免許証の更新をするたび、法改正によっていつの間にか記載が変わっている経験ありませんか?
最近では、中型自動車免許や準中型自動車免許などの制度が新設され、普通自動車免許を取得した時期によって運転可能な車種が違っています。
そこで今回は、免許の取得時期と運転可能なクルマを紹介します。
あなたのいつ免許とった?普通自動車免許の取得時期で運転可能車両の違いとは
ここ数年で、免許証はかなり流動的に改正されてきました。
1970~2000年代前半までの間は、大きく改正されることはありませんでしたが、2007年に中型自動車免許、2017年に準中型自動車免許ができ、免許制度が細分化されています。
そのため、2007年の改正前までに普通自動車免許を取得していれば、8トンまでの中型自動車に乗ることが可能です。
しかし、それ以降に普通自動車免許を取得した方は、免許を取得した年月で運転可能なクルマが限られています。
中型/準中型/普通自動車それぞれの特徴は
中型自動車とは
© 2018 UD Trucks Corp.中型自動車は、車両総重量7.5トン以上11トン未満かつ最大積載量4.5トン以上6.5トン未満の貨物車で、2007年の法改正によって登場しました。
または乗車定員が11人以上、29人以下のマイクロバスも中型自動車に属します。
そんな中型自動車を運転するためには、中型自動車免許もしくは大型自動車免許が必要となり、普通自動車免許のようにAT限定はありません。
準中型自動車とは
出典:写真AC準中型自動車は、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満かつ最大積載量2トン以上4.5トン未満の貨物車です。
準中型自動車を運転する際は、大型、中型、また準中型自動車免許が必要になり、AT限定は取得はできません。
ちなみに、一般的に「2トントラック」と呼ばれる貨物車は、多くが総重量5トン未満、最大積載量2.5~2.9トンのもので、準中型自動車になります。
ちなみに、コンビニの配送車や配送会社の配達車、保冷車などは2トントラックが使用されることが多く、運転するには準中型自動車免許以上が必要です。
普通自動車とは
トヨタ・ダイナカーゴ・1.0tonシリーズ ダブルキャブ(総重量3.2トン、最大積載量1.0~1.25トン) / ©1995-2019 TOYOTA MOTOR CORPORATION.普通自動車は、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2.5トン未満、および乗車定員10人以下のクルマで、普通自動車免許を取得する際はMT操作可能な免許とAT限定の免許が取得可能です。
また、準中型自動車免許以上を取得している方であれば普通自動車も運転可能で、普通自動車免許のみでもハイエースやキャラバンといった貨物バンも乗れますが、トラックになると乗れる車両が限定されます。
普通自動車免許取得年月別・運転可能車両条件
中型と準中型自動車免許ができたことによって、普通自動車免許を取得した方の運転できる車両が限定されました。
しかし、免許新設以前に取得した普通自動車免許であれば、中型・準中型自動車も条件付きで運転することが可能です。
そのため、準中型自動車免許ができるまでに免許を取得しようと、2017年3月上旬までに自動車学校へ入学を希望する方が集中したというニュースもありました。
2007年6月1日以前に取得した方【中型(8t)限定免許】
免許の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗員定員 |
---|---|---|---|
中型(8t)限定免許 | 8.0トン未満 | 5.0トン未満 | 10人以下 |
中型自動車免許制度が新設された2007年6月1日以前に普通自動車免許を取得した方は、準中型自動車が運転でき、中型自動車は車両総重量8トンまで運転可能です。
該当者の免許証には「中型車は中型車(8t)に限る」と記載されていますが、これをよく最大積載量と思われがちですが、正しくは車両総重量が8トンまでということです。
2007年6月2日~2017年3月11日の間に取得した方【準中型(5t)限定免許】
免許の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗員定員 |
---|---|---|---|
準中型(5t)限定免許 | 5.0トン未満 | 3.0トン未満 | 10人以下 |
2007年6月2日~2017年3月11日に普通自動車免許取得した方は、準中型自動車も運転できますが、免許証に「準中型で運転できる準中型車は準中型車(5t)に限る」と記載されているように、車両総重量5トン未満と定められます。
2017年3月12日以降に取得した方
免許の種類 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗員定員 |
---|---|---|---|
普通自動車免許運転 | 3.5トン未満 | 2.0トン未満 | 10人以下 |
準中型自動車免許制度が新設されてからは、最大積載量2トンまでのクルマが運転可能です。
ちなみに、配送・宅配・配達ドライバーやルート配送ドライバーであれば、軽貨物車やバン、積載量2トン未満のトラックでの求人もありますが、多くは準中型自動車免許や中型自動車免許取得者が望ましいとする会社が多く見られます。
取得するなら普通自動車免許それとも準中型自動車免許
大型車と普通車の間を埋めるべくして誕生した、中型自動車と準中型自動車。
そもそも、普通自動車免許でも乗れていた貨物車に免許が必要となれば、中型自動車免許も準中型自動車免許も仕事で必要にならない限り取得しようとは考えないでしょう。
しかし一部では、今から免許を取得するなら準中型を取得したほうがよいという声もあります。
現在、運送業車は深刻な人手不足であり、ドライバーとして高校を卒業した新卒者が就職するのであれば、免許取得者が望まれます。
といっても、普通自動車免許と準中型自動車免許では取得に6~8万円ぐらいの価格差があり、補助金制度を設けている大企業もありますが、中小企業にとっては新卒者や中途採用者を採用する際に免許取得補助のコストがかかります。
運送業で働かないにしても、仕事上いずれは2トントラック以上に乗らないといけないシーンもあるかもしれません。
これらを想定すれば、今後運転免許取得を目指す方にとって、仕事の幅を広げるためには準中型自動車免許の取得を目指すことが、将来のための有益な投資といえるのではないでしょうか。
まとめ
普通自動車免許は世代により乗れる車両の大きさが異なってきます。
また、11人以上乗車可能なコミューターやバス、大積載量のトラックを乗りたいのであれば、限定解除もしくは中型や大型免許取得をしなければなりません。
もし、限定値を超えるクルマを公道で運転し警察につかまれば、無免許運転で違反点数25点で即免取。
かつ「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」という重い刑事罰がついてきます。
知らなかったでは済まされないため、十分に注意してください。