速内でクルマが自動的に加減速。先行車との適切な車間距離を維持しながら追従走行し、ドライバーの運転負荷を軽減します。
■車線維持支援システム(LKAS)
© Honda Motor Co., Ltd.
高速道路を走行する際に、車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援し、 ドライバーの運転負荷を軽減します。
■先行車発進お知らせ機能
© Honda Motor Co., Ltd.
信号待ちなどの停車時に、 先行車の発進を音とディスプレー表示でお知らせします。
■標識認識機能
© Honda Motor Co., Ltd.
道路標識をディスプレー表示し、標識への注意を促して安全運転を支援します。
ホンダ・5代目オデッセイのおすすめポイント5:優れた加速性能と燃費性能を兼ね備えたハイブリッド
5代目オデッセイで新規に追加されたハイブリッドは、走行用と発電用の2つのモーターとリチウムイオンバッテリーを搭載し、モーターのみで走行する『EVモード』、エンジンで発電した電気でモーターを駆動する『ハイブリッドドライブモード』、エンジン直結クラッチを使用し、エンジンのみで走行する『エンジンドライブモード』の3モードを使い分けながらの走行が可能です。
モーターは3.0リッターV6エンジンに匹敵する最大トルク315N・mを発揮し、非常にスムーズで力強い加速力を生み出しますが、モーター駆動のため非常に静か。
信号や交差点の多い街乗りや、高速道路の合流や追い越しなどが非常に楽になるなど、運転のしやすさと快適性を備えています。
またガソリン車よりも圧倒的に低燃費で、エコカー減税対象車であるため、新車購入時の環境税や自動車税、重量税が免税または減税される点もメリットです。
まとめ
オデッセイは元来、アコードをベースに開発されたクルマであり、他メーカーのミニバンに比べて低く構えたフォルムやヒンジドアなどが特徴ですが、実はこれらは時間的にも資金的にも余裕がなかったホンダの苦肉の策で生み出されたといわれています。
しかし、蓋を開けてみれば大ヒットし、初代のコンセプトは4代目まで継承されるほど、多くのユーザーから支持されました。
それでも、ユーザーがミニバンに求める要素も時代とともに変わり、オデッセイは5代目でようやくミニバンらしくなりました。
「こんなのオデッセイじゃない」と思う方もいるかもしれません。
しかし、世代ごとに熟成を重ねてきた2.4リッター直4VTECのK24型エンジンや、スポーティーな専用チューンが施されたアブソルートを継続させるなど、オデッセイのチャームポイントは5代目モデルまで脈々と受け継がれています。
そして、高い燃費性能と環境性能を兼ね備えたハイブリッドを追加することでオデッセイの魅力は一層高まり、大幅にフォルムが変更された5代目モデルでもオデッセイは正統進化しているのです。