センチュリーよりこっちが好き。三菱ディグニティは今乗ったらオシャレかも。

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今やセダンを完全廃止してしまった三菱自動車ですが、かつてはフラッグシップモデルのデボネアや、3リッターセダンブームを起こしたディアマンテなど、大型セダンをラインナップしていました。



最高級車ともなると需要は非常に限られますが、それでも三菱は販売継続の努力をし続けたのです。



そんな三菱自動車最後のフラッグシップセダンが初代 / 2代目のディグニティでした。

生産台数59台の珠玉!三菱が開発・生産した最後の最高級車、初代ディグニティ

三菱ディグニティ 初代三菱 ディグニティ / COPYRIGHT© TOYOTA MOTOR CORPORATION. All Rights Reserved.

1964年に発売された初代デボネア以来、三菱は小規模ながら高級セダンの販売を続けてきました。

ただし、トヨタや日産の高級車に比べて需要は限られていたため、後継車の開発は難航を極めていました。

そんな最中、1988年のソウルオリンピックまでにフラッグシップモデル『グレンジャー』をラインナップしたかった韓国のヒュンダイが、三菱に高級セダンの共同開発を求めてきたのです。

おかげで三菱も2代目デボネア(デボネアV / 初代ヒュンダイ・グレンジャー)と3代目デボネア(2代目ヒュンダイ・グレンジャー)で高級セダン開発の継続が可能になりました。

三菱とヒュンダイの提携はその後も続き、3代目デボネア / 2代目ヒュンダイ グレンジャーの後継として開発され、両社ともに車名を一新したのが、初代三菱 プラウディア / 初代ヒュンダイ・エクウスです。

また、三菱ではプラウディアをトヨタ・セルシオや日産 シーマと同等の高級セダンとしていましたが、さらにその上のセンチュリークラスを狙ったストレッチリムジン版として開発されたのが、初代ディグニティでした。

しかし当時の三菱自動車に対して非常に厳しい視線を向けられた社会情勢もあり、同車の生産台数は1999年から2001年までにわずか59台生産されたのみ。

販売期間は2000年2月~2001年7月の1年半足らずに留まり、三菱独自生産の最高級車としては最後のモデルとなっています。
 

4.5リッターV8エンジン搭載の当時国産最大FF車は、車内長も随一!

三菱ディグニティ 初代三菱 ディグニティ / COPYRIGHT© TOYOTA MOTOR CORPORATION. All Rights Reserved.

初代ディグニティはプラウディアの中でも4.5リッターV8エンジン搭載グレードをベースに、全長を285mm、ホイールベースを250mm延長し、全幅は同様のストレッチリムジン版で、外観上は非常に太いBピラーが特徴的なほかは、ほぼプラウディアと共通。

そして初代ヒュンダイ・エクウスのリムジン版ともほぼ共通でしたが、ドアミラーのエクウスとは異なり、センチュリーなどと同じく公用車で採用の続いていたフェンダーミラー仕様の印象が強い車でした(もちろんドアミラー仕様もあり)。

また、4.5リッターDOHC V8エンジンはプラウディアともども異例の大きさで、排気量の面では1997年に登場した2代目トヨタ・センチュリー(5リッターV12)に次ぎ、3~4代目日産 プレジデントに並ぶ立派なモノでした。

しかしながら、同車ではこのエンジンを横置きに搭載するFF車としてしまい、高級車ユーザーにとってはあまり魅力的とは言えませんでした。

それでも室内長2,320mmは、2代目センチュリー(2,045mm)や3代目プレジデント(2,080mm)、後のレクサスLS600hL(2,245mm)すらしのぎ、当時の国産最高級セダン随一を誇ったのです。

さすがに室内幅ばかりは一般的な高級セダンのプラウディアがベースなだけあってセンチュリーほどではありませんでしたが、豪華内装を合わせた車内のゆとりは、999万円という価格に見合ったもので、皇族の秋篠宮家公用車としての採用も話題になりました。
 

日産からOEM供給を受けた2代目ディグニティ

2代目三菱ディグニティ 2代目三菱 ディグニティ / COPYRIGHT© TOYOTA MOTOR CORPORATION. All Rights Reserved.

しばらく後継車も無かったディグニティですが、2012年7月に日産 フーガが2代目三菱 プラウディアとしてOEM供給されるのに伴い、その上級車種シーマもOEM供給を受けて2代目ディグニティとして11年ぶりに復活。

しかしプラウディアともども車格は1ランク落ち、かつて初代プラウディアが相当車種としていたシーマの兄弟車となりますが、シーマ同様フーガのストレッチ版&ハイブリッド専用車で、シーマとは異なるデザインの縦基調フロントグリルに三菱マークを堂々と輝かせています。

そして2017年1月に販売終了するまで、おそらくは三菱グループおよび、関係の深い企業向け公用車としての用途が多かったと思われますが、初代同様秋篠宮家の公用車として使われる姿も見られました。

その後シーマのOEM供給が終了したことで、2015年3月のギャランフォルティス、2016年4月のランサーエボリューション・ファイナルエディションに続き、日本国内での三菱製セダンの販売は全て終了したのです。
 

主なスペック

三菱ディグニティ 初代三菱 ディグニティ / COPYRIGHT© TOYOTA MOTOR CORPORATION. All Rights Reserved.

三菱 S43A ディグニティ 2000年式

全長×全幅×全高(mm):5,335×1,870×1,485

ホイールベース(mm):3,080

車両重量(kg):2,150

エンジン仕様・型式:8A80 水冷V型8気筒DOHC32バルブ GDI

総排気量(cc):4,498

最高出力:206kw(280ps)/5,000rpm

最大トルク:412N・m(42.0kgm)/4,000rpm

トランスミッション:5AT

駆動方式:FF

まとめ

三菱ディグニティ 初代三菱 ディグニティ / 出典:https://www.mitsubishi-motors.com/jp/innovation/history/year/2000/00_2.html

初代ディグニティだけでなく、プラウディアや2代目以降のデボネアなど、ヒュンダイなくしては存在しなかった車種でしょう。

とはいえ、その設計・生産したのは三菱で、それもセンチュリーやプレジデントと肩を並べる立派な同社最後の最高級車でした。

登場したタイミングがあまりにも悪く、三菱自動車のブランドが地に落ちていた時代だったので短命に終わるのも致し方ないところでした。

しかし、もしそのような事態が無ければエクウス同様2009年頃まで販売が続けれられ、もう少し街で見かける車になったかもしれません。

現実には、販売末期の2001年には生産台数わずか2台とかなり寂しい状況で、いろいろな意味で変化を余儀なくされる三菱自動車を象徴するようなモデルでもありました。

日産からのOEM供給で2代目も販売されましたが、現在の三菱自動車は今でも三菱グループに名を連ねているとはいえ、ルノー・日産・三菱連合となってからディグニティのOEM供給が止まったこともあり、2代目ディグニティが三菱最後の最高級セダンとなる可能性は否定できないのです。
 

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