2021年7月にZD8型BRZ、3ヶ月遅れて2021年10月にZN8型GR86がデビューしました。
先代ZN6型86/ZC6型BRZから姉妹車関係は続き、フルモデルチェンジするもトヨタではGR86、スバルではBRZとして販売されています。
貴重なライトウェイトスポーツカーが正常進化を遂げたことで、先代同様に人気を集めており、街乗りやストリート、ワインディング、サーキットなど、走る楽しみを感じさせる2台。
ZN8 GR86とZD8 BRZで何がどう違うのか?
メリットやデメリットは?
購入後にカスタムをする上で注意すべき点は?
旧型から流用できるパーツは?
といった疑問点を解消すべく、本稿ではGR86とBRZについて気になる情報をお届けします!
取材協力:昭和トラスト
Contents
- Page1
-
- Youtubeで動画をチェック!
- GR86/BRZの大まかな違い
- グレードによる装備の違い
- 旧型(ZN6型86/ZC6型BRZ)との違い
- ZN8型GR86とZD8型BRZの最高速度
- ZN8型GR86のメリット/デメリット
- ZD8型BRZのメリット/デメリット
- GR86/BRZで同じところ
- アプライドについて
- ホイールサイズ/タイヤサイズに関して
- ライト・ランプ類などについて
- 旧型から流用できるパーツ
- マフラー交換の注意点
- ローダウン時の注意点
- エアロパーツ装着時の注意点
- 電装パーツの注意点
- LSDの選択について
- ドリフトするためには
- 軽量化について
- 吸気系交換について
- 内装について
- GR86/BRZの弱点について
- エンジンブロー問題について
- GR86/BRZの豆知識
- まとめ
Youtubeで動画をチェック!
GR86/BRZの大まかな違い
©︎モタガレ(左:TRUST GReddy GR86 / 右:TRUST GReddy BRZ)
ZN8型GR86とZD8型BRZでの違いとしては外装部分ではフロントバンパー、フロントグリルの形状が異なること以外はほぼ同じです。
ヘッドライトに関しては、LEDポジションランプの意匠が若干異なり、BRZではスバルのアイコンでもあるホークアイデザインが取り入れられています。
サスペンションセッティングに違いがあり、ZD8型BRZはどちらかというと安定志向のセッティングで、ゆったりとしたクーペという感じ。
逆にZN8型GR86は販売を3ヶ月遅らせた期間で味付けが変わり、よりシャープなハンドリングが特徴です。
リアスタビライザーの作りやブッシュの硬さ、フロントハウジング(ナックル)の素材の違い(GR86がスチール、BRZがアルミ)があり、両者で味付けの異なる走りを味わうことができます。
リアスタビライザーに関してGR86はサスペンションメンバーに取り付けられているのに対し、BRZではリアサスペンションメンバーを介して直接ボディに取り付けられています。
内装部分ではカラーバリエーションが異なり、ZN8型GR86は赤と黒のツートンであるのに対し、ZD8型BRZは黒のみのバリエーションとなり、ステッチカラーも異なります。
姉妹車でありながら、ハッキリと性格が異なる2台となっているのが分かりますね。
グレードによる装備の違い
©︎モタガレ (GR86 RCグレード)
ZN8型GR86とZD8型BRZのグレードによる装備品の違いについて、以下のようにまとめられます。
GR86 RC及びCup Car Basic
・AT車が選択できない
・パンク修理キットが積まれ、スペアタイヤが無い。
・ブレーキパッドは通常品
※GR86/BRZ CupではADVICS製ブレーキキャリパーとブレーキローターが指定部品
※GR86/BRZ Cupでは指定部品に定められているブレーキパッドとブレーキホースを装備する必要がある
・フロアサイレンサー無し
・マフラーカッター無し
・リアフォグランプ無し
・ハイビームアシスト無し
・ステアリング連動ヘッドランプ無し
・定速クルーズコントロール無し
・クラッチスタートシステム標準装備
・シフトノブとパーキングレバーの素材はウレタン
・アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダルがゴム製
・アクティブサウンドコントロール無し
・シートはファブリック素材
・シートヒーター無し
・バニティミラーに照明無し
・ドアスカッフプレートが樹脂製
・ラゲッジランプ無し
・ドアカーテシランプ無し
・2スピーカー(フロント2)
GR86 SZとBRZ R
・パンク修理キットまたはスペアタイヤを選べる
・ブレーキパッドは通常品
・フロアサイレンサー有り
・エンジンルームカバー有り
・マフラーカッター有り
・リアフォグランプ無し(オプションで追加可)
・ハイビームアシスト無し
・ステアリング連動ヘッドランプ無し
・AT車にはアイサイトコアテクノロジー搭載
・MT車には定速クルーズコントロール搭載
・AT車にはパドルシフト標準装備
・MT車にはクラッチスタートシステム標準装備
・シフトノブとパーキングレバーの素材は本革
・アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル、フットレストがゴム製だが、スポーツペダルをオプションで選べる。
・AT車には走行制御モード(スポーツモード・スノーモード)搭載
・アクティブサウンドコントロール搭載
・シートはファブリック素材
・シートヒーター無し
・バニティミラーに照明無し
・ドアスカッフプレートが樹脂製
・ラゲッジランプ有り
・ドアカーテシランプ無し
・6スピーカー(フロント4、リア2)
GR86 RZとBRZ S
・パンク修理キットまたはスペアタイヤを選べる
・フロントスポーツブレーキパッドを標準装備
・フロアサイレンサー有り
・エンジンルームカバー有り
・マフラーカッター有り
・リアフォグランプ標準装備(BRZ Sは非搭載、オプションで追加)
・ハイビームアシスト標準装備
・ステアリング連動ヘッドランプ標準装備
・AT車にはアイサイトコアテクノロジー搭載
・MT車には定速クルーズコントロール搭載
・AT車にはパドルシフト標準装備
・MT車にはクラッチスタートシステム標準装備
・シフトノブとパーキングレバーの素材は本革
・スポーツペダル標準装備
・AT車には走行制御モード(スポーツモード・スノーモード)搭載
・アクティブサウンドコントロール搭載
・シートは本革素材
・シートヒーター標準装備
・バニティミラーに照明付き
・ドアスカッフプレートがステンレス製
・ラゲッジランプ有り
・ドアカーテシランプ有り
・8スピーカー(フロント4、リア2、アンプ)
旧型(ZN6型86/ZC6型BRZ)との違い
©︎モタガレ (Kansai SERVICE ZN8 GR86)
ZN8型GR86とZD8型BRZ、旧型との違いは外装のデザインは明らかですが、ボディ補強の違いや搭載エンジンが異なります。
エンジンに関しては旧型同様スバル製水平対向4気筒直噴エンジンですが、FA20の排気量2リッターからFA24の排気量2.4リッターへと、400cc排気量アップしています。
排気量アップによりZN6/ZC6の後期型MT車と比べ
最高出力:207馬力(PS)/152kW 7000rpm → 235馬力(PS)/173kW 7000rpm(+28馬力/+21kW)
最大トルク:21.6kgf・m/212N・m 6400-6800rpm → 25.5kgf・m/250N・m 3700rpm(+3.9kgf・m/38N・m)
となっており、最高出力の回転域はほぼレッドゾーン手前であることは同様であるものの、最大トルクの発生回転数が新型では大きく引き下げられ、低回転域で発生させます。
最大トルクの発生回転数が低回転になっていることで、街乗りでの走行のしやすさにつながり、サーキットにおいてはラップタイム向上に大きく貢献します。
車両重量(カタログ値)については
旧型:1190kg〜1270kg
新型:1260kg〜1290kg
となっており、グレードによる装備品の違いやボディ補強による増加に伴い、カタログ値で20kgの増加となっています。
ファイナルギヤに関して旧型ではグレードにより異なったり、オプションで選ぶことができましたが、ZN8型GR86とZD8型BRZではグレード関係無く単一のファイナルギヤとなっています。
AT車:3.909
MT車:4.100
ZN8型GR86とZD8型BRZの最高速度
MT車
1速:59km/h
2速:98km/h
3速:140km/h
4速:178km/h
5速:215km/h
6速:281km/h
後退:63km/h
AT車
1速:64km/h
2速:110km/h
3速:161km/h
4速:226km/h
5速:317km/h
6速:388km/h
後退:71km/h
ZN8型GR86のメリット/デメリット
TRD ZN8 GR86
ZN8型GR86を新車購入で選ぶ際のメリットとして以下が挙げられます。
・ブライトブルー(水色)を選ぶことができる。(アプライドA型)
・GRパーツ(TRD製)をオプションとして選ぶことができる。
・GRリヤバンパースポイラー、GRマフラーガーニッシュをオプションで選べる。(出口が4本出しマフラーを装着する際にほぼ必須となるパーツ)
ZN8型GR86を新車購入で選ぶ際のデメリットとして以下が挙げられます。
・WRブルー(BRZ純正色)を選ぶことができない。
・STIパーツを選ぶことができない(店舗による)。
・オプションパーツが純正アクセサリーまたはGRパーツ(TRD)しかない。(ZN8型ではモデリスタ製パーツが無い)
ZD8型BRZのメリット/デメリット
STI ZD8 BRZ
ZD8型BRZを新車購入で選ぶ際のメリットとして以下が挙げられます。
・WRブルー(青)を選ぶことができる。
・STIスポーツパーツをオプションとして選ぶことができる。
・STI ドライカーボンリヤスポイラー、STI アルミホイール BBSといった高品質かつ高性能なオプションを選べる。
ZD8型BRZを新車購入で選ぶ際のデメリットとして以下が挙げられます。
・ブライトブルー(水色)を選ぶことができない
・GRパーツ(TRD製)を選ぶことができない(店舗による)。
・オプションパーツにサンバイザー(ドアバイザー)の設定が無い。
GR86/BRZで同じところ
MAX ORIDO Racing ZN8 GR86
ZN8型GR86とZD8型BRZとで、基本的にはフロントバンパーとフロントグリル、エンブレム、ホイール以外、外装に関わるパーツは全て共通です。
アフターパーツの適合に関しては、GR86とBRZの両方のカスタムパーツ開発を行なっているショップやメーカーであれば、フロントバンパーとフロントグリルに関わるパーツ以外は共通のパーツとして同一の商品品番が用意されています。(メーカーによっては販売件数計測や販売窓口の都合上、あえて品番を別にするケースがあります)
GR86ないしはBRZのいずれかのみのパーツ開発を行なっているメーカーの商品の場合、あくまでも片方の車両のみの適合を取っているため、例えばGR86のパーツを開発していたとしても、メーカーとしては適合確認を行っていないため、BRZにも適合する言えないのです。
エンジンなど機関部品については、ZN8型GR86とZD8型BRZとで共通のパーツを使用しています。
アプライドについて
スバル車では年次改良が実施されるとアプライド記号が進み、A型、B型、C型と車両型式とは別に設けられています。
GR86はトヨタ販売店で販売されていますが、スバルで生産されている車両となるため、アプライドモデルに関してはスバル車と同様になっております。
©︎モタガレ
例えば2021年10月〜モデルのZN8型GR86には
「3BA-ZN8」とは別に「ZN8A***」
(5文字目の*:ドア枚数、6文字目の*:グレード、7文字目の*:トランスミッション)
といった7桁のコードが与えられており、4文字目の「A」がアプライドA型を示します。BRZももちろん同様です。
逆に捉えると、前回の年次改良から1年後に年次改良が実施される想定なので、その時の最新モデルを求めたいのであれば、年次改良直後を狙って購入すると良いでしょう。
©︎モタガレ(画像はアプライドA型のウインカーレバー)
2022年5月にはB型へと移行。
ウインカーレバーに仕様変更が加えられ、ランプスイッチの点灯ポジションが変更になりました。
2023年秋にC型へと移行。
マニュアルトランスミッション(MT)車向けの運転支援システム「アイサイト」を初採用。
また近年のスバル車はアプライドがD型となると、外装のデザイン変更を伴う「マイナーチェンジ」、場合によっては「ビッグマイナーチェンジ」が実施され、いわゆる前期型から後期型へと移行します。
2021年にデビューしたZN8 型GR86とZD8型BRZは、おおよそ2024年中頃〜2025年初頭にD型(後期型)へのマイナーチェンジが予想されます。
販売台数が少ない頃に購入し新型車として乗る前期型か、熟成が進み車としてより進化した後期型を選ぶかは、お好みでお選び下さい。
ホイールサイズ/タイヤサイズに関して
©︎モタガレ (TRUST GReddy GR86)
ZN8型GR86とZD8型BRZの純正ホイールとタイヤサイズについて以下の通りとなります。
ZN8型GR86(アプライドA型)
ホイールサイズ
Cup Car Basic:16inch×6.5+48 PCD100
(※GR86/BRZ Cupは17inch×7.5 +44〜48が指定サイズ)
RC:16inch×6.5+48 PCD100
SZ:17inch×7.5 +48 PCD100
RZ:18inch×7.5 +48 PCD100
タイヤサイズ
Cup Car Basic:205/55R16
(※GR86/BRZ Cupは215/45R17が指定サイズ)
RC:205/55R16
SZ:215/45R17
RZ:215/40R18
ZD8型BRZ(アプライドA型)
ホイールサイズ
Cup Car Basic:16inch×6.5+48 PCD100
(※GR86/BRZ Cupは17inch×7.5 +44〜48が指定サイズ)
R:17inch×7.5 +48 PCD100
S:18inch×7.5 +48 PCD100
タイヤサイズ
Cup Car Basic:205/55R16
(※GR86/BRZ Cupは215/45R17が指定サイズ)
R:215/45R17
S:215/40R18
2021年まで行われていた86/BRZレースと異なり、2022年から行われるGR86/BRZカップではタイヤとホイールのサイズが異なります。
※下記サイズかつ指定ホイール、指定タイヤを装着する必要があります。
ホイールサイズ
86/BRZレース:16inch×7.0J(JJ) +48
GR86/BRZカップ:17inch×7.5J(JJ) +44〜48
タイヤサイズ
86/BRZレース:205/55R16
GR86/BRZカップ:215/45R17
ライト・ランプ類などについて
SARD ZN8 GR86 リアコンビネーションランプ
ZN8型GR86とZD8型BRZで灯火類に関してはほぼイコールと言えます。
旧型ZN6型86、ZC6型BRZではヘッドライトの違いにより、ウインカーランプの位置、フォグランプの位置が異なったりしていましたが、ZN8型GR86/ZD8型BRZではほぼ同一の灯火類となっております。
ZD8型BRZにはスバルのアイコンとなるホークアイデザインが採用されており、LEDポジショニングランプを点灯した際に違いがハッキリと分かります。
グレードによる違いとしては以下が挙げられます。
・GR86 RC及びCup Car Basic
バックフォグ無し
ラゲッジランプ無し
ドアカーテシランプ無し
バニティランプ無し
・GR86 SZ
バックフォグ有無選択可
ラゲッジランプ有り
ドアカーテシランプ無し
バニティランプ無し
・GR86 RZ
バックフォグ有り
ラゲッジランプ有り
ドアカーテシランプ有り
バニティランプ有り
・BRZ R
バックフォグ無し(オプション追加可)
ラゲッジランプ有り
ドアカーテシランプ無し
バニティランプ無し
・BRZ S
バックフォグ無し(オプション追加可)
ラゲッジランプ有り
ドアカーテシランプ有り
バニティランプ有り
またオプションパーツとして装着できる灯火類としては
GR86 RZ:GRプロジェクションイルミネーション
GR86 RC及びCup Car Basic除く:LEDルームランプセット
BRZ:LEDアクセサリーライナー
となります。
各灯火類の口径や種類は以下のようになります。
ヘッドライト:LED(交換不可※1)
フロントウインカー:LED(交換不可※1)
フロントポジションランプ:LED(交換不可※1)
サイドウインカー:LED(交換不可※2)
リアウインカー:LED(交換不可※3)
ブレーキランプ(テール):LED(交換不可※3)
ブレーキランプ(ストップ):LED(交換不可※3)
ハイマウントストップランプ:LED(交換不可※4)
バックランプ:T16
ナンバー灯:LED(交換不可※5)
ルームランプ(フロント):T10 ×2個
ラゲッジランプ:T10
※1:ヘッドライトレンズユニットでの交換になります。
※2:サイドウインカーユニットでの交換になります。
※3:リアテールランプレンズユニットでの交換になります。
※4:ハイマウントストップランプユニットでの交換になります。
※5:ナンバー灯ユニットでの交換になります。
このため、バックランプ、ルームランプ、ラゲッジランプ(装備車のみ)は純正で電球になるため、量販店などでLEDバルブへの交換を行うことができますが、ヘッドランプ、テールランプがユニット化されており純正でフルLEDとなっているため、場所ごとに交換を行うことができません。
旧型から流用できるパーツ
Kansaiサービス GR86 フロントタワーバー
旧型のZN6型86とZC6型BRZから流用できるパーツとして、ホイール、一部のボディ補強パーツが主に流用することができます。
ボディ補強パーツに関して流用できるパーツは以下(抜粋)
・フロントストラットタワーバー
・リアストラットタワーバー
その他シャシー部分に関わる補強パーツのほとんどが流用可能となっています。
また排気系に関してセンターパイプやマフラーを流用することは可能ですが、事前認証の関係上、ZN6/ZC6時点での認証番号では車検を通すことができず、車検を通す場合は必ずZN8型GR86、ZD8型BRZ用の排気系を用意する必要があります。
マフラー交換の注意点
TRUST GReddy GR86/BRZ コンフォートスポーツGTS
ZN8 GR86/ZD8 BRZでマフラーを交換する際、覚えておきたいこととして以下があげられます。
・マフラー出口の本数
・認証
まず、マフラー出口の本数についてですが、ZN8 GR86/ZD8 BRZは純正で左右1本ずつの2本出しマフラーとなっています。
2本出しマフラーに合わせてリアバンパー形状が作られており、同形状の社外マフラーに交換する分には特に問題はありません。
社外マフラーの中には
・右側1本出し
・左側1本出し
・左右2本出し
・左右4本出し
がありますが、特に左右4本出しを選ぶ際に注意が必要です。
TRD ZN8 GR86 リアバンパースポイラー
左右4本出しのマフラーを選ぶ際、純正リアバンパーそのままではマフラー出口部分がリアバンパーに干渉するため、リアバンパーごと社外品に交換するか、純正リアバンパーをカットしてマフラーガーニッシュやリアバンパースポイラーを装着する必要があります。
例えば、GRマフラーガーニッシュを装着することで左右4本出しのGRスポーツマフラーを装着することができます。GRリアバンパースポイラーを装着することでも同様に装着可能ですが、装着できる4本出しマフラーにも微妙に差が発生します。
左右4本出しマフラーを選ぶ際は、マフラー出口部分のクリアランスが取れるマフラーガーニッシュやリアバンパースポイラーが必要になるので、マフラー交換時にはクリアランスが確保できているか確認してから購入するようにしましょう。
ローダウン時の注意点
HKS ZN8 GR86
ZN8 GR86/ZD8 BRZ購入後、より走りの性能を高めたい、好みのサスペンションセッティングにしたい、と考えローダウン方向へのカスタムやチューニングするオーナーがほとんどではないでしょうか?
ZN8 GR86/ZD8 BRZでローダウンするには以下の方法が挙げられます。
・ローダウンスプリングへの交換
・全長調整式サスペンションキットへの交換
ローダウンスプリングへの交換は、純正ショックアブソーバーはそのままに、純正スプリングのみをローダウンスプリングに交換し車高を落とす手法です。
ローダウンスプリングへの交換は比較的ローコストで行え、純正ショックアブソーバーを使えることで耐久性へのメリットがあります。乗り心地に関しては純正サスペンションに軍配が上がるも、安く車高を下げたいオーナーにおすすめと言えます。
HKS HIPERMAX MAX IV SP
次に全長調整式サスペンションキット(いわゆる車高調)への交換は、車高調そのものにコストがかかりますが、好みの車高やスプリングレート、減衰力、ネガティブキャンバー角(フロントのみ)の調整が可能になります。
車高調への交換はより走りの性能を高めたい、サーキットなど特化した場所でのタイム向上を狙いたいユーザーにおすすめのパーツです。
ZN8 GR86/ZD8 BRZのサスペンション方式は
フロント:マクファーソンストラット
リア:ダブルウィッシュボーン
が採用されています。
ローダウンした場合、フロントはストラットであるため、ネガティブ方向にキャンバー角がつき(いわゆるネガキャン)、トー角はイン側へ向きます(キャスター角に起因)。
フロントはローダウンし過ぎると、ロアアームが水平より下を向いていた状態から、上に向く(いわゆるバンザイ状態になる)ため逆にキャンバー角がポジティブ方向(ポジキャン)になり注意が必要です。
リアも同様にローダウンした場合、ダブルウィッシュボーンでもアッパーアームよりもロアアームが長いことからネガティブキャンバーが発生し、トー角はイン側に向きます。
ローダウン後には必ずアライメント調整が必要となるため、交換工賃の一部として捉えるようにしましょう。
またローダウンサスにしても車高調にしてもローダウンをした場合、足回りに関わる他のパーツでの調整が必要になります。
CUSCO 調整式スタビリンク ユニバーサルタイプ(フロント用)
例えばフロントの場合、ローダウン後も同じスタビリンク(スタビライザーとショックアブソーバーをつなぐパーツ)を使用し車高調側でスタビリンク取り付け位置の調整ができない場合(純正ショックアブソーバーも含む)、車高が下がった分スタビライザー取り付け位置が上を向いてしまうため、スタビライザーとしての機能が弱くなります。
そのため純正より長いスタビリンクだったり、調整式のスタビリンクに交換することで、スタビライザーの性能を維持することで接地感が維持でき安定した走りとなります。
リアスタビリンクも同様ですが、フロントとは異なりロアアームに対してスタビリンクが装着されているため、スタビリンクを短くする必要があります。
その他、ローダウンすることでジオメトリーが変化するため、フロントであればロアアーム交換、リアであればアッパーアーム、ロアアーム、トーコンロッドなど必要に応じて交換するようにしましょう。
ローダウンすることでヘッドライトのレベライザーリンク交換も定番とされていましたが、ZN8 GR86/ZD8 BRZではレベライザーが撤去されているため、レベライザー交換は必要ありません。
エアロパーツ装着時の注意点
©︎モタガレ(TRUST GReddy×VOLTEX フロントアンダースポイラー)
PRO COMPOSITE ZD8 BRZ ボーテックフロントリップスポイラー
ZN8 GR86/ZD8 BRZにエアロパーツを装着する上での注意点としては、前述にもある通り、フロントバンパーとフロントグリルの形状違いによる、装着できるエアロパーツの違いです。
エアロパーツを装着する上で最初に手をつけやすいフロントリップスポイラーなどはGR86用とBRZ用とでパーツが異なるため、純正フロントバンパーをベースにカスタムする際は必ず専用の商品を選ぶようにしましょう。
フロントバンパーに関わらないフロントフェンダー、サイドステップ、リアフェンダー、リアバンパー、リアトランク、リアスポイラーに関しては共通のパーツを装着することができます。
またエアロパーツを購入する際にも気をつけたいのが、保安基準適合品か否か、という点です。
基本的に車検対応とする上で保安基準に適合していることが前提条件となっており、保安基準に適合するエアロパーツを正しく装着することで車検対応となります。
逆に保安基準対応のエアロパーツでも、メーカーが指定する取り付け方法と異なる場合だったり、他のパーツと組み合わせて装着した場合、車検非対応となる可能性もあるため注意するようにしましょう。
電装パーツの注意点
MAX ORIDO Racing ZN8 GR86 感度MAX
ZN8 GR86/ZD8 BRZの電装部品についていくつかありますが、以下のパーツについて触れます。
・バッテリーサイズ
・スロットルコントローラー
まずバッテリーサイズについてですが、ZN8 GR86/ZD8 BRZとなってからは標準仕様と寒冷地仕様、グレードの違いも含め全て【55D23R】が搭載されています。
バッテリーを交換する場合は【○○D23R】のものであればサイズは一致するので、用途に合わせて交換することをお勧めします。
次にスロットルコントローラーですが、旧型からの乗り換えや流用を考え、ZN8 GR86/ZD8 BRZに旧型のスロコンを装着してみようとなりますが、スロットルコントローラーについては旧型ZN6/ZC6と新型ZN8/ZD8とでセッティングが異なるため適合不可となります。
スロットルコントローラーについては必ずZN8 GR86/ZD8 BRZ用のパーツを購入するようにしましょう。
LSDの選択について
とはいえ、トルセンLSDでは不十分、ストリートやワインディング、サーキットなど自分の走るステージにあったLSDを選んで、より自在に操りたい、サーキットのラップタイムを向上させたいというオーナーは多いはず。
LSDを装着する上でのメリットは、より効果的に駆動力を路面に伝えることができるようになるので、トラクションアップや安定性の向上につながります。
逆にデメリットとしては、機械式LSDならではチャタリングと呼ばれる作動音だったり、ロック時の振動、駆動抵抗が増えることでのストレートスピードの低下などが挙げられるので交換後はデメリットも考慮して乗るようにしましょう。
ZN8 GR86/ZD8 BRZに装着可能なLSDの種類として大きく分けて3つあります。
・1way
・1.5way
・2way
まず1wayについては、加速側に作用角があり、減速側が0°のものになります。
つまりはアクセルを踏んでいる時のみLSDがロックし、アクセルを離すとロックしなくなる、というもの(減速時でもイニシャルトルク分のロックは発生します)。
特許の関係上CUSCO製品のみでラインナップされています。
1wayのLSDを使うシーンとして、低速で向きを変えたい時に効果的に使うことができ、例えばジムカーナなどでは選ばれることが多いと言えます。
1wayのデメリットとして、サスペンションセッティングやエアロパーツにもよりますが、高速域からのフルブレーキなどは減速側に作用角が無いため、リアの接地感が薄くなり、ブレーキングが不安定になることです。
続いて1.5wayですが、加速側に作用角があり、減速側に加速側より小さい作用角があるLSDを指します。
減速側の作用角の違いにより1.1wayや1.3wayといった表記をする商品もありますが、大枠では1.5wayと同じ意味合いとして本項ではとらえます。
1.5wayを使うシーンとしては、サーキット走行やワインディング走行など、中速域でのコーナーリングが多いシーンに有効活用できます。
1wayと異なりブレーキング時にもリアの駆動力が残ることで、安定したブレーキングを求めたいオーナーにお勧めです。
最後に2wayについてですが、加速側に作用角があり、減速側にも加速側と同じ作用角があるものを指します。
アクセルを踏んでいる時も踏んでいない時も同様にLSDがロックするようになります。
2wayを使うシーンとしてはドリフトが挙げられます。
アクセルを踏んでもロックし、アクセルを離してもロックすることがからドリフトを維持する上で2wayを選ばれることが多いですが、コースやそのほかのセッティングにより1.5wayを選択する人もいます。
2wayのデメリットとしては減速側の作用角も大きいことから、ブレーキング時に駆動力が大きく残り、いわゆるアンダーステアになりやすいことが挙げられます。
LSDを選ぶ際は自分が走るステージにあったタイプを選ぶようにしましょう。
またLSDを装着する際にかかる交換工賃ですが、おおよそ5万円前後、というのが市場相場のようです。
FF車と違いFR車のZN8 GR86/ZD8 BRZはLSD交換が容易ではありますが、重整備になる作業ですので、LSDを装着する場合は商品代金+約5万円の予算で交換するようにしましょう。
GR86&BRZ用のLSDパーツを見る
ドリフトするためには
また純正状態のままではフロントの舵角の切角が不足気味であるため、深いドリフトアングルをキープするなら、社外の切角アップナックルへの交換がお勧めです(競技専用部品となります)。
フロントナックルについては旧型と共通のパーツであるため、旧型のパーツをそのまま装着することができます。
軽量化について
VARIS ZN8 GR86 ARISING-1
ZN8 GR86/ZD8 BRZはZN6 86/ZC6 BRZと比べ、20〜40kgの重量増となっています。
重量が増えている主な要因としてはボディ補強に関わる部分や、装備品の多さも起因していますが、増えた分純正状態でボンネットやフロントフェンダーパネル、ルーフをアルミ素材とすることで軽量化が図られています。
そもそもでも十分な軽量化がされているため、カスタムによる軽量化の恩恵は少ないZN8 GR86/ZD8 BRZですが、さらに軽量化を図る手段として、エアロパーツにカーボン素材を用いた軽量化や、マフラー交換が定番と言えます。
参考までに各部の純正パーツの重量は
・ボンネット:8.6kg
・ルーフ:4.8kg
・マフラー(センターパイプ含む):16.4kg
となっており、ボンネットやルーフは純正でもかなり軽量な部類になります。
社外部品に交換することで
・ボンネット:8.6kg → 6.2kg(参考:VARIS COOLING BONNET)
・ルーフ:4.8kg → 2.2kg(参考:VARIS CARBON ROOF)
・マフラー:16.4kg → 11.6kg(参考:FUJITSUBO A-RM)
と約9.6kgの軽量化を行うことができます。
※あくまでも参考値です
吸気系交換について
BLITZ カーボンパワーエアクリーナー
ZN8 GR86/ZD8 BRZでの吸気系カスタムは定番カスタムの1つと言えます。
エアクリーナーに関しては純正では集塵性能をメインとしたボックス型のエアクリーナーボックスに、板型のフィルターが装着されていますが、社外フィルターに交換したり、剥き出しタイプのエアクリーナーとすることで、吸気サウンドのアップと吸気効率の向上を図ることができます。
社外のエアクリーナーには乾式タイプと湿式タイプがあり、乾式タイプは安価に購入することができますが、汚れてきたら使い捨てになるタイプです。
湿式タイプは乾式タイプに比べて高価になりますが、フィルターに専用のオイルが塗布されており、汚れてきたら洗って汚れを落として、オイルを再度塗布することで繰り返し使用ができるタイプになります。
どちらも集塵性能には優れていますが、交換頻度や見た目、コスト感で好みのタイプを選ぶと良いでしょう。
内装について
©︎モタガレ(TRUST GReddy ステアリング)
ZN8 GR86/ZD8 BRZの内装に関して、大まかにはグレードにより材質や色が異なります。
RC
・フロアサイレンサー無し
・シフトノブとパーキングレバーの素材はウレタン
・アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダルがゴム製
・シートはファブリック素材
・シートヒーター無し
・バニティミラーに照明無し
・ドアスカッフプレートが樹脂製
・ラゲッジランプ無し
・ドアカーテシランプ無し
・2スピーカー(フロント2)
GR86 SZとBRZ R
・フロアサイレンサー有り
・シフトノブとパーキングレバーの素材は本革
・アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル、フットレストがゴム製だが、スポーツペダルをオプションで選べる。
・シートはファブリック素材
・シートヒーター無し
・バニティミラーに照明無し
・ドアスカッフプレートが樹脂製
・ラゲッジランプ有り
・ドアカーテシランプ無し
・6スピーカー(フロント4、リア2)
GR86 RZとBRZ S
・フロアサイレンサー有り
・シフトノブとパーキングレバーの素材は本革
・スポーツペダル標準装備
・シートは本革素材
・シートヒーター標準装備
・バニティミラーに照明付き
・ドアスカッフプレートがステンレス製
・ラゲッジランプ有り
・ドアカーテシランプ有り
・8スピーカー(フロント4、リア2、アンプ)
またAT車とMT車とでフロントドリンクホルダーの数が異なり
・AT車にはセンターコンソールにドリンクホルダー1つ設置
・MT車にはセンターコンソールにドリンクホルダー無し
となっています。MT車にAT車用のドリンクホルダーを設置したい場合、コンソールボックスも同時に交換する必要があります。
内装色ではGR86 RZのみ黒と赤の組み合わせになり、それ以外のグレードとBRZでは黒で統一されています。
カーナビについては、9インチのナビスペースが用意されており、メーカーオプション含めディーラーオプションナビの9インチサイズを取り付けることができます。
従来サイズの7インチサイズも装着することができますが、別途9インチ→7インチナビアダプタ(純正品番:08606-18030)が必要になるため、前車からカーナビを引き継ぎたい、流用したいオーナーはアダプタを購入するようにしましょう。
オーディオレスを選んだ場合、ナビパネル部分にはカバーが装着されていますが、カバーを外すと9インチナビが装着可能な穴がポッカリと空く感じになります。
GR86/BRZの弱点について
旧型から正常進化をしていることで、ボディを含めた各部の補強、駆動系の強化、など旧型より良くなっている点は多数存在します。
その中でも欠点として挙げられるのが、リアフェンダーとリアバンパーの取り付け部分についてです。
©︎モタガレ
カスタムを進めていき、サスペンションを交換して、ローダウンして、よりサイズの大きいタイヤやホイールを装着しようとすると、リアフェンダーのトリム部分と、リアフェンダーとボディパネルの接合部分が干渉してしまいます。
特に前後同サイズで255幅を超えるサイズを装着しようとすると干渉するため、フェンダーを無加工で抑えた上で前後同サイズで合わせる場合は、キャンバー角やホイールサイズにもよりますが235幅まであれば装着可能なります。(車高調の装着が前提条件)
エンジンブロー問題について
原因としては、オイルパンを装着する際に使用するパッキン(ガスケット)ですが、固形化したパッキンの破片がエンジンオイル内に混入することが主な原因と挙げられています。
エンジンオイルに混入したパッキンの破片がオイルストレーナーから吸い上げられ、エンジンルームに流れ込むエンジンオイルの流入を阻害(目詰まり)し、エンジンにオイルが行き渡らずエンジンブローを引き起こす、というもの。
街乗りユーザーでもオイルレベルゲージにパッキンの破片が付着していることもあり注意が必要です。
特に、サーキット走行をする=エンジンオイルの粘度を上げる、というのが一般的な手法と言われていますが、GR86/BRZでオイル粘度を上げた場合、上記のようにパッキンの破片が目詰まりしていることもあり、オイル粘度を上げる(硬くする)と隙間を通りにくくなってしまうため、オイルを吸い上げられなくなりエンジンブローに繋がるようです。
オイル粘度は純正同等とした上で、油膜が保てる高性能なエンジンオイルを選ぶことで、トラブル回避につながると言えます。
GR86/BRZの豆知識
©︎モタガレ
トヨタ自動車が実際にテスト用で製作した前期型のZN6型86で、後期型へのマイナーチェンジ時はもちろんのこと、GR86へフルモデルチェンジする際にもこのテストカーの影響が多いにあったのです。
パッと見ではフォグランプ部分のウインカーを撤去する上で、ZC6型BRZ用のヘッドランプが採用されていますが、それ以外はフロントにエアロパーツが装着されている程度、と言えます。
©︎モタガレ
しかしながらよく見ると、フェンダー上部のプレスラインが市販モデルに比べて大きく盛り上がっており、フェンダーの高さ変更に合わせてボンネットの形状も専用形状としているのです。
©︎モタガレ(ZD8 BRZ)
フロントフェンダー上部を盛り上げることで空力バランスの改善につながり、結果として新型GR86も旧型と比べて大きく盛り上がったフロントフェンダーが採用されています。
またテストカーには過給機チューニングが施されており、テスト段階から排気量アップを含めたパワーアップは視野に入っていたようで、ダウンサイジングターボが選ばれなかったのは販売後のメンテナンス性や生産コスト的な部分もあり、排気量アップに繋がったようです。