2018年6月26日、『初代コネクテッドカー』および『新世代ベーシック』として発売された新型車、カローラスポーツ。カローラの名を冠するものとしては2006年10月まで販売されていたカローラランクス以来11年8ヶ月ぶりのハッチバック車で、新たな双方向通信機能やスポーツの名にふさわしい走りの新装備が期待されます。
トヨタ カローラスポーツとは
かつてトヨタではカローラFX(1984年初代発売)、カローラランクス(2001年発売)と、カローラのスポーティなハッチバック車を販売してきましたが、2006年10月にカローラランクスが廃止されて以降、カローラの名がつくハッチバック車は存在しませんでした。
ネッツ店扱いの兄弟車アレックス後継として2006年10月から2018年3月まで2代にわたりオーリスが販売(末期にはトヨペット店でも販売)されたものの、カローラ店向けのハッチバック車自体、2011年5月にトヨタ系全店扱いのアクア登場まで無かったのです。
そのため、トヨタ全体で見れば『カローラスポーツは2代目オーリス後継』と言えるものの、カローラ店に限って言えば『12年ぶりに復活したカローラランクス後継』であり、カローラ店専売となったので今度はネッツ店とトヨペット店の後継車が無くなりました。
カローラスポーツ自体は全グレードに『DCM(専用通信機)』を搭載したコネクティッドカー(インターネット常時接続車)であり、欧米に比べて立ち遅れていた日本でも、ようやく双方向通信によるサービス向上の時代が来ると宣伝されています。
また車両本体としても、当初こそ2代目オーリス末期に追加されたパワーユニットにCVTのみのラインナップではありますが、2018年8月には6速MTも追加予定とアナウンスされたので、走りへの期待も高まることになりました。
なお、『新世代ベーシック』としてカローラスポーツが今後のカローラの基準となるような解釈がなされることもあります。
ただし、少なくとも公式発表で現行カローラアクシオ(セダン)やカローラフィールダー(ワゴン)の次期型がカローラスポーツベースになるのか、あるいは次期型そのものが存在するのかという点においては、未だに発表されていません。
仮にカローラスポーツベースになったとしても、まだ海外でカローラセダンやワゴンの次期モデルすら発表されない中、カローラスポーツ同様3ナンバーボディの国際戦略車として登場決定と判断するのは、まだ早いと思われます。
カローラスポーツ コネクティッドカーとしての特徴
出典:https://toyota.jp/
カローラスポーツ登場にあたってトヨタが売り出したいのはDCM(専用通信機)を使ったインターネット常時接続『T-Connect』によるサービス向上です。
欧米ではとっくに広く実用化されているこの技術、日本ではインターネットを使ったサービス検索などスマートフォンで事足りる話であり、それよりカーナビの精度や詳細情報が求められていたので、あまり求められてきませんでした。
しかし、ユーザーニーズをこのDCMを通したビッグデータとして蓄積したい思惑もあってか、トヨタとしては何とか流行らせたい節があるようで、車そのものよりコネクティッドカーとしてのカローラスポーツを前面に押し出した宣伝をしています。
コミュニケーションアプリとして日本でもスタンダード化している『LINE』の活用や、オペレーターとの双方向音声通信も実装しており、ユーザーはオペレーターに目的の施設やお店を伝えるだけで、カーナビに目的地を実装してくれるところはなかなか便利。
もちろん、目的地を伝えるためにはドライバーが行き先の店や施設の名前を把握している必要がありますし、思い出せない場合はオペレーターもある程度はお手伝いしてくれるようですから、うっかり下調べをせず出かけてしまった時などは助かるのかもしれません。
なお、この種の装備やサービスは急速にアップデートされて数年後には古くなりがちで、トヨタとしてもそこはよく理解しているのか、『T-Connect』は初回車検までの3年間の基本料金を無料にしています(4年目からは税抜で年間12,000円)。
初回車検時点でも現在の『T-Connect』が課金しても使う価値のある装備かどうか、ユーザーに判断を任せて当面無料としてくれるのはありがたいところです。
カローラスポーツ 走りの面での特徴
出典:https://toyota.jp/
『スポーツ』の名がつく以上は気になる走りの点ですが、差し当たってエンジンは2代目オーリス末期でラインナップされた1.2リッターターボと1.8リッターハイブリッド。
ミッションは1.2リッターターボ車のCVTに10速マニュアルモードも設定されますが、目玉は2018年8月に追加予定の6速iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)です。
クラッチ操作とシフトレバーの操作を検知して、入れたいギアに合わせて電子制御スロットルが自動でエンジン回転数を合わせてくれるという、マニュアルミッション初心者にも優しい機能です。
IMTによるアシストは、エンジンがもっともそのパフォーマンスを発揮してくれる『SPORT』モード限定ですが、通常のマニュアルシフト操作を楽しみたいユーザーはエンジンパフォーマンスは控えめとなりますが、『SPORT』モード以外を選択する必要があります。
また、発進時には『SPORT』モード以外でもアイドリングからエンジン回転数を上げてアシストしてくれますからエンスト知らずというのもポイントです。
さらにハイブリッド車 / ガソリンターボ車のG”Z”グレードには、足回りの硬さを決める無段階減衰力調整機構をリニアモーター化した『リニアソレノイド式AVS』が、トヨタブランドのFF車として初めてメーカーオプション化。
要は電子制御サスペンションなのですが、この装備とセットオプションとなっている『5段階ドライブモードセレクト』では、サスペンションに快適性を求めた『コンフォート』、スポーツ性を求めた『スポーツS+』が、通常の3段階モードに追加されています。
なお、カローラスポーツのハイブリッド車は現状でFF(フロントエンジン・前輪駆動)の2WD車のみで、4WD車を選択したい場合は1.2リッターターボを選ぶ必要がある点は、プラットフォームやパワーユニットが同じC-HRと同じです。
カローラスポーツの最速カスタムパーツ情報!
走りを楽しむなら見た目や内装にカスタムを施し、あなた好みのカローラスポーツに進化させることで、更に楽しいカーライフとなること間違いなしです!
今回は早速登場した、カローラスポーツ用カスタムパーツをご紹介します。
MODELLISTA エアロキット
トヨタディーラーで購入できるカスタムパーツの中でも、比較的ドレスアップ志向と言えるパーツがラインナップされている、MODELLISTA(モデリスタ)。
カローラスポーツ用のエアロパーツも、早速ラインナップしています。
◆エアロキット価格(税込み)
未塗装110,160円、塗装済130,680円
出典:https://toyota.jp/
フロントはハーフタイプを採用。
純正のグリル左右下部のメッキパーツが折り返す部分を覆い、新たな造形を与えます。
メッキ部が減った分、左右下部にメッキによる鋭利なラインをプラス。
高級感とスポーティーさをバランスよく演出します。
◆価格(税込み)
未塗装50,760円、塗装済57,240円
出典:https://toyota.jp/
フロント下部からリア上部に掛けてガンメタのラインがアクセントを与えるサイドステップ。
カローラスポーツのサイドビューにシャープでスタイリッシュなイメージを与えます。
◆価格(税込み)
未塗装41,040円、塗装済51,840円
出典:https://toyota.jp/
リア両サイドに装着するリヤスパッツ。
マッドガードのような形状がカローラスポーツのリアビューにスポーティーに演出します。
◆価格(税込み)
未塗装27,000円、塗装済31,320円
モデリスタのお手軽カスタムパーツ!
MODELLISTAはカローラスポーツ用に、お手軽ながら、派手なエアロパーツを装着することなく確実にドレスアップができる外装カスタムパーツ「MODELLISTA SENSUAL ELEGANCE STYLE」シリーズもラインナップしています。
出典:https://toyota.jp/
カローラスポーツの目じりをシャープに演出するメッキガーニッシュです。
カスタムの初めの一歩としてもおすすめのアイテムです。
◆価格(税込み)
25,920円
出典:https://toyota.jp/
出典:https://toyota.jp/
カローラスポーツのサイドを演出するメッキパーツはドアハンドルガーニッシュとサイドドアガーニッシュをラインナップ。
メッキが追加されることで高級感がアップします。
◆価格(税込み)
ドアハンドルガーニッシュ 12,960円
サイドドアガーニッシュ 36,720円
出典:https://toyota.jp/
出典:https://toyota.jp/
リアにはテールランプをシャープに演出するバックドアガーニッシュと、ルーフスポイラー両サイドにあるブラックの部分をサポートするバックドアエアロプレートをラインナップ。
◆価格(税込み)
バックドアガーニッシュ 21,600円
バックドアエアロプレート 21,600円
以上のパーツすべてを同時装着することで、カローラスポーツに手軽に高級感を追加できます。
TRD カローラスポーツエアロキット
トヨタのモータースポーツ用車両の開発からアフターパーツの開発まで手掛けるTRD(ティーアールディー)。
TRDも、カローラスポーツのカスタムパーツを早速ラインナップ。
◆エアロセット価格(税込み)
未塗装150,120円、塗装済159,840円
出典:https://toyota.jp/
フロントスポイラーはハーフタイプを採用。
両サイドに張り出しを持たせることでボリューム感とスポーティー感を両立しています。
◆価格(税込み)
未塗装58,320円、塗装済61,560円
出典:https://toyota.jp/
サイドステップはつや消しブラックとボディ色、そして赤いラインがスポーティーなイメージを加速させます。
◆価格(税込み)
未塗装60,480円、塗装済63,720円
出典:https://toyota.jp/
リアはモデリスタと同様、両サイドに装着する再度スポイラーをラインナップ。
社外エアロパーツも、このようなカスタムが主流になっていくのでしょうか。
◆価格(税込み)
未塗装31,320円、塗装済34,560円
出典:https://toyota.jp/
リア回りのドレスアップパーツとして、リヤルーフスポイラーも用意されています。
TRDのカローラスポーツ用リヤルーフスポイラーは、車両標準のルーフスポイラーを覆い、ルーフスポイラーのボリュームをアップさせるアイテムです。
◆価格(税込み)
43,200円
カローラスポーツの新車価格、ライバル、スペックは?!
カローラスポーツのライバル車
出典:https://toyota.jp/
オーリス後継としてカローラスポーツがデビューしたことにより、そのライバルとなりそうな国産同クラス車を集めてみました。
マツダ アクセラスポーツ
出典:http://www.mazda.co.jp/
『走りのマツダ』の名に恥じぬスポーツ性の高い国際戦略車。
3ナンバーボディながら今やベーシックセダンとも言えて教習車でも人気のほか、ハイブリッドも設定された4ドアセダンもラインナップしているものの、カローラスポーツ対抗馬となるのは5ドアハッチバックのアクセラスポーツです。
1.5リッターガソリンエンジン、または2.2リッターディーゼルターボ車には6速MTが設定されているのが嬉しいところで、Gベクタリングコントロールによって最低限度の電子制御スロットル介入を行い、コーナリング安定性と運転の楽しさを両立しています。
スバル インプレッサスポーツ
出典:https://www.subaru.jp/
マツダに個性的なアクセラスポーツあらば、スバルにも個性的な5ドアハッチバック車インプレッサスポーツあり。
ミッションこそ全車CVTなものの、1.6 / 2.0リッターのボクサー4(水平対向4気筒エンジン)は左右対称低重心エンジンとして走りの楽しさ、バランスに優れています。
また、ステレオカメラ式の安全運転支援パッケージ『アイサイト』や歩行者衝突時保護用ボンネットエアバッグなど、安全に対する意識の高さも魅力的です。
レクサス CT
出典:https://lexus.jp/
2代目オーリスのレクサス版的存在な、レクサス高級車エントリーモデルがCTです。
パワーユニットは2代目オーリス末期や、カローラスポーツでも採用されている1.8リッターガソリンハイブリッド。
さすがに最新のカローラスポーツのように10速とはいかないものの、6速マニュアルモードCVTをパドルシフトで操作可能で、スポーツモード時にはモーター駆動電圧を昇圧してパワフルな加速が可能になります。
レクサス車とはいえどうしても『旧世代』ではありますが、高級感ある内外装は現在でも魅力ですし、次期型ではカローラスポーツで採用された技術のレクサス版として登場するはずです。
カローラスポーツの新車価格
出典:https://toyota.jp/
2018年7月現在、カローラスポーツの新車価格は以下のようになっています。
※基本は2WD(FF)車。()内価格は4WD車。
※6MT車は2018年8月発売予定
【1.2リッターガソリンターボ・6MT】
G”X”:210万6,000円G:222万4,800円G”Z”:238万6,800円
【1.2リッターガソリンターボ・CVT】
G”X”:213万8,400円(233万2,800円)G:225万7,200円(245万1,600円)G”Z”:241万9,200円(261万3,600円)
【1.8リッターガソリン+ハイブリッド】
HYBRID G”X”:241万9,200円HYBRID G:252万7,200円HYBRID G”Z”:268万9,200円
いずれも標準仕様の『G』に対し、『G”X”』が装備を若干簡略化した廉価版、『G”Z”』がその逆の豪華版です。
主な標準装備の違いは以下。
【タイヤ】195-65R15(G”X”)205/55R16(G)225/40R18(G”Z”)【フォグランプ】ベゼルのみ(G、G”X”)LED標準装備(G”Z”)【ヘッドランプ】3灯式LEDヘッドランプ(G、G”X”)Bi-Beam LEDヘッドランプ(G”Z”)【メーター類】4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ+アナログメーター(G、G”X”)7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ+オプティトロンメーター(G”Z”)【内装】ウレタンステアリング&ウレタンシフトノブ(G”X”)本革巻きステアリング&本革巻きシフトノブ(G、G”Z”)
カローラスポーツ 主なグレードのスペック
出典:https://toyota.jp/
【カローラ スポーツ】まとめ
出典:https://toyota.jp/corollasport/
久々にカローラシリーズへ登場したブランニューモデル、カローラスポーツですが、4ドアセダンのカローラや5ドアステーションワゴンのカロ-ラフィールダーが登場するかも、という期待はあります。
トヨタはまだ何も発表せず、海外でも同型のセダンボディやワゴンボディは発表されていませんから、何とも憶測の域を出ないところです。
アクセラやインプレッサといった他社同クラス車が4ドアセダンを設定していることを考えれば、カローラも5ナンバーサイズにこだわらずライバル同様の車を出しそうなものですが、今後の反響次第で要するを見るための、『まずカローラスポーツ』かもしれません。
デザイン面では最近のトヨタが採用している『キーンルック』でユーザー層の若返りを図っている反面、他の年齢層にどう車を売り込むかという課題も抱えることになります。
カローラスポーツがどんなユーザー層に売れていくかによって、今後のカローラの方向性を占う重要なモデルとなりそうです。