トヨタ"MR2"は、日本国内向けに生産されていたクーペ型スポーツカーです。1984年に初代 AW10/11型が登場し、当時の日本で初となる「ミッドシップレイアウト」を採用したクルマでした。
日本を代表する自動車メーカーのトヨタが初めて挑戦したスポーツカーは、今でもファンに愛されています。
登場から30年近くが経過し、中古の車体も貴重となりつつあります。
今回は、そんなAW系MR2をご紹介します。
トヨタ・MR2(AW系)とは
MR2は、「ミッドシップ・ランナバウト・2シーター」の略から名づけられたスポーツカー。
1983年に開催された第25回東京モーターショーに出展されたショーカーをベースに、1984年に登場したモデルです。
コンパクトなボディサイズでありながらも、国内や海外で生産されていたスポーツカーに引けをとらないスタイリングで、一躍注目を浴びます。
走りを好む若者向けに開発されたクルマでもあり、手入しやすいようにコストダウンが図られました。
車体の至る部分にトヨタの主力車種であるカローラのパーツを流用し、当時の新車価格を抑えて販売したのです。
トヨタ・MR2(AW系)はどのような場面で活躍するクルマか
MR2は、山坂道や海沿いのワインディングロードでその性能を発揮するクルマです。
その理由は、ミッドシップレイアウトとリア駆動(MR)の組み合わせにありました。
通常のクルマは、エンジンが車体前部に搭載されていますが、MR2はエンジンを前後のタイヤの間に配置しています。
重さのあるエンジンを車体中央に配置することで、カーブでの旋回能力を高め、ドライバーの思い通りの操作が可能となるのです。
トヨタ・MR2(AW系)のオススメポイントその1:今では珍しい「2人乗り」仕様
AW系MR2でオススメしたい1つ目のポイントは、「2人乗り仕様」である点です。
スポーツカーというと、1人で山坂道を攻める走る楽しみが真っ先に思い浮かぶかもしれません。
しかし、このクルマは若い男性が女性を誘い、助手席に乗せてデートをするのが最も似合うのではないでしょうか。
海沿いのワインディングロードで、ロマンチックなドライブというシチュエーションを叶えるには最適です。
トヨタ・MR2(AW系)のオススメポイントその2:貴重なリトラクタブルヘッドライト
AW系MR2でオススメしたい2つ目のポイントは、「リトラクタブルヘッドライト」を採用している点です。
リトラクタブルヘッドライトは、使用時以外はライトが隠れていますが、使用時はライトが現れて前方の視界を照らす仕組み。
現在はリトラクタブルヘッドライトを採用する新型車は無いので、貴重な存在です。
トヨタ・MR2(AW系)のオススメポイントその3:「ハチロク」と同じエンジンを使用
AW系MR2でオススメしたい3つ目のポイントは、「ハチロク」と同じエンジンを採用している点です。
トヨタのクーペタイプスポーツカーとして活躍した、AE86スプリンタートレノ/カローラレビンと同じ「4A-GELU型」エンジンが採用されています。
ハチロクと同じエンジンを搭載し、コンパクトな車体にミッドシップエンジン・後輪駆動を採用。【4A-GELU型エンジンのスペック】
最高出力:130馬力/6600rpm
最大トルク:15.2kg・m/5200rpm
カーブでの心地いい走りを実現したMR2は、唯一無二の楽しさと速さを備えているのです!
トヨタ・MR2(AW系)のオススメポイントその4:特徴的な「Tバールーフ」仕様が用意されていた
AW系MR2でオススメしたい4つ目のポイントは、「Tバールーフ」仕様が設定されている点です。
ルーフ(屋根)の中央に細い棒状の枠を残し、左右のルーフが取り外せる仕組み。
左右のルーフがガラス製となっており、晴れの日は取り外して風を真っ向から感じられるほか、雨の日でもオープンカーに乗っている気分を味わえるのです!
トヨタ・MR2(AW系)のオススメポイントその5:ボンネットの中央につけられたエンブレムは「七宝焼き」
AW系MR2でオススメしたい5つ目のポイントは、エンブレムの作りが凝っている点です。
MR2に採用されているエンブレムは、「七宝焼き」方式で作られています。
金属にガラス質の絵の具を盛って焼き付ける工芸品。
エジプトのツタンカーメン王が身に着けていたとされる装飾品が、起源となっているようです。
丹精込めたエンブレムを使用しているMR2は、トヨタでも特別な存在のクルマであったことがお分かり頂けるのではないでしょうか。
まとめ
国産初のミッドシップ市販車であり、2人乗りの「デートカー」としても話題となったAW系MR2。
Tバールーフやリトラクタブルヘッドライトなど、今ではお目にかかれない装備が満載です。
今こそ、AW系MR2を入手して、歴史あるクルマで楽しいカーライフを送りましょう!