国産ミドルSUVクラスの現行モデル中、唯一ディーゼルエンジンを搭載しているマツダCX-5。
初代モデルのKE系になると、100万円以下で購入できる中古車もあるため、SUVの入門モデルやカスタムベースとして魅力的な一台です。
そんなCX-5のおすすめポイントや維持費、中古車相場価格までご紹介します。
マツダCX-5とは
CX-5はマツダにとって新たな門出となったモデルです。
CX-5は、マツダ・スカイアクティブ・テクノロジーを初めて全面搭載した第一弾のモデルで、ディーゼルエンジンの『スカイアクティブ-D 2.2』、ガソリンエンジンの『スカイアクティブ-G 2.0』の2つエンジンを設定。
スカイアクティブ-Gは、高効率直噴ガソリンエンジンでリニアで気持ち良いパワーフィールと16.0km/L(FF・JC08モード)と優れた燃費性能を実現し、スカイアクティブ-Dは、排出ガスのクリーン化と18.6km/L(JC08モード)の燃費値、圧倒的なトルクパワーを実現され、当時のエコカー免税の対象車となりました。
また、先陣を切って鼓動デザインが採用し、現マツダのブランドイメージを築いたキッカケでもあります。
発売後は『2012~2013日本自動車殿堂カーテクノロジーオブザイヤー 』を受賞し、2012・2013年の2年連続でSUV国内販売第1位を獲得、2015年に世界累計生産100万台を達成し、業界からの高評価と市場での人気を独占したモデルです。
KE系とは
© Mazda Motor Corporation
KE系とは、CX-5登場からフルモデルチェンジされるまで生産された、いわゆる初代モデルです。
車体型式はガソリン車で『DBA-KEEFW』、ディーゼル車で『LDA-KE2FW』だったため、共通のKEをとって、『KE系』または『KE型』と呼ばれます。
KE系の販売期間は2012年2月16日から2017年2月1日までで、そのうち、2013年9月19日に一部改良、2014年11月20日に大幅改良が発表されました。
大幅改良を境に前期型と後期型にわけられますが、一部改良から大幅改良の間に販売されたモデルを『中期型』と一部で呼ばれることもあります。
マツダCX-5(KE系)の前期/後期の違い
前期型の特徴
© Mazda Motor Corporation
KE系CX-5が最初におこなった一部改良(2012年12月12日)では、変速タイミングをドライバーの意思でコントロールできるキックダウンスイッチを全車標準し、スカイアクティブ-GではJC08モード燃費値を0.4km/L向上させました。
© Mazda Motor Corporation
また、ボディカラーは3色追加した全7色にし、スカイアクティブ-D搭載車には電動ライドガラスサンルーフがオプションで加わりました。
後期型の特徴
2014年11月20日の大幅改良は、先進安全技術『i-ACTIVSENSE』(i-アクティブセンス)が搭載されました。
ヘッドランプの内部構造が一新され、当時に日本自動車メーカーとして初のLEDアレイ方式グレアフリーハイビームを備え、ヘッドライト同様リアランプもLEDリアコンビネーションランプとなりました。
新構造の前後ダンパーやフロントロアアームのブッシュ形状を最適化により走行安定性と乗り心地を向上、高速走行時で車内の騒音を従来比10%削減、シート構造の改良とフロントシートに高振動吸収ウレタンを採用し、上質感を向上させます。
スカイアクティブ-G搭載モデルには、走行モードを変更できる『ドライブセレクション』が搭載、4WD車には前輪駆動するエンジン動力を後輪駆動のために取り出す機構を持つユニット『PTO』と新開発のリアデフオイルを変更し、4WDの燃費値向上を果たしています。
内装は電動パーキングブレーキ(EPB)が全車標準搭載され、シフトノブ前のオープンボックス、コンソールボックス、フロントドアポケットといった収納スペースの容量が大幅に拡大。
© Mazda Motor Corporation
本革内装にピュアホワイトが追加と、ファブリックシートにはセンター部分にグロスブロッククロスが採用されました。
マツダCX-5・KE系をおすすめするポイント①:スタイリッシュな外装デザイン
CX-5は、現行のマツダデザインコンセプト『鼓動』を基本となるデザインを採用しており、非常にスタイリッシュです。
マツダのフラッグシップカラーである『ソウルレッドプレミアムメタリック』を一部改良時に追加し、カラーリングの光沢が高級感が引き立てています。
後期型のホイールには新デザインの19インチアルミホイールが選択でき、立体感のある切削加工とガンメタリック塗装がスタイリッシュかつスポーティーな装いを演出しています。
マツダCX-5・KE系をおすすめするポイント②:シンプルで上質感ある内装デザイン
それでいて本革巻のステアリングやソフトな素材で覆ったインパネ、そして一部分にピアノブラック塗装がほどこされ、上質感があり安っぽく感じません。
後部座席は、大人2名が快適に座れるよう4:2:4分割可倒式シートバッグを採用し、ラゲッジルームのトノカバーを取り外してラゲッジルーム下のサブトランクボックスに収納できます。
後期型は『Heads-up Cockpit』をコンセプトにして、内装デザインは前期型を基調としつつ、運転席はドライバーオリエンテッドな空間、さらに横方向に開放感のある助手席空間にデザインされます。
シフトノブの周囲やエアコンの吹き出し口、ステアリングスイッチの縁はアルミの装飾がなされ、細かいところまで高級感を演出しています。
前期型の内装
マツダCX-5(KE系) 前期型 内装 / © Mazda Motor Corporation
マツダCX-5(KE系) 前期型 メーター / © Mazda Motor Corporation
マツダCX-5(KE系) 前期型 パーフォーレーションレザーシート / © Mazda Motor Corporation
マツダCX-5(KE系) 前期型 アクティブクロスシート / © Mazda Motor Corporation
マツダCX-5(KE系) 前期型 クロスシート / © Mazda Motor Corporation
後期型の内装
© Mazda Motor Corporation
© Mazda Motor Corporation
マツダCX-5・KE系をおすすめするポイント③:レベルの高い安全性能
CX-5は発売当時では珍しかった、ブレーキの自動制御で衝突被害軽減を図る『スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)』が搭載され、先行車両や障害物などをレーザーが検知し、衝突の危険性が発生し、ドライバーがブレーキ操作を行わない時に、自動ブレーキが作動します。
また、正面に障害物が検知された状態で必要以上にアクセルを踏み込んだ時、ドライバーに警告し、エンジン出力を抑え急発進を抑制します。
CX-5の後期モデルに搭載されたi-アクティブセンスは、ミリ波レーダーとカメラといった検知デバイスを装着し、ぶつからないためのシステムやドライバーの運転をアシストするため、以下のアクティブセーフティ技術が搭載されます。
・アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)
・ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)
・リア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)
・レーンキープ・アシスト・システム(LAS)
・ドライバー・アテンション・アラート(DAA)
・スマート・シティ・ブレーキ・サポート[後退時](SCBS R)
・スマート・ブレーキ・サポート(SBS)
・マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)
アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)
対向車や先行車のドライバーを眩惑させることなく、常時ハイビームでの走行が可能となり、夜間走行における視認性を飛躍的に向上させる技術です。
ブラインド・スポット・モニタリング(BSM)およびリア・クロス・トラフィック・アラート(RCTA)
BSMはリアバンパーに設置した準ミリ波レーダーで、隣(左右)のレーンや後方から車体側方まで接近した車両の距離を検知。
そして、RCTAは走行中に車体の死角に入った車両を検知してドライバーへ警告。
また、駐車時からバッグで出るときに、左右から接近する車両がいることを検知してドライバーへ警告する技術です。
レーンキープ・アシスト・システム(LAS)&車線逸脱警報システム(LDWS)
© Mazda Motor Corporation
カメラが車線を認識し、車線から逸脱しないようにステアリング操舵トルクのアシストやステアリング振動警報によって運転操作をサポートする技術です。
ドライバー・アテンション・アラート(DAA)
高速走行時のドライバーの運転状態をチェックし、ドライバーへマルチインフォメーションディスプレイから適度な休憩を促します。
アダプティブ・フロントライティング・システム(AFS)
曲がり道などで、ドライバーが進みたい方向にヘッドランプのロービームを照射する技術です。
マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)
前方の先行車との速度差や車間距離を測定し、先行車と適度な車間距離を保ちつつ自動で速度をコントロールする技術です。
スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)&AT誤発信抑制制御
SCBSはブレーキの自動制御で衝突被害を軽減するため技術。
先行車と速度差が著しく、衝突の危険性が高いと判断するとブレーキを自動制御し、ドライバーがブレーキペダルを踏むと、即座に強い制動力が発揮し、ドライバーがブレーキ操作をしないときでも、自動でブレーキをかけます。
AT誤発信抑制制御はブレーキとアクセルペダルを踏み間違えたとき、急発進を抑制する技術です。
スマート・ブレーキ・サポート(SBS)
© Mazda Motor Corporation
中高速での走行時に前方衝突の回避と被害の軽減をサポートするため、先行車が接近すると最初は警告音を発し、さらに接近すれば自動でブレーキが作動する技術です。
マツダCX-5・KE系をおすすめするポイント④:パワフルで低燃費なスカイアクティブ-D
スカイアクティブ-D 2.2 / © Mazda Motor Corporation
CX-5は2Lガソリンエンジンの『スカイアクティブ-G 2.0』と2.2Lディーゼルエンジンの『スカイアクティブ-D 2.2』が設定され、後期型では2.5Lガソリンエンジンも追加されているため、ドライバー好みのエンジンフィールやエンジン特性から選択可能です。
中でも人気のスカイアクティブ-D搭載モデルは、最大トルク420N・mによる4リッターV8ガソリンエンジン並みのトルクを発揮し、それでいながらJC08モード18.6km/Lの燃費値を実現します。
さらにレギュラーガソリンよりも安価な軽油で走るため、低燃費と相まって燃料代の節約できます。
マツダCX-5・KE系の新車時販売価格とグレードラインナップ
前期型
グレード | エンジン | 駆動方式 | メーカー希望小売価格(円) |
---|---|---|---|
XD | スカイアクティブ-D 2.2 (2.2Lディーゼル) |
FF | 2,580,000 |
4WD | 2,790,000 | ||
XD L Package | FF | 2,980,000 | |
4WD | 3,190,000 | ||
20C | スカイアクティブ-G 2.0 (2.0Lガソリン) |
FF | 2,050,000 |
20S | FF | 2,200,000 | |
4WD | 2,410,000 |
後期型
グレード | エンジン | 駆動方式 | メーカー希望小売価格(円) |
---|---|---|---|
20S | スカイアクティブ-G 2.0 (2.0Lガソリン) |
FF | 2,446,200 |
20S PROACTIVE | FF | 2,548,800 | |
25S L Package | スカイアクティブ-G 2.5 (2.5Lガソリン) |
FF | 2,872,800 |
25S | 4WD | 2,673,000 | |
25S PROACTIVE | 4WD | 2,775,600 | |
25S L Package | 4WD | 3,099,600 | |
XD | スカイアクティブ-D 2.2 (2.2L ディーゼル) |
FF | 2,835,000 |
XD PROACTIVE | FF | 2,937,600 | |
XD L Package | FF | 3,261,600 | |
XD | 4WD | 3,061,800 | |
XD PROACTIVE | 4WD | 3,164,400 | |
XD L Paclage | 4WD | 3,488,400 |
マツダCX-5・KE系のスペック
前期型
20S(スカイアクティブ-G 2.0) | XD(スカイアクティブ-D 2.2) | |
---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 4,540×1,840×1,705 | 4,540×1,840×1,705 |
ホイールベース(mm) | 2,700 | 2,700 |
乗車定員(名) | 5 | 5 |
車両重量(kg) | 1,440【4WDは1,510】 | 1,510【4WDは1,610】 |
エンジン型式 | PE-VPS | SH-VPTS |
エンジン種類 | 直列4気筒 | 直列4気筒ディーゼルターボ |
総排気量(L) | 1.997 | 2.188 |
内径×行程(cm) | 83.5×91.2 | 86.0×94.2 |
圧縮比 | 13.0 | 14.0 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 114[155]/6,000 | 129[175]/4,500 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 196[20.0]/4,000 | 420[42.8]/2,000 |
トランスミッション | 6速AT | 6速AT |
タンク容量(L) | 56 | 56 |
駆動方式 | FF/4WD | FF/4WD |
後期型
20S (スカイアクティブ-G 2.0) |
XD (スカイアクティブ-D 2.2) |
25S Lパッケージ (スカイアクティブ-D 2.2) |
|
---|---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 4,540×1,840×1,705 | 4,540×1,840×1,705 | 4,540×1,840×1,705 |
ホイールベース(mm) | 2,700 | 2,700 | 2,700 |
乗車定員(名) | 5 | 5 | 5 |
車両重量(kg) | 1,470 | 1,560【4WDは1,620】 | 1,480【4WDは1,550】 |
エンジン型式 | PE-VPS | SH-VPTS | PY-VPS |
エンジン種類 | 直列4気筒 | 直列4気筒ディーゼルターボ | 直列4気筒 |
総排気量(L) | 1.997 | 2.188 | 2.488 |
内径×行程(cm) | 83.5×91.2 | 86.0×94.2 | 89.0×100.0 |
圧縮比 | 13.0 | 14.0 | 13.0 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 114[155]/6,000 | 129[175]/4,500 | 135[184]/5,700 |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 196[20.0]/4,000 | 420[42.8]/2,000 | 245[25.0]/4,000 |
トランスミッション | 6速AT | 6速AT | 6速AT |
タンク容量(L) | 56 | 56 | 58 |
駆動方式 | FF | FF/4WD | FF/4WD |
JC08モード燃費値(km/L) | 16.4 | 18.4【4WDは18.0】 | 15.2【4WDは14.6】 |
まとめ
マツダのSUVは2000年代終わりまで、あまりパッとしませんでしたが、CX-5の発売で波にのり、CX-3、CX-8、CX-30とSUVラインナップを充実させ、SUV市場においてマツダはエリートとなりました。
スカイアクティブテクノロジーと鼓動デザインを全世界へ浸透させたCX-5、そんな優等生モデルが100万円以下で購入できるなら、今後の新たな愛車にチョイスしてもいいはずです。