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買っておけば良かった!?ランサーエボリューションX(CZ4A)をオススメする理由
カタログ
三菱最後の「ランエボ」”ランサーエボリューションX”。
ギャランフォルティスベースで一回り大きくなり、高級GT路線を志向して新車価格が500万円を超えるモデルもありましたが、国際的な日本のスポーツカー需要の増加により中古車相場が値上がりを見せており、ランエボもその例に漏れません。
買っておけば良かった、と思う前に買ってしまうのが吉かもしれません!
Contents
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- 三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)とは
- 三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)はどのような場面で活躍するクルマ?
- 三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)のオススメポイントその1:軽量ハイパワーな4B11ターボ
- 三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)のオススメポイントその2:車両運動統合制御システム「S-AWC」
- 三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)のオススメポイントその3:6速セミAT「ツインクラッチSST」
- 三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)のオススメポイントその4:三菱最後のMT車
- 三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)のオススメポイントその5:高級プレミアムセダン仕様もあり
- まとめ
三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)とは
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1992年に初代のランサーエボリューションが登場して以降、「ランエボ」はラリーやダートトライアル、ジムカーナなどモータースポーツ用ベース車として、あるいは最強の4ドアスポーツセダンとして、販売台数を絞り込んだ事もあり絶大な人気を誇ってきました。
しかし時代は流れ第3世代のランエボ(VII~IX MR)もその時代を終えようとする頃、2007年三菱はミドルクラスセダンのギャラン後継として”ギャランフォルティス”を発売、これをベースとした次期ランエボも公開され、2007年10月に「ランサーエボリューションX」として発売されます。
いわば、もともとギャランVR-4のメカニズムを小型セダンのランサーへ押し込む事で強力なモータースポーツマシンとして成立していたランエボから、ギャランVR-4の路線へと回帰したモデルで、それまでのエボIX MRと比べ一回り大きく、そして何より限定生産ではなくカタログモデル化されました。
当初モータースポーツベースのRSが約300万円、一般向けGSRが約350万円と先代から大差ない価格で販売されていた「エボX」ですが、2008年10月に発売したGSRプレミアムシリーズの6速セミAT車が500万円を超えるなど高級プレミアムセダン路線も狙います。
モータースポーツの世界では一回り小型軽量で名機4G63の最終熟成版(MIVECターボ)を搭載した「エボIX」などへ完全に取って代わるに至らなかったものの、一般向けスポーツセダンとしては「ランエボ」のブランド性もあってロングセラーモデルとなったのです。
2015年8月に1,000台限定で発売された「ファイナルエディション」も完売すると後継車もなくランサーエボリューションの歴史は終了し、既にランサーもギャランフォルティスも日本向け販売を終了していたため、「エボX」は日本における最後の三菱製4ドアセダンでもありました。
三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)はどのような場面で活躍するクルマ?
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装備が簡素化されたモータースポーツ用ベースグレード「RS」を除けば、基本的には独立トランクを持つ実用的な4ドアスポーツセダンではありますが、近所への買い物の足からサーキット走行までこなす日本製4WDターボスポーツらしいマルチプレーヤーぶりが売りです。
ベース車が1ランク上がったため車内の居住性はそれまでベース車だったランサー(日本での最終モデルは2012年に販売終了)より良好で、6速セミAT車はAT限定免許でも運転できるため、高速道路を快適に長距離クルージングするような用途にも向いています。
熟成された電子制御4WDシステムで環境を問わず安定した走行性能を誇るのは本来ラリー車だったことを思わせ、ちょっとしたサーキット走行でも今なお一線級の実力発揮が可能なスポーツセダンです。
三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)のオススメポイントその1:軽量ハイパワーな4B11ターボ
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大きく重くなったことで、歴代ランエボでは初めて先代に比較して戦闘力への疑問符がついた「エボX」ですが、長年使われてきた名機4G63から一新された新エンジン「4B11」のDOHC版は軽量ハイパワーエンジンとして旋回性能と動力性能の維持に貢献しています。
初期こそ国内で2004年まで続いた馬力自主規制の名残で280馬力に抑えられていたものの、最大トルクは歴代最強の43.0kg・mを発揮し、2008年10月のマイナーチェンジ以降は300馬力、2015年8月に発売されたファイナルエディションでは国産2リッターターボ最強の313馬力を発揮しました。
三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)のオススメポイントその2:車両運動統合制御システム「S-AWC」
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エボIV(1996年発売)の頃より駆動システムの電子制御化に熱心だったランエボシリーズですが、エボXではその集大成となる「S-AWC」を搭載しました。
4輪独立での駆動力配分とブレーキ制御にエンジン制御を組み合わせ、ステアリング舵角や路面状況に応じた積極的な統合制御を行うもので、現在もエクリプスクロスなどSUVに装備されていますが、やはりエボXのような高性能車でこそ威力を発揮する「攻めた4WDシステム」です。
三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)のオススメポイントその3:6速セミAT「ツインクラッチSST」
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それまでもエボVII GT-AやエボワゴンにAT車の設定はありましたが、エボXでは6速のツインクラッチ式SST(いわゆるデュアルクラッチ式セミAT)を採用し、AT限定免許しか持たないドライバーでもダイレクト感と高いパフォーマンスが得られるようになりました。
従来のランエボでは、家族がAT限定免許しかもっていなかったり、免許取り立てでMTの運転に自信がない場合、トルコン式ATでダイレクト感のないGT-Aしか選択肢がありませんでしたが、6速MTを機械的に作動させるSSTの装備によって、そうした悩みから解放されています。
三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)のオススメポイントその4:三菱最後のMT車
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高性能セミAT車が設定されている一方で5速MT車も「RS」はもちろん「GSR」や「GSRプレミアム」(2009年10月まで)にも残されており、販売終了時には国内向け三菱製乗用車では最後のMT車となっていました。
AT化やセミAT化は高性能車やスポーツカーであれ、むしろ高性能を追求する上で避けられない世の流れではありましたが、今なお「スポーツカーを操るなら3ペダルMTでないと」と考えるユーザーも多い中でMT設定はありがたいことで、中古のランエボXもMT車のタマ数は比較的豊富です。
三菱・ランサーエボリューションX(CZ4A)のオススメポイントその5:高級プレミアムセダン仕様もあり
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RSを除けば公道での一般ユースが多く、しかも高性能車でありながら「パワーに余裕のある4ドアセダン」としてスポーツ走行とは無縁なユーザーにも配慮すべき車として、居住性や快適性、静粛性、イージードライブにも力が入ったGTセダン的な要素もあります。
特にGSRプレミアム(2008年10月追加)では本革のレカロシートやクルーズコントロール、HDDナビゲーションなど快適性を高めドライバーの疲労を軽減するアイテムが標準装備されるようになっており、エボXを高級スポーツセダンとして「着こなす」事も可能です。
まとめ
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現在でも国内外のモータースポーツでは現役車種であり、かつて日本製4WDターボスポーツがWRC(世界ラリー選手権)を席巻した時代の名残、ランサーエボリューションX(CZ4A)。
国内での販売終了から時間が経過した今も復活が待望される人気モデルですが、特に日本国内では新たなベース車も販売されておらず、ルノー日産グループのSUV部門、あるいは新興国向けブランドに甘んじなければいけない現状では、今日明日にでも復活とはまいりません。
それだけにランサーエボリューションXは「おそらくは最後のランエボ」とみなされ中古車価格もプレミア気味ですが、日本車が燃費や効率だけでなく、豪快なパワフルさが評価された時代の生き証人を、時代の流れで朽ちてしまう前に味わってはみませんか?
確かに価格は高めですが、それだけに今なら程度良好のランエボXを味わうチャンスです!