筑波最速マシンを全力サポート!アドミクスが語るR32GT-Rのチューニングとは?

筑波最速マシンを全力サポート!アドミクスが語るR32GT-Rのチューニングとは?

特集

埼玉県比企郡にあるアドミクスは2008年に創立し、2018年でちょうど10周年を迎えるR32GT-Rを得意とするチューニングショップです。

Attack筑波などの走行会で活躍しているseyamax氏や朝霞の種馬氏のR32GT-Rをサポートしていることでも有名な同ショップですが、代表の本嶋さんにGT-Rについてお話を伺ってみると、取材担当のイメージとは裏腹に、意外な回答ばかりが返ってくる驚きの取材となりました!

アドミクス流の”チューニング”

R32GT-RRB26©︎Motorz

今回お話を伺ったアドミクスを率いる本嶋 光晴さんは、R32GT-Rに魅せられてこの業界にやってきたメカニックのひとりです。

元々はJUNオート出身で、そこではエンジンの加工などの技術を磨きました。

その後GT-Rのチューニングで有名な長野の老舗『オーテックツカダ』の埼玉店の店長を任されることになり、2008年に独立し、アドミクスを立ち上げます。

そんな本嶋さんが考えるGT-Rの魅力について聞いたところ『懐の深さ』だと語ってくれました。

“走る・曲がる・止まる”が成り立って初めて”クルマ”だと話す本嶋さんは、その点GT-Rは全てが高い次元で完成されているので、例えばエンジンだけとか、足回りだけに特化してチューニングしたとしても楽しめる車種であると言います。

そして、ドラッグからサーキットまで幅広いフィールドでGT-Rというクルマが活躍している理由は、”懐の深さ”だと言えるでしょう。

クルマの三要素(”走る・曲がる・止まる”)が集約されているのがサーキットという場であることから「やっぱりサーキットに特化するべきだな。」と再認識したそうです。

そんなアドミクスの考える”チューニング”とは非常にシンプルで、そのマシンが本来持つ機能を向上させること。

「決してファッションではなく、動力性能の向上だけを目標に行われるべき行為だ。」という硬派なものなのでした。

そしてGT-Rというクルマは、あれやこれやと手を加えるための懐がある車種だそうです。

「GT-Rは全然速くないんです。」

朝霞の種馬号こちらはAttack筑波で有名な『朝霞の種馬号』。 / ©︎Motorz

「いやいや、そんなことあるまい!」と読者の皆さまはお思いだと思いますが、取材に伺った筆者もまさに同じことを思いました。

しかし、アドミクスがタイムアタックにチャレンジしている筑波サーキットのような小さいサーキットにおいては、やはりランサーなどの車種の方が速いのも事実。

当然、そのタイムに少しでも近づけるよう尽力している方の口から出た発言であることは念頭に置いておいて欲しいのですが、要するにこの発言の本意としては「ランサーなどの他の車種は”懐が狭い”。」ということなのです。

それは、これ以上の施しようが無いほどカリカリにチューニングされているということです。

その点アドミクスでは、まだまだGT-Rに手を加えられる点があると考えており、”究極のGT-R”には至っていないのだとか。

「チューニングの醍醐味のひとつとして、自分でクルマを作って自分で乗る。というものがあると思うんですよね。」

と語るように、つまりはアドミクスの手がけるGT-Rはもっと速くなる余地があり、まだその通過点の途中だ!ということなのです。

「オーナーさんも普通の会社員ですから、一気にドカッと車両を仕上げるとなると金銭的に苦しい部分もあります。

オーナー専用のセッティングを作り込みつつ、ドライビングスキルも磨き上げ、クルマと一緒に成長していく。

これが、サーキットでタイムアタックしていく醍醐味です。」

本嶋さんにはGT-Rがもっともっと速く、筑波を駆けていく姿が見えているのかもしれません。

だからこそ出た一言が「GT-Rは全然速くないんです。」なのでした。

RB26エンジンRB26エンジンは設計が古く、追加工の余地があるため、ショップの腕の見せどころなのだとか。 / ©︎Motorz

それでも”GT-R”が特別な理由

エンジン担当本嶋さんボディワーク担当山本さん今回お話を伺った本嶋さんは主にエンジンを担当(左)。足回りやボディワークを担当しているのは山本さん(右)。/©︎Motorz

R32GT-Rを特別な存在にしているのも、やはり『懐の深さ』であると本嶋さんは語ります。

「僕たち機械イジりする側の人間としても、やっぱり手の加える余地が残っているという部分では非常にやりがいは感じます。」

「また、オーナーさんにとってもその懐の深さから、色々な遊び方に対応してくれるから、本当に色んな方に愛されている車種ですよね。

レースでの連勝記録もありますし、まさに伝説的な車種というか。」

20年間GT-Rと付き合っている本嶋さんから見ても、GT-Rオーナーさんは本当にそのクルマを愛していて、何かあっても廃車にするオーナーさんが少なく、長く深く付き合っている方が多いそうです。

「例えノーマルでも、バリバリに手を加えていても、オーナーにとってそ
れぞれ大切な愛車であって、どれだけ手を加えたかではないんですよ。

それって指輪の値段は違っても、愛する気持ちは変わらないのと同じですよね。」

と”GT-R”というバッジに対する特別な想いを語ってくれた本嶋さんは、サーキットで1分1秒を争う時とは対照的な、とても穏やかな目をされていました。

ショップ情報

ガレージ内©︎Motorz
 

住所:〒350-0142 埼玉県比企郡川島町上大屋敷403

営業時間:10:00~20:00

TEL:049-299-1771

FAX:049-299-1772

E-mail:ad-mix@flute.ocn.ne.jp

URL:http://www.admix-racing.com/

まとめ

アドミクスオリジナルの螺旋ファンネルアドミクスオリジナルの螺旋ファンネルは、溝を彫ることで空気の通り道を長くし、吸入効率を上昇させる狙いがあります。装着の際には実際にキャブの再調整が必要とのこと。/ ©︎Motorz

今回は、究極のGT-Rを目指してチューニングを続けている『アドミクス』の本嶋さんにお話を伺ってきました。

基本はチューニングメニューがメインのショップですが、唯一のオリジナルパーツがソレックス用の『螺旋ファンネル』です。

空気の吸入効率を上げる為に螺旋状に掘られた溝は、アルミ削り出しの逸品。

こちらはワンオフ物の金属加工を得意としていて、知人でもある川越市の『熊倉精機』さんにて製作されているものだとか。

バイク用のファンネルも製造している同社で、クルマ用のファンネルも作ってみないか?と提案して実現したアイテムだそうです。

チューニングメニューに関しては、「GT-Rに限らず、本気でやりたいことがある方には全力でサポートします!」と心強いお言葉を頂きました。

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