スバル・レガシィのSUV仕様にあたるアウトバック。
その現行モデルがBS系で、SUVのような力強く、ステーションワゴンのような運動性、そしてアイサイトの高い安全性を全て高次元で融合したモデルです。
そんなアウトバックも新車販売から5年経過し、中古車市場でもタマ数が多くなって選びやすくなりました。
BS系レガシィアウトバックの魅力とはいったいどんなところか?維持費や中古車相場も含めてご紹介します。
スバル・レガシィ アウトバックBS系とは
© SUBARU CORPORATION.
スバル・BS系レガシィアウトバックは2014年10月24日にレガシィB4と同時に発売されました。
従来のレガシィにはツーリングワゴンが存在していましたが、レヴォーグがレガシィツーリングワゴンの後継的なモデルになったため、BS系レガシィからツーリングワゴンが廃止され、ワゴンタイプはアウトバックのみとなりました。
アウトバックはレガシィツーリングワゴンを車高アップさせたSUVカテゴリーに相当しますが、スバルのSUVフラグシップモデルにはフォレスターが販売されているため、アウトバックとフォレスターのどちらを選ぶか迷ってしまいます。
簡単にいえばフォレスターはSUV専用モデル、一方でアウトバックはレガシィをベースにしたSUV仕様のモデルです。
フレームやエンジンなど共有する部分は多数ありますが、よりSUVらしいデザインやセッティングがなされているのがフォレスター、アウトバックはフォレスターよりも、どちらかといえば街乗りや高速道路走行などロードゴーイングカーとしてのセッティングがなされています。
左:X-BREAK、中央:B-SPORT、右:Limited / © SUBARU CORPORATION.
BS系アウトバックの現行型のグレードは、スポーティーモデルの『B-SPORT』、上質な高いクオリティの装備を充実させた『Limited』、アウトドアシーンでの装備を充実させた『X-BREAK』が設定されています。
スバル・レガシィ アウトバックBS系の年次変更点
アウトバックは、エンジンに2.5リッター水平対向4気筒DOHCエンジン、トランスミッションにリアトロニックCVTを搭載し、駆動方式はスバル独自のシンメトリカルAWDを採用しています。
安全性能には、予防安全にアイサイトver.3や衝突時に乗員を守るエアバッグを運転席&助手席SRSエアバッグを含めた合計7つのエアバッグを装備していました。
BS系アウトバック登場時のグレードは、ベースグレードとLimitedの2モデルが用意されていました。
初回改良【2015年9月10日】
新規追加された機能は、以下の4つです。
■スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援機能)
・死角検知機能(BSD:Blind Spot Detection) 自車斜め後方の車両をレーダーで検知して、ドアミラーに付いているLEDランプを点灯または点滅させドライバーに注意を促します。
・車線変更支援(LCA:Lane Change Assist) 走行車線の隣車線を後方から急接近してくる車両をレーダーで検知して、ドアミラーに付いているLEDランプでドライバーに注意を促します。
・後退時支援(RCTA:Rear Cross Traffic Alert) 後退時に左右から接近してくる車両をレーダーで検知し、衝突の危険性があると判断した場合にドライバーにドアミラーに付いているLEDランプを点滅かつ警報音を発します。
■ハイビームアシスト(自動防眩インナーミラー付)
・ルームミラー一体型の単眼カメラを新採用し、ヘッドランプのハイビームとロービームを自動で切り替えます。自動防眩インナーミラーにより、後続車のヘッドランプなど、強い光をセンサーで検知して自動的に反射率を切り替えて眩しさを抑えることで、夜間のドライブでの安全性を高めます。
・死角検知機能(BSD:Blind Spot Detection) 自車斜め後方の車両をレーダーで検知して、ドアミラーに付いているLEDランプを点灯または点滅させドライバーに注意を促します。
・車線変更支援(LCA:Lane Change Assist) 走行車線の隣車線を後方から急接近してくる車両をレーダーで検知して、ドアミラーに付いているLEDランプでドライバーに注意を促します。
・後退時支援(RCTA:Rear Cross Traffic Alert) 後退時に左右から接近してくる車両をレーダーで検知し、衝突の危険性があると判断した場合にドライバーにドアミラーに付いているLEDランプを点滅かつ警報音を発します。
■ハイビームアシスト(自動防眩インナーミラー付)
・ルームミラー一体型の単眼カメラを新採用し、ヘッドランプのハイビームとロービームを自動で切り替えます。自動防眩インナーミラーにより、後続車のヘッドランプなど、強い光をセンサーで検知して自動的に反射率を切り替えて眩しさを抑えることで、夜間のドライブでの安全性を高めます。
このほか、Limitedにアイボリー内装を追加と、ナビシステムをSiri対応にして音声認識機能を追加しました。
2度目改良【2016年9月8日】
外装の変更はありませんが、新ボディカラーにオークブラウン・パールが追加されました。
大幅改良【2017年9月4日】
2017年9月4日に事実上のマイナーチェンジにあたる大幅改良が実施されました。
安全性能は、アイサイトに後退時自動ブレーキと全車速追従付クルーズコントロール車速域を0km/hから約120km/hまで拡大。
アイサイトセイフティプラスにフロント&サイドビューモニターとアダプティブドライビングビームを追加。
これにステアリング連動ヘッドランプとリアビューカメラにステアリング連動ガイド線機能を追加されました。
走行性能は、サスペンション、電動パワステ、ブレーキブースター特性を改良。
ブレーキ部品軽量化、フリクション低減、エンジン制御の最適化やトランスミッションのマニュアルモード時7速変速が採用されました。
外装はダンパーやグリル、ホイール、LEDヘッドランプ類を新デザインに意匠変更し、内装もインパネのデザイン変更や新型8インチビルトインナビが採用されました。
3度目改良【2018年9月10日】
アイサイトの認識対象が車両と同一方向に進行する歩行者や自転車だった場合に、減速制御の作動タイミングを早期化。
低速走行中の踏み間違いでアクセルを踏み込んでしまったときにはプリクラクションブレーキが作動する設定にされました。
スバル60周年特別記念車にX-BREAK(X-ブレイク)が追加となりました。
4度目改良【2019年11月8日】
4輪の駆動力やブレーキを適切にコントロールするX-MODEでは、雪道や砂利道などを走行するときに使用する『SNOW・DIRT』と、深雪やぬかるみにタイヤがはまったときに使用する『DEEP SNOW・MUD』が選択可能になりました。
スバル・レガシィ アウトバックBS系のおすすめポイント1:高いレベルの安全性能を保証するアイサイト
アウトバックに搭載される運転支援システム・アイサイトは、世界トップレベルの安全性を約束してくれます。
アイサイトは、衝突回避の支援、運転負担の軽減、安全運転の支援、視界の拡張、これら4つを実現させるため、ステレオカメラやレーダー、そして車体の至るセンサーを装備し、事故を起こさず、ドライバーが快適に運転できるように設計されています。
なかでもクルーズコントロールは全速度域に対応するため、渋滞時のアクセル・ブレーキ操作を自動で行ってくれ、走行時に車線中央を維持するためのステアリングアシスト機能もあるため、高速道路や自動車専用道でのドライビングは非常に楽になりました。
スバル・レガシィ アウトバックBS系のおすすめポイント2:高価な装備がほとんど標準装備
アウトバックは3つのグレードどれも内装の装備が非常に充実しています。
本革ステアリングホイール、本革シフトレバー、革シートは全グレードに装備され、機能面ではフルオートエアコン、大型マルチインフォメーションディスプレイ付メーター、防犯面ではイモビライザー、盗難警告アラート、キーレスアクセス&プッシュスタート、これらすべてが全グレードに標準装備。
さらにシートヒーターやパワーシート、左右独立温度調整機能付フルオートエアコンも付いていて、そんなにオプション装備を追加しなくても満足いく充実です。
スバル・レガシィ アウトバックBS系のおすすめポイント3:本格オフローダーに相当するX-BREAK
2018年9月に特別仕様車として登場したX-ブレイクは、今ではレギュラーモデルとして販売されます。
X-ブレイクは『シーンを選ばずに幅広いフィールドで活躍できるアクティブな道具』をコンセプトに、B-SPORTやLimitedと異なり、郊外でのアウトドアやスポーツといったアクティビティに沿った機能とデザインを集約しています。
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内装には濡れた服で座ってもシミにならない、撥水ファブリックと合成皮革を組み合わせた専用シートを装備し、センタートレイ、ドア・プルハンドル、マルチインフォメーションディスプレイ付メーターに専用の照明を付けています。
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外装は専用デザインのエアロパーツや18インチホイールなど、X-ブレイクのオリジナリティを強調し、屋根にはルーフボックスを取り付けるのに便利なルーフレールが装備されます。
すべてアウトドアやスポーツギアのファッション性や機能性を融合させています。
本格オフローダーと肩を並べるほど力強いスタイルと、使い勝手の良さがウリのモデルです。
スバル・レガシィ アウトバックBS系の維持費
車検代
都内のスバルディーラーに依頼する場合、価格は109,780円です。
レガシィ アウトバックBS系の車検費用概算 | |
---|---|
自動車重量税(円) | 32,800 |
自賠責保険(円) | 21,550 |
印紙代(円) | 1,200(指定工場) |
車検更新手数料(円) | 8,800 |
検査更新手数料(円) | 8,800 |
車検整備(円) | 26,510 |
シビアコンディション(円) | 1,320 |
スチームクリーニング(円) | 8,800 |
合計(円) | 109,780 |
ここで示した車検費用は故障個所の修理や部品代、消耗品交換がない最低ラインの金額のため、実際はこれにメンテナンス費や部品代や技術料が加わります。
また、この金額は基準として見ていただき、実際の価格に多少差が生じることに注意していただきたいです。
ガソリン代
レガシィ アウトバックBS系の年間ガソリン代 | |
---|---|
リッターあたりガソリン価格(円)【使用燃料】 | 118【レギュラー】 |
実燃費(km/L) | 11.11 |
年間ガソリン代(円) | 106,210 |
ガソリン価格:2020年6月5日時点の全国平均価格
なお、紹介する実燃費はモタガレが示した値のため、実際には乗り方や使用場面によって実燃費が異なり、リッターあたりのガソリン価格も変化するため、年間ガソリン価格が多少異なってきます。
自動車保険料
年齢:30歳以上
等級:12等級
年間走行距離:11,000km
免許の色:ゴールド
運転者限定:家族限定
運転者の年齢制限:30歳以上
保証:対物対人無制限
車両保険:つける
なお、大まかな見積もりなので、実際には保険加入すると多少の違いが出てきます。
合計
レガシィ アウトバックBS系の年間ガソリン代 | |
---|---|
自動車税(円) | 45,000 |
車検費用(円)※2年車検を1年分に換算 | 54,890 |
ガソリン代(円) | 106,210 |
自動車保険代(円) | 84,500 |
合計(円) | 290,600 |
おおまかな見積もりになるため、実際はこの金額から前後すると思われますが、年間維持費は30万円ぐらいを見とくべきでしょう。
スバル・レガシィ アウトバックBS系の中古車相場価格
年式別レガシィアウトバックBS系中古車相場価格 | |
---|---|
2014年 | 108.9~220万円 |
2015年 | 112.8~259.6万円 |
2016年 | 139.8~286万円 |
2017年 | 148~308万円 |
2018年 | 188.8~319万円 |
2019年 | 239.9~379.8万円 |
走行距離別レガシィアウトバックBS系中古車相場価格 | |
---|---|
0~3万キロ | 136.8~379.8万円 |
3~5万キロ | 145.9~319万円 |
5~10万キロ | 108.9~273.9万円 |
10~15万キロ | 111.8~146万円 |
アウトバックは毎年何かしらの改良が行われ、中でもアイサイトの性能アップが何度も行われています。
より性能アップを求めるなら、できるだけ新しいモデルを買いたいって思ってしまいますが、BS系アウトバックは現行カタログモデルであるため、中古車でもそれなりの金額を用意しなければなりません。
特に大幅改良された2018年モデル以降は台数も少なくて、中古車販売でも200万円以上は見とかなければならないため、いっそのこと新車購入が候補に挙がるでしょう。
対照的に、2014年と2015年モデルは最もタマ数が多く、2020年は2回目の継続車検の時期にあたるため、相場価格がかなり安くなります。
BS系アウトバックをより安く購入するなら、2014年か2015年モデルで車検切れまたは車検整備付きのものが狙いめ。
大幅改良以降の後期型だと最低でも200万円弱は用意すべきで、中でも安全性を重視したい方または特別仕様車のX-ブレイクが欲しい方は、250万円以上はするので新車購入と比較して購入を考えてみるべきです。
スバル・レガシィ アウトバックBS系のスペック
レガシーアウトバック Limitedガソリン車 | |
---|---|
車両型式 | DBA-BS9 |
駆動方式 | 4WD |
全長×全幅×全高(mm) | 4,820×1,840×1,605 |
ホイールベース(mm) | 2,745 |
最低地上高(mm) | 200 |
乗車定員(名) | 5 |
車両重量(kg) | 1,580 |
エンジン型式 | FB25 |
エンジン種類 | 水平対向4気筒DOHC16バルブ |
総排気量(L) | 2.498 |
内径×行程(cm) | 94.0×90.0 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 129[175]/5,800 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 235[24.0]/4,000 |
タンク容量(L) | 60 |
JC08モード燃費値(km/L) | 14.8 |
まとめ
アウトバックはSUVというより、SUVらしいツーリングワゴンという表現が適当かもしれません。
やはりスバルのSUVにはフォレスターがあるため、フォレスターの活躍の場がクロスカントリーカーなら、アウトバックはグランドツーリングカーです。
ベースにレガシィがあるため、車高の低いステーションワゴンをリフトアップした仕様という見方もできますが、悪路で高い走破性を発揮するX-MODEとAWDの組み合わせから市街地走行、高速クルーズ、そして悪路走行もこなすマルチプレイヤーなため、"クロスオーバーSUV"という言葉がピッタリです。
ボディはツーリングワゴンから継承させる、のびやかでスタイリッシュなデザイン、内装の高級セダン並みの上質感はレガシィがベースにあるからこそ実現され、それでいて砂道、泥道、雪道でも高い走破性をもっているため、ロードカーとオフロードカーのすべてのイイとこ取りしているあたりは、フォレスターと異なる部分。
スバルはこういったところにやたら強いメーカーですが、その凄みをとても実感できるのがBS系レガシィアウトバックです。