愛車をカッコよくするだけでなく、プライバシーの確保にも貢献してくれるスモークフィルムは非常に便利なアイテムですが、実は貼り方に気を付けないと法律違反になることも。
そこで今回はスモークフィルムで法律違反となる場合を紹介します。
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スモークフィルムを貼る場所と透過率がポイント
スモークフィルムを貼り付けるにあたって法律的に守るべきこととして、貼り付ける場所と透過率が挙げられます。
フロントガラスと側面ガラスに貼り付けるスモークフィルムは、道路運送車両法で定められた可視光線透過率を満たす必要があるのです。
可視光線透過率(以降、透過率と略します)は、そのものが光をどれくらいの割合で通すのかを示したものです。
例えば、透過率0%なら光を全く通さず、反対に透過率100%であれば光はそのまま通過させていることになります。
歪みがなくて透過率70%以上を確保すること
フロントガラスと運転席・助手席のドアガラスに貼り付けることのできるスモークフィルムの条件は、スモークフィルムに歪みが無いこと、そして透過率が70%以上という2つです。
その詳細は、道路運送車両の保安基準第29条3項の第3節の第195条に記されています。
スモークフィルムの装着を検討している方は、透過率が70%以上を満たすフィルムを購入すること、そしてスモークフィルムを貼った際には歪みがなく運転の妨げとなっていないことを確認するようにしましょう。自動車(二輪自動車、側車付二輪自動車及び被牽引自動車を除く。)の前面ガラス等のうち前面ガラス及び側面ガラスのひずみ、可視光線の透過率等に関し、保安基準第29条 第3項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。
一 透明で、運転者の視野を妨げるようなひずみのないものであること。
二 運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が70%以上のものであること。引用:
不正改造車になるとどうなるか
透過率が70%未満のスモークフィルムを前面ガラスや側面ガラスに貼り付けているのが見つかってしまった場合、次のような罰則が科せられます。
まず1つは、不正改造を行った者に対する刑罰です。
第99条の2および第108条で、その旨と罰則の内容が記されています。
(不正改造等の禁止)
第九十九条の二 何人も、第五十八条第一項の規定により有効な自動車検査証の交付を受けている自動車又は第九十七条の三第一項の規定により使用の届出を行つている検査対象外軽自動車について、自動車又はその部分の改造、装置の取付け又は取り外しその他これらに類する行為であつて、当該自動車が保安基準に適合しないこととなるものを行つてはならない。
第百八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第四条、第十一条第五項、第二十条第一項若しくは第二項、第三十五条第六項、第三十六条、第三十六条の二第七項(第七十三条第二項において準用する場合を含む。)、第五十四条の二第七項、第五十八条第一項、第六十九条第二項又は第九十九条の二の規定に違反した者
引用:
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=326AC0000000185#1207
次に、不正改造が施された自動車を使っている人への刑罰です。
同じく道路運送車両法の第54条その2、第108条、第109条にその内容が示されています。
第五十四条の二 地方運輸局長は、自動車(小型特殊自動車を除く。)が保安基準に適合しない状態にあり、かつ、その原因が自動車又はその部分の改造、装置の取付け又は取り外しその他これらに類する行為に起因するものと認められるときは、当該自動車の使用者に対し、保安基準に適合させるために必要な整備を行うべきことを命ずることができる。この場合において、地方運輸局長は、当該自動車の使用者に対し、当該自動車が保安基準に適合するに至るまでの間の運行に関し、当該自動車の使用の方法又は経路の制限その他の保安上又は公害防止その他の環境保全上必要な指示をすることができる。
第百八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第四条、第十一条第五項、第二十条第一項若しくは第二項、第三十五条第六項、第三十六条、第三十六条の二第七項(第七十三条第二項において準用する場合を含む。)、第五十四条の二第七項、第五十八条第一項、第六十九条第二項又は第九十九条の二の規定に違反した者
二 第五十四条第二項又は第五十四条の二第六項の規定による処分に違反した者
三 第五十四条の三第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第百九条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十一条第一項(同条第二項及び第十四条第二項において準用する場合を含む。)、第十一条第四項若しくは第六項、第十九条、第二十条第四項、第五十四条の二第四項、第六十三条第六項、第七十三条第一項(第九十七条の三第二項において準用する場合を含む。)又は第九十八条第三項の規定に違反した者
引用:
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=326AC0000000185#1207
これらの法律から分かる通り、整備をした人も実際に所有している人も揃って刑罰の対象となってしまいます。
貼り付け作業などを自身で全て行う人はもちろんですが、ショップなどに依頼する方も、信頼のおけるお店を見極めて施行してもらいましょう。
まとめ
自動車にスモークフィルムを貼り付ける際には、前面ガラスと前席の側面ガラスに貼り付けるフィルムの透過率が70%以上となっているものを選び、貼り付けた際に歪みなどがなければ問題はありません。
不正改造車の取締に遭遇することもあるので、スモークフィルムの導入を検討している方は透過率に気を付けましょう。