商用車「ハイエースバン」を基準に、商用車ベースながら乗用登録の4列シート10人乗り「ハイエースワゴン」/5列14人乗り「ハイエースコミューター」と多彩なラインナップを誇るフルキャブオーバー型1BOX車がトヨタ”ハイエース”です。
同ジャンル車の中では定評ある信頼性や使い勝手の良さから圧倒的な販売台数を誇り、ビジネスシーンをはじめあらゆる用途で大活躍する現行のH200系ハイエ-スをご紹介します。
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トヨタ・ハイエース(H200系)とは
1967年に初代モデルが登場して以降、扱いやすさと広大な車内スペースを武器に1BOXタイプ商用車の定番モデルとして、トヨタ”ハイエース”は法人/個人問わずあらゆるユーザーから愛され続けてきました。
特に2004年に発売してから16年がたった5代目H200系は、次期モデルの噂も現実味を帯びてきた現在においてもライバルを全く寄せ付けず、兄弟車レジアスエースを含めればバン、ワゴン合わせ約8万台もの販売台数を誇っており、日本の道を走ればハイエースを見ない日はありえないほどの人気車種です。
大まかに3種類あるH200系ハイエースは、さらに以下のように分類できます。
【ハイエースバン】
・ロング&標準幅&標準ルーフ(4ナンバー1列3人乗り、2列2/5人乗りまたは3/6人乗り、3列3/6/9人乗り)
・ロング&ワイド幅&ミドルルーフ(1ナンバー2列2/5人乗り)
・ロング&ワイド幅&ハイルーフ(1ナンバー2列3/6人乗り)
・スーパーロング&ワイド幅&ハイルーフ(1ナンバー2列2/5人乗りまたは3/6人乗り)
【ハイエースワゴン】
・ロング&ワイド幅&ミドルルーフ(3ナンバー4列10人乗り)
・スーパーロング&ワイド幅&ハイルーフ(4列10人乗り)
【ハイエースコミューター】
・スーパーロング&ワイド幅&ハイルーフ(2ナンバー5列14人乗り)
さらにフロア形状が標準化かジャストロー(後輪タイヤハウスのないワイド平床荷室)か、後席スライドドアが左右(5ドア)から左側のみ(4ドア)か、シート配列もワゴンは2種類(2-2-3-3か2-2-2-4)あるなど、ユーザーの細かい要望に応える多様なグレードをラインナップしているのも特徴です。
トヨタ・ハイエース(H200系)はどのような場面で活躍するクルマ?
広大な車内スペースを誇るハイエースは、バンとしては広大なラゲッジ(荷室)を使った荷物の運搬で、ワゴンとしては広々としたキャビン(乗車空間)を活かした多人数での移動からユッタリした空間の創出まで、あらゆるステージで大活躍できる車です。
グレードによっては多人数の移動と大荷物の運搬まで同時にこなす柔軟性によって、たとえば自転車やバイクとメンテナンス器材を搭載しつつスタッフまで乗せての移動、キャンプ用具などアウドドア器材を積んで家族で快適な移動も可能。
快適性を最重視する高級ミニバンとして使うならハイエースワゴン、「物と人を運ぶ」「物を運ぶ」への特化ならハイエースバンから最適なグレードを選べる上に、H200系ハイエースバンだけで3,000台以上の中古車が、あらゆる場面で活躍する機会を待っています。
トヨタ・ハイエース(H200系)のオススメグレード1:ハイエースバン3/6/9人乗り仕様
出典:https://toyota.jp/hiacevan/grade/grade2/
特に柔軟な使い勝手という意味でオススメなのは、ハイエースバン「DX」「DX”GLパッケージ”」のロング&標準幅&標準ルーフ&標準フロア仕様へ設定のある3列3/6/9人乗り仕様です。
商用車ゆえ快適性ではハイエースワゴンほどではないものの、ヘタなミニバン顔負けの9人乗ってなお荷室長1,480mm・荷室床幅1,120(リヤタイヤハウス以外は1,545mm)が確保され、高さ550mm×幅400mm×奥行250mm以内の一般的なスーツケースなら人数分が悠々載るため、旅行客などの短距離送迎には十分。
もちろん、人数を減らしてもっと荷物を載せたいという場合には1列3人乗りなら荷室長を2,435mmまで拡張できるため、「定尺」と呼ばれるパネル材もサブロク(3尺×6尺・910mm×1,820mm)なら悠々運べます(4尺×8尺・1,220mm×2,440mmの「シハチ」でも実寸が収まれば立ててギリギリ)。
シーズンや日によって用途が異なり、あらゆるシチュエーションへ対応させたいと考えているユーザーにはもっともオススメです。
トヨタ・ハイエース(H200系)のオススメグレード2:ハイエースワゴン グランドキャビン
定員10人へ乗降性も良好な最高の車内空間を提供できるグレードは、ハイエースワゴンの最高級グレード「グランドキャビン」です。
室内長こそ3,525mmと、同じワゴンの「GL」(同3,715mm)より190mmも劣りますが、2-2-3-3レイアウト(GLは2-2-2-4)のシートは4列目まで10人が快適に座れ、3列目と4列目は右2人、左1人がけシートの間にラゲッジまで続く通路でウォークスルーが確保されています。
スーパーロングボディのため全長はGLより540mmも長く、4列目シートを畳まなくとも確保されている荷室によって、10人乗りと人数分の荷物運搬の両立は容易です。
さらにハイルーフボディのため室内高は1,565mmとGLより175mmも高く、小柄な女性程度までは立って移動できるほどですから乗降性も良好で、乗車中の圧迫感も少ないのは大きなメリットと言えます。
トヨタ・ハイエース(H200系)のオススメグレード3:ハイエースワゴン GL
最大乗車人数のうち4人はあくまで補助的な「エマージェンシーシート」と割り切り、3列目までの6人が快適に座れれば十分と考えるならオススメはハイエースワゴンの「GL」です。
シートレイアウトは前述の「グランドキャビン」でも説明したとおりでGLだと2-2-2-4レイアウトですから、必要とあれば通常の6人までの乗車に加え、4人までのゲスト増加に対応可能であり、4列目の4人掛けシートが不要な時は左右に跳ね上げ、ラゲッジだけで一般的なスーツケースなら横にしても4個以上は入ります。
さらに、グランドキャビンでもメーカーオプションなのにGLでは1列目のインストルメントパネルへAC100V・100Wのアクセサリーコンセントが標準装備されており、ハイブリッド車やEVのAC100V・1500W対応コンセントとまではいかないものの、100W以下の家電製品が使えるのは大きなメリットです。
3列目まで2人がけとしているだけあって、4人分のドリンクホルダーやテーブルがついたリヤクォーターコンソールが配置されているほど通路も広く、4列目を畳んでラゲッジにしている場合のアクセスも容易となっています。
汎用ISOFIXチャイルドシートの固定専用バー+トップテザーアンカーが取り付けられているのも、GLでは2・3列目の右側シート(グランドキャビンやDXでは3・4列目左側)なので、右側にお子さんを座らせた保護者の方が、自由に動けて足元も広い左側へ座れるため、ファミリー層向けグレードと言えるかもしれません。
なお、グランドキャビンでもGLでもスライドドアとバックドアの半ドアを防ぐ「イージークローザー」が標準装備されているほか、中古車ではDXも含めメーカーオプションのイージークローザーおよび挟み込み防止機能付きの電動パワースライドドア装備車を選びたいものです。
トヨタ・ハイエース(200系)のオススメグレード4:ハイエースバン ジャストロー仕様
とにかくフラットで広い荷室が欲しい!と思うならオススメしたいのは「DX」「DX”GLパッケージ”」へ設定のあるジャストロー仕様で、標準幅&標準ルーフの4ナンバー車と標準幅&ハイルーフの1ナンバー車があり、どちらも2列シート6人乗り(3人×2列)です。
標準幅のハイエースバンはスペック上、荷室幅が1,520~1,545mm(ワイドボディだと1,705~1,730mm)という事になっていますが、実際はリヤタイヤハウスの張り出しで荷室幅を一杯に使えない部分があります。
そこで床をリアタイヤハウス上まで底上げして完全フラットな荷室としたのがジャストロー仕様で、これなら広い床面積を要する荷物を積んだり、あるいは床に寝袋とマットだけ敷いて車中泊するようなお手軽キャンパー仕様に最適です。
あるいは、新型コロナウイルス感染拡大後の「新生活様式」でフードデリバリーの注文が増えた!配達量が増えて車を大きくしたいという飲食業の方などにもオススメできます。
なお、床を底上げした分だけ荷室高が165mm低くなっていますが(4ナンバー車1,170mm、1ナンバー車1,425mm)、高さ120mmの床下収納スペースが作られているため、レジャーや配達時に必要な小物を別に収納しておきたい場合、かえって便利です。
トヨタ・ハイエース(200系)のオススメグレード5:ハイエースバン 3人乗り仕様
とにかく荷室の床面長重視!最大3人乗れればOKというシングルキャブトラック的な使い方に限定するならば、オススメは「DX」「DX”GLパッケージ”」のロング&標準幅&標準ルーフ車に設定のある1列シート3人乗り仕様です。
ジャストロー仕様やハイルーフ仕様のないのが惜しいものの、他の仕様と同じようにリヤサイドの窓があるものと、「ルートバン」と呼ばれる窓なし仕様があり、荷物を見られたくない、直射日光を当てたくない場合にも適しています。
そして何より2列目以降がないため折り畳んだシートが荷室面積を圧迫せず、スペック上の荷室長3,000mm、床面長2,970mmをフルに使えるため長尺物を積むには最適です。
バイクのトランスポーターとして使う場合などは、有効荷室長が2,000mm少々あれば十分なので、かえって2列シート3/6人乗りでも十分かもしれませんが(スーパーロングボディなら2列目を畳まなくとも荷室長が2,070mm)、長いものでは10フィート(3,048mm)もあるサーフボードなどにはよいかもしれません。
トヨタ・ハイエース(200系)のスペック紹介
維持費の方でも紹介したハイエースの4ナンバー2WDディーゼル車「DX」のうち、オススメグレード1で紹介したDX3/6/9人乗り仕様を例に、スペックを簡単にご紹介します。
【ハイエースバンDX ロング・4ナンバー・標準ボディ・標準ルーフ・標準フロア・3/6/9人乗り】
型式:GDH201V
全長:4,695mm
全幅:1,695mm
全幅:1.980mm
エンジン:1GD-FTV 直列4気筒DOHC16バルブ クリーンディーゼル ICターボ
排気量:2,754cc
最高出力:111kW(151ps)/3,600rpm
最大トルク:300N・m(30.6kgf/m)/1,000~3,400rpm
燃費(JC08モード) :13.0km/L
駆動方式:FR
最大積載量:1,200/1,000/850kg
乗車定員:3/6/9名
まとめ
先代(4代目)H100系も15年間も作り続けたロングセラー車でしたが、現行H200系ハイエースは2004年8月にデビューして既に15年以上が経過しており、その間に何度も改良を受けてエンジンや安全装備は大きく進化してきました。
しかし、ほぼ垂直に立てたサイドパネルやテールゲートにより最大限追及されたスペース効率や、信頼と安定の走行性能、その時代において充実した装備などコンセプトは不変で、常にユーザーから絶大な支持を得てきています。
快適性や装備の充実感こそ最新のミニバンにかなわない部分はありますが、「人とモノを効率良く積んでどこまでも走り続ける」ことにおいてハイエースほど安心できる車はそうそうなく、中古車のタマ数も常時安定していて自分の要求に応じた車選びでもあまり困りそうにありません。
購入後のカスタムパーツなども豊富ですし、「買って間違いのない車、ハイエース」で安定したビジネスシーンを目指すも、アウトドアなどレジャーや送迎で大活躍させるも皆さん次第です!