三菱がSUVの四駆車に強いメーカーというのは周知の事実です。
そのなかでもトールワゴンに三菱独自の4×4システムを搭載した2代目RVR(N6#W/7#W型)は、特に人気の高いモデルでした。
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三菱・2代目RVR(N6#W/7#W型)とは
RVRは、三菱が1991年に生産を開始したSUVです。
現行モデルはスタイリッシュなクロスオーバーSUVですが、初代モデルと今回ご紹介する2代目モデルは、トールワゴンのようなスタイルでした。
そんな、トールワゴン+SUVを組み合わせた、現行モデルにはない存在。
SUVを念頭に、車高を高くしてVCU付センターデフ方式フルタイム4WDシステムを採用するなど、悪路での走破性に優位なセッティングが施されています。
スタイルもアウトドア志向のクルマとして、大自然を駆け抜けるアクティブな雰囲気と、力強い未来感覚の洗練されたフォルムで、そのスタイリッシュさからシティユースにも使えるデザインです。
三菱・2代目RVR(N6#W/7#W型)の年次変更点
2代目RVRはミニバン風ルックの『GDI RVR』、3ナンバーでクロスオーバーSUVの『RVR スポーツギア』が設定されました。
パワートレインは1.8リッターの4G93型エンジン(GDI)、2.0リッターターボの4G63型エンジン(スポーツギア)、2.3リッターの4G64型エンジン(スポーツギア)の3種類が採用されています。
グレードは1.8リッターエンジン搭載の『X』、『X2』、『X2タイプS』で、駆動方式をFと4WD、乗車定員は4人または5人、2.0リッターターボエンジン搭載の『スポーツギアX3』は、4WDで4人乗り、2.3リッターエンジン搭載の『スポーツギアX』、『スポーツギアX2』は4WDで4人乗りが設定されました。
発売からマイナーチェンジまで、いくつか新グレードが追加されており、専用メッキフロントグリルや電動格納式ドアミラー、ドアハンドルが装備された『Xリミテッド』、『X2リミテッド』、専用シート生地、木目調センターパネル、マルチモードキーレスエントリー、アルミホイールが装備された最上級グレード『スーパーエクシード』がラインナップされています。
©️ Mitsubishi Motors Corporation.
また、フィッシングツールを収納できるラゲッジボックスや、ロッドケースを装備して、フィッシングに特化した『フィッシングギア』という、ユニークなグレードも販売されました。
1999年10月4日【マイナーチェンジ】
©️ Mitsubishi Motors Corporation.
発売から2年後にマイナーチェンジが行われ、スポーツグレードは外装を若者志向の強いエアロタイプに変更した、『スポーツギア エアロ』もラインナップされました。
他のグレードもフロントバンパー、グリル、テールゲートガーニッシュのデザインを意匠変更し、ファッショナブルで上質なデザインに進化。
内装はシート生地を感触の良い上質な生地へ改良したり、運転席センターアームレストが追加され、スーパーエクシードには、合成革巻4本ステアリングホイールの形状が変更されています。
三菱・RVR N6#W/7#W型のおすすめポイント1:パワーと低燃費を両立させたGDIエンジン
GDl RVRにはギャラン、レグナムに搭載されていた1.8リッターGDIエンジンが搭載されます。
最高出力140PS/最大トルク18.5kgmを発揮し、燃費は13.8km/L、実燃費でも8.63km/Lとパワー・低燃費を両立させ、当時としてはミドルSUVクラストップの低燃費を誇っていました。
三菱・2台目RVR(N6#W/7#W型)のおすすめポイント2:ランエボにも搭載された名機4G63エンジンを搭載
スポーツギアX3には、ランサーエボリューションに搭載されていた4G63型エンジンが採用されました。
パワーはランエボの280PSから30PSダウンの150PSにデチューンされていますが、最大トルクは35.0kgと、かなりトルクフルです。
しかもスペースギアX3のみ5速MTが設定されているため、マニュアルフリークには嬉しい仕様となっています。
三菱・2台目RVR(N6#W/7#W型)のおすすめポイント3:マニュアル感覚で操作可能な
搭載されるATは、三菱独自の『INVECS-Ⅱスポーツモード4AT』。
効率的稼働を目指し、コンピュータにより運転者の癖を記憶する、学習制御と最適制御が搭載されています。
さらに、シフトパターンに『スポーツモード』と呼ばれるシーケンシャルシフトが採用されており、マニュアルトランスミッションのようにギアを操作することも能。
低いギアで急激な坂道や凹凸の激しい悪路を突破したいときに有効な、トランスミッションです。
三菱・2台目RVR(N6#W/7#W型)のおすすめポイント4:乗降りしやすいスライドドア
2代目RVRには、このクラスのなかでは当時として珍しいリアスライドドアが採用されています。
この仕組みにより開口部が広くなることで、後部座席への乗り降りがしやすく、狭い場所でドアを開ける際もドアを全開にすることが可能です。
さらに、スライドドアが半ドア状態であっても自動的に閉めてくれるアクティブパワーロックが採用されていたため、半ドアの心配やドアを強く閉めた際の車内に残る不快音も解消されました。
三菱・2台目RVR(N6#W/7#W型)のおすすめポイント5:多彩な機能で使い勝手が良い
2代目RVRの室内はトールワゴンというだけのことはあり、SUVの中でも比較的広く、特に室内高が高く確保される効果で非常に快適です。
シフトノブはインパネシフトが採用されており、運転席と助手席の間に空間をもたせたウォークスルーとなっているので、前席から後席への移動で外に出る必要はありません。
さらに後席は着座状態で300mm、チップアップした状態でさらに前方へ400mm、後方に450mmの合計1,150mmというロングスライドが可能で、多彩なシートアレンジを実現しています。
まとめ
2代目RVRが新車販売されていた当時、先進の環境エンジンGDIや当時としては革新的だったINVECS-Ⅱスポーツモード4ATが搭載されていながら、新車価格は200万円弱だったため、バリュー・フォー・マネーが優れたモデルとして注目されました。
トヨタ ルーミー/タンクやスズキ ソリオなどの小型トールワゴンモデルが売れに売れている現在、トールワゴンとSUVを融合し、コスパの高い2代目RVRが発売されれば、大ヒットしていたかもしれません。
現行型のRVRは全世界で高く支持されていますが、2代目モデルも魅力的な1台でした。