2017年9月に販売開始されたZC33S型スイフトスポーツですが、各メーカー・ショップから様々なチューンングパーツやカスタムパーツが発売されています。
今回は、編集部のZC33Sを使用してECU(エンジンコントロールユニット)の書き換えを実施。ECUデータは、レーシングパーツの製作を強みとしている大阪府のフラットウェルレーシングプロジェクトさんに依頼。
ECUを書き換えることで何が変化するのか?メリットは?デメリットは?ご紹介します!
フラットウェルレーシングプロジェクトとは
大阪府高槻市に店舗を構えるFlatWell RACING PROJECT(フラットウェルレーシングプロジェクト)。
乗用車の整備・車検・修理などの日常的なメンテナンスを始め、S660や86/BRZなどのスポーツカー向けのオリジナルチューニング・カスタムパーツの開発・販売、レースやイベントでの車両製作やサポートを行っています。
フォーミュラドリフトを始め、海外でもフラットウェル製のオリジナルパーツが使用されており、トップカテゴリーで選ばれるパーツとして信頼を集めています。
今回、フラットウェルレーシングプロジェクトさんから「ZC33Sスイフトスポーツ用の書き換えECUデータが出来上がったので、使ってみない?」というお声掛けを頂きました。
あらゆるパーツが純正状態の筆者の愛車(ZC33S)にちょうど良いと思い、二つ返事でECUデータを書き換えることを決め、今回の企画と相成りました。
ECU書き換えの前に現状把握
編集部のZC33S
©️モタガレレーダーブレーキ無しの通常パッケージでの6MT。カスタム状況は、フルバケットシートへ交換してドラポジ(ドライビングポジション)を改善した程度で、吸排気や駆動系、ブレーキ、タイヤ、ホイールに至るまで全て純正の状態です。
スイスポを速くするためのチューニングメニューの最初の一歩として、今回ECUデータ書き換えに着手。
フルノーマルの状態でECUだけ書き換えたらどうなるのか、ユーザー目線でインプレッションします!
ECU脱着におけるZC32Sまでとの違い
©️フラットウェルレーシングプロジェクト
筆者はZC31S→ZC32S→ZC33Sとスイフトスポーツを乗り継いできていて、いずれもECUを書き換えてきました。
ZC32Sまでと違いZC33Sの場合、ECUの搭載箇所がフロントウインドウ下(カウルトップ下)に付いているため、カウルトップを取り外す必要があります。
ZC31S、ZC32Sはバッテリー横に取り付けられていたことで簡単にECUを取り外すことができましたが、ZC33Sの場合はワイパー、カウルトップを取り外す必要があり一苦労。
フラットウェルさんも、ZC33SスイフトスポーツのECU脱着の際に必要な手順書をWebページに掲載しているので、ECU脱着の際には参考にしてみて下さい!
【スーパーECU】ZC33Sに書き換える
ECUデータの変更点は以下の通り
・スーパーECU詳細
スピードリミッターの引き上げ (180km/h → 280km/h)
クルーズコントロールリミッターの変更 (105km/h → 125km/h)
レブリミッターの引き上げ (6,000rpm → 6,500rpm)
ブースト圧コントロールマップ変更 最大ブースト 1.3-1.4k
空燃比マップの変更
点火マップの変更
バルブタイミングマップ平滑化
トルクリミッター引き上げ
あらかじめフラットウェルレーシングプロジェクトさんに連絡を取り、ECUを送る日程を伝えておいた上で送り、2日後には手元に帰ってくるスピード対応でした(状況によります)。
ターボ車でブースト圧を上げる=ブーストコントローラー、と思われがちですがZC33SのECU制御がとても特殊なもので、市販のブーストコントローラーでは対応ができないため、ブースト圧を上げる際はECU書き換えが必須になります。
【スーパーECU】純正との比較
書き換えられたECUには「TUNED by Flatwell」のステッカーが貼られてます©️モタガレ
©️フラットウェルレーシングプロジェクト
帰ってきたECUを車体に戻し、早速試乗!
車庫出しから一般道(制限速度30〜40km/h)
ぶっちゃけ変化が分からず。。。もちろん制限速度40km/h程度ではブースト圧を掛けるほどの加速をする必要がないので、いい意味で違和感なく乗ることができました。片側2車線の幹線道路(制限速度60km/h)
「おや?」と感じ加速しながらアクセル開度のコントロールをしてみたところ、純正の時に比べて明らかにタービンのレスポンスが良くなったことを確認。純正のブーストメーターであまり過給圧が掛かっていなかったシーンでも、積極的にブーストが立ち上がるようになりました。
高速道路(制限速度100km/h)
合流するシーンや車線変更からの追い越しなど、様々なシチュエーションで動作確認。幹線道路で感じたタービンのレスポンスの良さは間違いなかったようで、アクセル開度に対してリニアにスロットルが開くことはもちろん、積極的にタービンを回そうとする制御がされていると感じました。アクセルを踏んでからの加速の"ツキ"も良く、加速のためにシフトダウンをする必要が無いので6速のまま快適に巡行することができます。
積極的にタービンが回るということは当然回った分の燃料を消費するため、今まで通りのアクセルワークだと、加速は容易になりますが燃費が悪くなります。よりエコドライブ意識したアクセルワークにすることで純正と変わらない燃費で走行することができますので、踏み過ぎ注意です!
レブリミットについてですが、純正状態だとアクセル全開で踏んで行ったときにレッドゾーンが6300rpm付近に対して5800rpm付近でスロットルリミッターが作動し、一気に加速が鈍りますが、フラットウェルECUでは6500rpmまでスロットルリミッターが作動することなく回ることを確認しています。
総じて、ブーストアップや点火タイミングなどを変更していることで、いわゆる「1クラス上の加速」を体験でき、様々なサーキット走行だけでなく街中での走行でも十分な恩恵を得られることは間違いありません!
【スーパーECU】コンプリートカー情報
今回ご紹介した、フラットウェルレーシングプロジェクトさんの「スーパーECU ZC33S」ですが、大阪府高槻市にあるスズキ/ダイハツ高槻南(有)コンプリートスピード(Comprete Speed)さんにて、スイフトスポーツのコンプリートカーとしてECU書き換え済みの新車を購入することができます。
コンプリートスピード ZC33Sコンプリートカーは新車購入時に「ECU書き換え済み」、または「慣らし運転後に書き換え」を選ぶことが可能。
書き換え済みで納車されることで最初から20馬力の出力向上をしており、書き換えの手間が省け、慣らし運転後に書き換えることで、純正ECUの状態とECU書き換え後の変化を体感することができ、速さの違いを知ることができます。
ユーザーさんの好みによって選ぶことができるので、購入する際は是非検討してみてはいかがでしょうか?
【ZC33S ECU】まとめ
また、見た目の変化が無いということは、彼女や奥様にバレにくい??チューニングパーツの一つでもありますので、世のお父様方にはオススメできるのではないでしょうか。
気になる人はモタガレ、またはフラットウェルレーシングプロジェクトさんへ問い合わせてみて下さい!