エンジンオイルへ後入れの形で配合するエンジンオイル添加剤は、現在でもカー用品店やホームセンターのカー用品コーナーでさまざまな製品が販売されていますが、中でも評価が高い添加剤のひとつが今回紹介する「モーターアップ」です。
過去には、日本人から見るとバラエティ番組じみたオーバーアクションによる通販コーナーなど、過大広告の是正を求められて評価を落とした時期もありましたが、その間も使い続けたユーザーには、長年愛されているモーターアップ。
今回はそのポイントとメリット&デメリット、オススメしたいユーザー像を紹介します。
1995年発売以来のベストセラー添加剤
©モーターアップ
モーターアップとは、簡潔に言えば「ミクロ単位のタングステンが金属表面をコーティングする、エンジンオイル添加剤」です。
それによって耐摩擦性能を大幅に向上させ、低温時のエンジン始動性改善、エンジンオイルの劣化防止効果があるとされ、4サイクルエンジンであれば、ガソリンエンジンでもディーゼルエンジンでも、自動車用エンジンに限らず使えます。
1995年にアメリカで発売、日本でも1997年から販売されているため、「長年愛用してるよ!」というユーザーも多いと思いますが、今回初めて知ったという方は、輸入代理店(JSM Tokyo株式会社)の「モーターアップ」公式サイトも参照してみてください
故障時のエンジン修理費保証つきも新登場!現在のラインナップは5製品
©モーターアップ
モーターアップはベーシックな「モーターアップ2.0エンジントリートメント」、軽自動車向け「モーターアップ2.0スモールカーフォーミュラ」、多走行車向け「モーターアップリセット」の従来3製品に加え、2つの新製品が登場しています。
それが「モーターアップReboot」で、日本車の自家用車のみ、業務用1・4・8ナンバー車や輸入車(海外からの逆輸入日本車を含む)や違法改造車は対象外で、衝突や事故、オイル漏れは保証対象外となるものの、エンジン故障時の修理費保証がついてきます!
製品の違いは保証する修理費で、「モーターアップReboot White」が最大500,000円、
「モーターアップReboot Brack」が最大300,000円です(保証部品は公式サイトを参照してください)。
その効果はいかに?!メリットとデメリット
©モーターアップ
細かい歴史や製品内容より、まずはどんな効果(メリット)が得られて、デメリットとして把握しておかないといけない部分の方が、皆さんは気になると思いますので、以下にメリットとデメリットについてまとめました。
もちろん最新のBEV(外部からバッテリーに充電した電力のみで走る電気自動車)には使いません。
しかし、昔ながらのエンジンだけで走る車以外に、PHV(プラグインハイブリッド車)やレンジエクステンダーEV(BEVのバッテリーが上がった場合のみ始動する補助発電機を搭載した車)、HV(通常のハイブリッド車)など、「電動車」が多数あります。
しかも、エンジンとモーターを併用する電動車は今後しばらくは生産・販売されますし、中古車として買われたり、旧車として乗られる車もあるでしょう。
そうした車に合わせたメリット・デメリットも準備しましたので、必見です!
モーターアップのメリット
- ・旧車、シビアコンディションで多用された車、過走行車、メンテナンス履歴や過去の使用状況が不明な中古車で、劣化したエンジンの振動や騒音(メカニカルノイズ)の低減と燃費の回復。
- ・吹け上がりが鈍くなった、トルク感が薄くなり、なんとなく元気がないと思うエンジン、特に元から低トルクの小排気量自然吸気エンジンで、新車時を思い出させる滑らかさとトルクアップの体感。
- ・モーター走行が静かなため、発電や走行のために始動したエンジンの騒音や振動が普通のエンジン車以上に気になってしまうハイブリッド車で、静粛性など快適性の向上。
- ・エンジン内部の摩擦増加を原因とした燃費悪化の回復や、オーバーヒートの抑制。
- ・新車時からの使用による、コンディション維持(ただし、効果持続が確認されている約1万kmごとにオイルと一緒に交換すること)
- ・4サイクルエンジンであれば自動車以外にも使用可能で、農機や除雪機などの汎用エンジンや、発電機など、騒音や振動への配慮が少ないか、皆無なエンジンほど向いている。
モーターアップのデメリット
- ・エンジンの抵抗を利用するエンジンブレーキは、効きが弱くなる傾向がある。
- ・エンジン内部の摩擦増加を原因としない、別な部分の劣化が原因の騒音や振動、水温上昇、燃費悪化には当然効果がないため、期待通りの体感ができるとは限らない。
- ・可能ならエンジンオイル交換ごと、最低でも1万kmに1度はエンジンオイルとともに交換が求められており、効果が持続している2回目以降はコストに見合った体感が得にくい(ただし、問題が生じていない限り体感が得られないのは正常)。
- ・必要な添加剤が最初から配合された高性能な100%化学合成オイルを使い、少なくともメーカーが推奨する頻度で交換するなど手厚いメンテナンスが施され、組み立て精度の高い近年の高性能車では、経年劣化による症状が出ていない限り、体感効果は非常に薄い。
モーターアップはどんな車に向いている?
ひと通り解説したメリット&デメリットに沿って、「このような車のユーザーがモーターアップに向いている」という、モーターアップ向きの車を紹介します。
なお、基本的にはある程度の走行距離や生産からの年数を経た車を前提としていますが、比較的新しい車の場合も、「コンディション維持のための予防整備」と解釈してください。
【モーターアップREBOOT BLACK/WHITE/2.0】
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- ・再始動時の騒音や振動が気になるため、モードOFFにされがちなアイドリングストップ車
- ・エンジンを使わずモーターのみで走るEV走行モードがある、ハイブリッド車
- ・ハイブリッド車の中でも全てモーターのみで走るため、高速巡航時に高回転を維持する発電用エンジンの音が気になるシリーズ式ハイブリッド車(日産のe-POWER、ダイハツのスマートハイブリッドなど)
- ・新車時から長期的にコンディションを維持するべく予防整備しておきたい車
【モーターアップ2.0エンジントリートメント】
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- ・海外からの逆輸入日本車を含む輸入車(「モーターアップReboot保証」が対象外のため)
- ・(自動車以外の)汎用エンジンを搭載した機械や発電機
【モーターアップリセット(多走行車向け)】
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- ・旧車(ただし、4サイクルエンジン車)
- ・旧車までいかないが、プラグやオイルの交換でエンジンの振動や騒音、吹け上がりの悪さやトルク感の低下、燃費悪化が改善されない車
- ・エンジンマウントを前回いつ交換したのかも不明な、低年式過走行中古車
- ・高回転域のメカニカルノイズが特徴ま比較的古いエンジン(トヨタの3S-Gなど)の車
- ・納車時期の見通しが立っていない新車へのつなぎで、大掛かりなメンテナンス費用抜きに少しでも快適性を向上させたい中古車。
【モーターアップ2.0スモールカーフォーミュラ(軽自動車向け)】
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- ・自然吸気エンジンの軽自動車など、小排気量でトルク感の薄さが気になり高回転域を多用する車
- ・2気筒や3気筒など、特性上どうしても振動や騒音が気になりやすいエンジンの車
モーターアップの使用方法と注意点
混ぜ物をしても大丈夫なのか…と考える人も多いと思いますが、高価な社外品から純正まで、エンジンオイルには何かしらの添加剤が配合されている事が多く、特に問題はありません。
他にも添加剤として販売されている製品は多く、モーターアップもそれらとの併用は問題ないとしつつも、「他の添加剤の効果が終わってから(エンジンを洗浄後)」の使用を推奨しています。
添加量はオイル量に対し3~5%を目安としており、普通乗用車(平均オイル量4~5L)なら240ml製品まるまる1本、軽自動車(同2.5~3L)なら半分くらいとしていますが、車種ごとでも異なりますので、説明書などがなく不明な場合はディーラーへ問い合わせましょう。
約1万km程度とされる効果の持続期間終了時に交換すると「1回目は体感できたけど、2回目はよくわからない。」という声も目にしますが、それで正解です。
モーターアップのメリットとデメリットを把握しつつ、使用に向いている車のユーザーや、過去にモーターアップを愛用していたユーザーは、積極的に検討してみてください!
今回紹介した商品
モーターアップ2.0 エンジントリートメント MU56
MOTOR UP
価格:2,970円(税、送料込み)