三菱”ランサーエボリューション”はハイパワー4WDターボやスポーツセダン好きなら誰もが一度は憧れる車ですが、古すぎて見つからないか維持できない、新しいと高すぎて手が出ないなど、いざ中古で買おうと思ってもなかなか悩ましい車。
そんな人が気軽に選べて値段も手頃なランエボは何かといえば、”ランサーエボリューションVII”(CT9A)がイチオシです。
Contents
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- 三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)とは
- 三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)はどのような場面で活躍するクルマ?
- 三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のオススメポイントその1:シンプル&スマートなデザイン
- 三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のオススメポイントその2:中身は骨太剛性アップ
- 三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のオススメポイントその3:サイドターンも楽々ACD
- 三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のオススメポイントその4:AT限定免許で乗れるGT-A
- 三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のオススメポイントその5:意外に安価でタマ数豊富
- 三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のスペック紹介
- まとめ
三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)とは
ベース車のランサーが代替わりするたび世代が代わる三菱のラリー用4WDターボスーパースポーツセダン”ランサーエボリューション”ですが、6代目ランサー”ランサーセディア”をベースにしたランサーエボリューションVII(CT9A)は第3世代ランエボ最初のモデルです。
ランサーセディアのキャビン拡大で少々サイズアップしたため戦闘力が心配されたエボVIIですが、そもそもエボVからベース車にオーバーフェンダーを追加してワイドトレッド化して3ナンバー化しており、馬力こそ自主規制で280馬力上限なものの、進化するたびトルクアップしていたランエボにとっては何ほどのこともありません。
むしろ途中からワイドトレッド化したためフェンダーに後付け感のあったエボVやエボVIと異なり、最初からワイドフェンダーで作られたエボVIIはデザインにまとまり感があり、スッキリしすぎて物足りないという意見もあったくらいでランエボシリーズの中では肩ヒジ張らないスタイリッシュさが魅力でもありました。
このエボVIIからWRC(世界ラリー選手権)で活躍するモデルはランエボベースのグループAマシンから、ランサーセディアベースのWRカーへ変わったため「世界で活躍するランエボ」とは言いにくくなったものの、新メカニズムの搭載などで向上した性能により、「最強のランエボは最新のランエボ」であり続けたのです。
三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)はどのような場面で活躍するクルマ?
近所への買い物から家族で出かけるファミリーカー、そしてラリーやサーキットで活躍するモータースポーツまで何でもござれのスーパー4ドアセダンがランサーエボリューションという車であり、競技用グレード「RS」はともかく一般向け「GSR」なら快適装備にも不満はありません。
しかしこのエボVIIではひとつの大きな試みがなされており、それがランエボシリーズで初めてATを搭載搭載したエボVIIGT-Aでした。
単にAT限定免許のドライバーでも操れる初のランエボというだけでなく、エアアウトレットなど穴があいていない普通のボンネットやリヤウイングレス仕様を選択可能で、ご近所の目をあまり気にせずファミリーカーとして活躍するにはちょうどいいモデルです。
三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のオススメポイントその1:シンプル&スマートなデザイン
三菱の乗用車といえば「ガンダムルック」などとよく言われるように、メカメカしいゴツさで好みの分かれるデザインですが、エボVIIはベースのランサーセディアがキャビン拡大を目立たせないためか、例外的にシンプルでスマートなデザイン(細いという意味ではありません)。
それゆえエボVIIもワイドフェンダー化していながらフロントマスクの威圧感や妙にやる気を感じさせるような雰囲気がなく、歴代ランエボの中ではスッキリしていて万人受けしそうなデザインのため、悪目立ちして所有しにくいことがありません。
三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のオススメポイントその2:中身は骨太剛性アップ
外観はスッキリしつつも肝心の骨格はスポット溶接追加やサスペンション取付部をはじめとするボディ各部の補強が入って従来のランエボシリーズから大幅な曲げ剛性アップを実現しています。
どれだけパワーがあっても、サスペンションセッティングや電子制御デフでどれだけ旋回性能を高めようとしても、そのたびボディがグニャグニャ動いていては安定した動きは不可能ですが、こうした見えない部分の地道な改善によってエボVIIは歴代最高の機動性を手に入れました。
三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のオススメポイントその3:サイドターンも楽々ACD
エボVIIでこれもハタ目には見えないものながら重要な改良点となったのが電子制御アクティブセンターデフ「ACD」で、電子制御リヤデフのAYCとの協調制御で路面を問わない安定した走行性能と旋回能力を両立しています。
しかも走行中にサイドブレーキレバーを引けばセンターデフをフリーにして後輪への駆動をカット、ジムカーナ競技などで多用される「サイドターン」というスピンターン技術がやりやすくなっており、ライバルのインプレッサが得意としていたのをエボVIIからは可能になりました。
三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のオススメポイントその4:AT限定免許で乗れるGT-A
ランエボ初のオートマ車として2002年2月に追加されたエボVIIGT-Aはスポーツモードつき5速AT「INVECS-II」を搭載しており、AT限定免許しかもたないドライバーでも運転できるという意味で、ランエボの敷居を思いっきり下げて誰でも気軽に乗れるようにした、画期的なモデルでした。
もっとも、当時はスポーツカーならMT車が普通、現在のようにスーパーカーでも2ペダルセミATでAT限定免許ドライバーが普通に乗れるのが当然という時代ではありません。
そのためエボVIIGT-Aも「ランエボらしくない」とあまり人気はありませんでしたが、後にランエボワゴンGT-AやエボXのSSTでランエボでもAT車は当たり前になったことを考えれば、非常に先駆的なモデルであり、しかも今や中古車価格が安いお買い得モデルです。
三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のオススメポイントその5:意外に安価でタマ数豊富
「ランエボらしいデザインで性能も最強クラス」のエボVIII系やエボIX系、あるいはエボVI以前や、高級スポーツセダン路線を加えたエボXと比べてランエボらしさが足りないと思われてしまうのか、エボVIIの中古車価格はGT-Aでなくとも安く、タマ数も多いとまでいかないまでも、VIIIやIXより少なめです。
しかし性能的に一級品なのは間違いなく、ランエボらしさというより三菱車らしいアグレッシブさに欠けるというのは、三菱ファン意外からはむしろプラス評価とすら言えます。
それでいて安価な上に世代的にはVIII系やIX系と同じCT9Aでパーツ流用範囲やアフターパーツも豊富ですから、むしろスポーツセダン好き、それもAT限定免許のドライバーや羊の皮を被った狼好きには積極的にオススメすべき車です。
三菱・ランサーエボリューションVII(CT9A)のスペック紹介
ここでは中古車市場でも台数が多い、“ランサーGSRエボリューションVII”を例に、スペックを簡単にご紹介します。
まとめ
WRCで大きな実績を挙げたエボVI以前や、進化を極めたエボVIIIとエボIX、最後のランエボで高級路線もあり、タマ数も多いエボXに比べ、今ひとつ印象に残りにくいエボVIIですが、維持の難易度や性能、価格、中古車市場でのタマ数を考えると、今一番オススメしやすいランエボはVIIではないか?と改めて思い出させられます。
特にDCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)の登場以降、スーパースポーツでも2ペダルセミATが当たり前になった現代において、旧来のトルコン式ATとはいえ5速ATのランエボVII GT-Aなど新車販売当時のようなハンディは感じません。
特にAT限定免許でも乗れるスポーツモデルは今でもあるとはいえ、1990年代にやたらと元気だった時代の日本車の面影を残すような車がない!と感じているユーザーは、実力を考えれば中古車価格が意外なほど安いエボVII GT-Aがダントツのイチオシ。
気軽に4WDターボのスーパースポーツセダンへ乗りたいという皆さん、ランサーエボリューションVIIとVII GT-Aはオススメですよ!