フロントガラスの汚れをとるために必要な『ウィンドウォッシャー液』は、視界を確保するためには欠かせない存在です。
ウォッシャー液は、ただの水とは違い、油汚れを落とせたり、凍りにくかったりと様々な性能が求められているのです。
ウィンドウォッシャー液とは
ウィンドウォッシャー液は、フロントガラスの汚れを落とすための洗浄液です。
ワイパーはガラスについた雨粒や汚れなどを拭き取るためのパーツですが、ウォッシャー液はこの働きを補助し、乾燥時でもワイパーの拭き取り効果を格段にアップさせてくれます。
そんなウィンドウォッシャー液のおもな成分は、洗剤にも使用されている界面活性剤。
界面活性剤には油を分解する作用があり、この働きによってウォッシャー液は、フロントガラスについた油汚れを洗い落とすことができるのです。
また、ウォッシャー液にはエタノールが含まれているので、凍りにくい性質もあり、冬の豪雪時にも役立ってくれます。
タンクに水を入れるとどうなるの?
ウォッシャー液はガラスの「洗浄」が主な役割なので、単に埃を落とすだけなら水でも代用可能です。
また、水はワイパーの拭き取り補助効果も期待でき、仮に水が車体へ飛び散ったとしても、ウォッシャー液と比べて跡が残りにくいので、こちらを好んで使っている人もいるでしょう。
しかし、水で全ての汚れを落とせるのであれば、購入時にウォッシャー液がタンク内に入っていることはありません。
水では油汚れを落とすことができない上に、寒冷地だと凍ってしまうなどのトラブルが発生してしまうのです。
また水道水には塩素が含まれているので、長時間放置しておくことで腐敗しカビが生えるなど、タンク内の配管が詰まってしまうことも。
ミネラルウォーターも同様で、水分中に含まれている鉱物類の影響で、水道水よりも酷いことになってしまいます。
そのため、タンク内に水を入れる事はあまりオススメできません。
もし車にウォッシャー液の跡を残したくないのなら、防腐成分が入った水で薄めて使うのがいいでしょう。
ほかの液体を入れるとどうなるの?
前述した通り、ウォッシャー液の代わりに水を入れることは、タンク内で腐敗したり、配管が詰まったりとさまざまなリスクがあります。
では、ほかの液体を入れるとどうなるのでしょうか?
ウォッシャー液には油分を分解するための、界面活性剤が入っています。
これは洗剤にも含まれている成分なので、「ウォッシャー液の代わりに液体洗剤を入れてしまおう!」と思い、そのままタンクに詰め込んでも、やはりアウト。
洗剤はそのまま入れると泡立ってしまう上に、粘度が高くてウォッシャーモーターに余計な負荷を掛けてしまうので、そのまま使用する事はおすすめできません。
では、水で薄めた場合はどうかと言うと、使えることは使えますが、洗剤がガラスに残ってしまった場合は、乾燥後に白っぽい粉状になってしまうので、使用後は必ず洗い流す必要がでてきてしまいます。
豪雪時にはウォッシャー液が最も必要になる
代用品ではなく、ウォッシャー液でなければならない理由。
それが顕著に表れるのが、冬の豪雪時です。
豪雪時はフロントガラスに雪が付着し、拭き取ろうとしても簡単には拭き取れません。
それどころか、そのまま固まってしまうと、車内からヒーターを当てても凍りついた雪には効果はないのです。
そうなると、雪はどんどんフロントガラスに積もっては固まっていき、最終的には視界がふさがって運転どころではなくなってしまいます。
そんなときに氷を溶かす成分が含まれたウォッシャー液があれば、ワイパーの除雪効果をアップさせてくれるだけではなく、融雪効果を発揮して視界の悪化を防いでくれるのです。
また解氷仕様のウォッシャー液には、フロントガラスへの撥水効果のある添加剤が含まれていることも多いので、降雪が予想されるときにこれを噴射しておけば、ガラス表面への雪の付着を防ぐことも可能となります。
このようにウィンドウォッシャー液には、ほかでは代替できない効果があるので、水道水や洗剤では代用できません。
ウォッシャー液を薄めて使うと、跡が残らない
普段からタンク内にウォッシャー液を入れるのは気が引ける、という人もいると思います。
ボディに付着したウォッシャー液が乾燥すると跡が残ってしまうので、それを避けるために使用を控えたいというのは分かります。
そんなときは、ウォッシャー液を水で薄めて使ってください。
そうすれば凍結防止効果も維持したまま、ボディに跡が残るリスクを減らすことができるので、おすすめです。
また希釈時はカビ防止のために、防腐成分が入った水を使うようにしてくださいね。
まとめ
ウォッシャー液には、単にガラスを洗浄するというだけではなく、油汚れの除去や寒冷地での凍結防止といった役割があり、周囲のコンディションにかかわらず安全運転を行うためには、欠かせないものだと言えます。
水や洗剤で代用しようとすれば、配管が詰まったり費用が高かったりと、ウォッシャー液を使うよりも負担が増す可能性大。
費用も安価なので、水道水や洗剤で代用せず、ウィンドウォッシャー液を使うようにしてくださいね。